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ドーナツが海に沈んだような高さ約19メートルの奇岩。鍋釣岩(なべつるいわ)の名は鉄鍋の取っ手「つる」に似ていることに由来する。溶岩が波や風に浸食され、空洞ができた。 「実は同じ形の岩がもう一つあった…[続きを読む]
7万年余に及ぶ気候変動を刻んだ地層のステンドグラスは、福井県の名勝・三方五湖(みかたごこ)の岸辺で褐色の光を放っていた。中央の白い帯は1万1653年前、「最終氷期」が明けた頃のものだ。 ラムサール条…[続きを読む]
何重もの扉を越え、地下の空間に下りていく。まっすぐな廊下の奥に、数字の付いた扉がいくつも並ぶ。宇宙船? 研究所? SF映画のような場所に眠っていたものは……。 神奈川県相模原市の住宅街。米軍施設跡の…[続きを読む]
天守の最上階から手を振る和服姿の外国人が2人。見下ろす先には山陽新幹線の駅がある。「駅近の城」として知られる城郭を、宿泊施設として活用する「城泊」の計画が進んでいる。 「ふくやま、ふくやまです」 列…[続きを読む]
行列の先には、1台のクレーンゲームがあった。キャッチに成功すると鐘が鳴らされ、周囲から歓声が上がる。クレーンの先にあるのは、ぬいぐるみでも、おもちゃでもなく――。 大鳴門橋や四国を見渡せる展望台で、…[続きを読む]
「四度(よど)の滝」と呼ばれる名瀑(めいばく)がある。春の緑。夏の涼。秋の紅葉。一度ずつ訪れなければ、真の趣は味わえないと西行法師が語ったと伝わる。冬の今、滝はどんな姿を見せているのか。 きりっとし…[続きを読む]
北海道美深町にある赤レンガ造りのビール醸造所。副原料に白樺(しらかば)樹液を入れた特産ビールをつくる。この日本最北のブルワリーを導いたのは、小説『羊をめぐる冒険』と、ある羊飼いだった。 「札幌から2…[続きを読む]
聞こえるのは、川のせせらぎ、鳥のさえずり、吹き抜ける風の音。日本海を望む山あいの一角で、朽ちゆく巨大なコンクリートの構造物が、静かな時の流れに身を委ねていた。 朽ちゆくコンクリートの壁面や柱にツタが…[続きを読む]
JR土讃線。列車が徳島県の山中に止まった。扉は開かない。運転士が車内を走り、逆方向の運転台へ。少し進み、たどり着いた小さなホーム。「坪尻駅 秘境の駅」と記されていた。 JR坪尻駅は、徳島県三好市のう…[続きを読む]
腕組みをして、じっと目を閉じている。写真に残るイメージより少し痩せているように見える。故郷の風景を見渡す丘の上に立ち、石川啄木は心に何を思い浮かべているのだろうか。 連なる山々に岩手山がひときわ大き…[続きを読む]
白装束のお遍路さんに交じって境内へ向かうと、山門の石段で足が止まった。「ROAD TO FREEDOM」(自由への道)。ポップな字体が由緒ある寺にいざなう。 弘法大師の足跡をたどる「遍路」は、四国八…[続きを読む]
ひらり、また1枚ひらり。やわらかい日差しのなかを、ゆっくり落ちていく黄色の葉。追いかけてトンネルを抜けたら、そこは高い、高い橋の上だった。峠の鉄道が通った道。 山道を車で上って行くと、赤茶色の巨大な…[続きを読む]
トンネルの壁面に刻まれた大きな「40」の数字。コンクリートの厚さ40センチを示すものだという。そばにあるのは「恋路駅」。晩秋の1日、ロマンチックな名の駅を訪ねた。 日本海に突き出た能登半島。その先端…[続きを読む]
東京・世田谷の等々力(とどろき)を空から眺めると、住宅街の中に緑のベルトが1本延びているのが見える、と言われる。23区で唯一の自然渓谷。都会の中の癒やしスポットだ。 東京の住宅地、世田谷・等々力(と…[続きを読む]
埼玉県内の住宅地を歩いていると、田畑が広がる一角に突然、巨大な門が現れた。いたるところに大小さまざまな竜の装飾が施され、まるでアジアの異国に来たようだ。 2万3千平方メートルの敷地に立つ色鮮やかな聖…[続きを読む]
約3億年前にできた石灰岩で成る台地に、巨大な口が開いた。未踏の空間がからみあう迷宮の始まりだ。30メートル下へ続く鉄骨階段を一歩一歩下り、いざ地下世界へ。 気温27度の外部から鍾乳洞に入ると一気に汗…[続きを読む]
空がどこまでも広がり、思わず深呼吸したくなる。若者たちがシャボン玉で遊ぶ秋の高原には、地元の住民たちが長い間大切に守ってきた、無数の白い穂が揺れる。 車を降りてまず目に飛び込んできたのは、ふわふわし…[続きを読む]
暖炉のようなれんが壁の先には、子どもたちのわくわくが詰まった絵本がいっぱい。おばあちゃんの昔話が聞こえてきそうな懐かしい空間へ、いざ。 赤れんがが敷き詰められた中庭。それを囲う四方の壁もまた、百年の…[続きを読む]
棚田の中腹に、ぽっかり開いた穴。展示空間への出発点だ。ただし、穴の奥へと進むのではなく、手前の白い道をたどり、草原や海沿いの林を抜けていく。そこに待っているのは……。 この地は森だと、島の住民ですら…[続きを読む]
丘の上にある小さな広場の真ん中に鎮座するマリア像。ここで愛を誓い、結婚式をしたカップルも多い。都心から1時間で行けるパスポートのいらない「イタリア村」へトリップ。 田園を見下ろす丘の上に、小さな「イ…[続きを読む]
丸い水平線と弓なりの九十九里浜。打ち寄せる白波にサーファーたちが挑む。まぶしい日の光がウェットスーツに反射する。夕日が海を照らすころ、人影は消え、風景は一変していく。 太平洋に突き出た高さ65メート…[続きを読む]
壁一面に広がる無数の引き出し。どこかで見たことがあるような――。そう、ここはスタジオジブリの映画「千と千尋の神隠し」で釜爺(かまじい)の仕事場のモデルになったとされる文具店だ。 一歩足を踏み入れると…[続きを読む]
養殖いかだが浮かぶ、四国の穏やかな海。そのすぐ近くに、巨大な「ピラミッド」がそびえ立つ。築いたのは古代の王ではない。急斜面の漁村で懸命に生きた、名もなき人々だった。 真っ青な空と海の間に現れた壮大な…[続きを読む]
青い山と緑の田んぼを背景に、三つの水車がバサンバサンと豪快に回る。木のひしゃくが次々と川に沈み、たっぷり水を入れて上がっては、樋(とい)にざあざあと流し込む。水流という自然の力だけで水をくみ上げ、川…[続きを読む]
そびえ立つ巨岩の内部に、神殿にでも迷い込んだかのような地下空間が広がる。ここから、近現代日本を代表する建造物に使われた石材が、多くの人の手で切り出されてきた。 地下に続く石段を下ると、外の暑さがうそ…[続きを読む]
商業施設の一角にすまうのは金魚たち。光と映像が織りなすディスコ空間へようこそ――。 極彩色がたゆたう水中はまるで万華鏡。その中をオレンジ、赤、白、多彩で愛嬌(あいきょう)たっぷりな約3千匹が踊る。そ…[続きを読む]
開業10周年を迎えた東京スカイツリー。リボンのモニュメントが飾られた展望デッキは有名だが、今回、向かうのは別の場所。普段は入れないツリーの隠れた「名所」に行ってみよう。 巨大な円筒の鉄骨は、両腕を伸…[続きを読む]
鳥居をくぐると、鮮やかなピンクが目を引く。縁結びの御利益をいっそう引き立てるような、ハートの形の絵馬だ。多くの人たちが願い事を書き込む。大切な相手を思いながら。 ずらりと並ぶハートの形をしたピンク色…[続きを読む]
容器に盛られた、下ゆで済みの天ぷらうどんが機械の中へ。熱々のつゆは、その中で注がれる。昭和に活躍したレトロ自販機だ。令和の今、その「聖地」があると知り訪ねた。 SNSやネット上で、「レトロ自販機の聖…[続きを読む]
年季の入ったボール、大正時代の写真、部に伝わる教え「ラグビー10則」。ある大学のラグビー部が創部100年を迎えた。現役選手は、新しく整備されたグラウンドで楕円(だえん)球を追う。 照明が照らされた夜…[続きを読む]
人里離れた中国山地の「アジサイ寺」に、少し遅い花便りが届いた。ところが、今年の参拝者のお目当ては、花だけではないみたい。新たな「白い主役」にピントを合わせてみると。 つづら折りの山道の先に、まぶしい…[続きを読む]
朽ちた要塞(ようさい)跡をのみ込む深い森。まるで名作アニメ映画に登場する「天空の城」のようだ。一体どんな歴史があるのか。フェリーに乗って、東京湾に浮かぶ小さな無人島に向かった。 東京湾にぽつんと浮か…[続きを読む]
宇宙服のようなヘルメットをかぶり、朱色のスーツを着た巨大な猫の彫刻。瞳には大阪・堂島のオフィスビル群が映る。夜はヘルメットが光り、ライトアップされる。なぜ、ここに? 大阪市北区の中之島は、堂島川と土…[続きを読む]
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