北上川と猿ケ石川の合流点にあり、日が照ると英国のドーバー海峡の白亜の海岸に似て岩が真っ白になるところから、賢治が命名した。賢治は花巻農学校の教員時代にしばしば生徒らと訪れ、その時の様子を随筆風短編「イギリス海岸」に描いた。海岸のイメージは「銀河鉄道の夜」を始め、多くの作品に影響を与えたと見られている。２００６年、国の名蕉イーハトーブの風景地」に指定された。

北上川から供給される豊富な工業用水と宿場町に根付いた開放的な気風を背景に展開された。県内で最も古く造成された北上工業団地など８団地への誘致企業は、２０１０年度末で１９６社。年間の製造品出荷額は０９年３６３９億円で県内トップ。０７年に経済産業省の「企業立地に頑張る市町村２０選」に選ばれた。着工が延期されてはいるが、０８年には東芝の半導体工場の誘致にも成功した。

震災のあった３月１１日時点の児童数は１０８人。このうち、避難中に津波で６８人が亡くなり、６人が行方不明になった。教職員は１３人で、震災当時は学校に１１人がおり、９人が死亡し、１人の行方がわからなくなっている。校舎は２階建てで、北上川沿いにあり、河口から約５キロ。川をさかのぼった津波は校舎の屋上を超える高さがあった。