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09月26日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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河田防災塾

予測できない災害にどう備えるべきか

 南海トラフ地震や首都直下地震の発生が近い未来に予想され、洪水など災害が相次ぐ中、被害を減らし、復旧を早める「縮災」を提唱する関西大学社会安全研究センター長の河田恵昭・特別任命教授が、連続講座「河田防災塾」(関西大学主催、朝日新聞社後援)を開講する。初めて体系的に防災を学ぶ人を対象にした「初級編」と、2017年度の受講者の中からより専門的な知識の習得を目指す人向けの「中級編」に分け、各5回実施する。講義内容を随時、公開していきます。

河田恵昭

河田恵昭(かわた・よしあき)
 京都大学工学部卒業後、京都大学大学院を経て、1976年に京都大学防災研究所助教授就任。米国のワシントン大学やプリンストン大学に留学し、93年に同研究所教授、2005年に同研究所所長。その後、関西大学環境都市工学部教授、同大社会安全学部教授、12年から同大社会安全研究センター長。日本政府中央防災防災会議防災対策実行会議委員。兵庫、大阪、岡山、和歌山、三重、奈良、高知、新潟、愛知、静岡各府県の防災対策委員長を歴任。02年から人と防災未来センター長。

 防災の知識を得ることには、災害が起きた時、人的・経済的な被害を軽減するというはっきりした目的がある。さらには、自分自身が被災者にならないためにも必要だ。
 誰もが安全・安心な社会を望んでいる。だが、災害は経験することが少ないため抽象的な問題になり、現実的に解決しないといけない問題が出てきた時、その対策は傍らに追いやられてしまう。でも、災害を経験してからでは遅い。
 さらに、地震に備えていたら洪水が起こり、洪水に備えていたら土砂災害が起きるというように、災害への対応は膨らむ性質がある。加えて、必要最小限の対応では失敗するため、最善のアプローチが求められる。何が最善かを知るため、過去の災害や対応を学ぶことが大切だ。
 4月からの講座では、災害に関する史料が残っている西暦500年ころ以降で、1千人以上の死者が繰り返し出ている地震、津波、洪水、高潮に加え、最近、年平均で1千件以上発生している土砂災害に焦点を当てる。  それぞれの災害には、災害の原因になる力の大きさである「外力」と「社会の防災力」、「対策」がある。初級編では、災害が起きるメカニズムなど、防災の基本を理解することを目的にする。
 中級編では、過去に起きたのと同じ災害が今、実際に起きた場合、どのような被害が生じるかを学び、縮災によってどのように克服するかについて理解することを目指す。
 自治体は行財政改革が進み、職員数が減っている中で、災害には防災部局だけでなく、組織全体で立ち向かわなければならない。
 大阪では特に中小企業で、災害時の対応を定めた事業継続計画(BCP)の普及率が低い。直接被害を受けなくても、南海トラフ地震や首都直下地震が起き、物を作っても売れなくなる事態を想定しておかないと経営に失敗する。
 防災を学ぶことは、人生の中で出会うリスクを小さくすることにつながる。よりよく生きるためのすべとして学んでほしい。

河田恵昭氏からのメッセージ

初級編・講義ダイジェスト


中級編・講義ダイジェスト

写真・図版

大災害を乗り切るために 過去の教訓から考える (2018/1/31)

国際防災・人道支援フォーラム2018(人と防災未来センター、兵庫県などの実行委員会主催、朝日新聞社など後援)が23日、神戸市中央区で開かれた。発生確率が高く、起きれば甚大な被害をもたらす南海トラフ地震や首都直下地震を「国難」ととらえ、国内…[続きを読む]

2017年度・講義ダイジェスト

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 時間の経過と津波の高さを表した動画。断層が大きくずれる箇所ごとに5ケースを想定

【ケース1】東海地方が大きく被災する場合

地震が遠州灘から起こり始め、南海トラフに沿って拡大。5分後には駿河湾沿岸や紀伊半島に5メートル以上の津波が押し寄せ、20分後には静岡、三重県の一部に20メートル以上の津波が到達する。30分後には高知県で10メートル以上、九州でも5メートル以上の津波が押し寄せる。津波は繰り返し、数時間後も断続的に大津波が来襲する。

災害大国 あすへの備え

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