オゾン層を破壊しない代替フロンの一種で、現在主流の混合冷媒「ＨＦＣ４１０Ａ」の原料。製品をスクラップにした際、そのまま再利用できる利点がある。欧州では温暖化の影響がないプロパンなどの使用に前向きだが、ＨＦＣ３２の使用を表明すると国連の補助金が出るため、新興国のインドやインドネシアなどでは使用に向けた法整備が進んでいる。ダイキン工業は課題だった可燃性について危険がないと判断し、今秋から国内で販売を始めた。

リチウムイオン電池はリチウムイオンの通り道となる電解質に可燃性の液体を使うが、全固体電池はこの部分も燃えにくい固体を使う。リチウムイオンを行き来させる固体の電解質をつくるのが難しかったが、１１年に東京工業大学の菅野了次教授らのグループが液体並みに優れた電解質を開発。関連する世界の特許のうち半分ほどは国内の研究機関や企業が持つなど、日本は世界の研究をリードしているとされる。