デジタル動画 |
アップルは15日、2年ぶりにノート型PCのMacBookシリーズをフルモデルチェンジした。本体の素材を一体整形したアルミニウムに変え、質感や剛性を上げた。マウスボタンを無くし、操作性を向上させるなどモバイルPC市場の競争が激化する中、物作りへのこだわりで差別化を図る狙いが見られた。(アサヒ・コム編集部)
MacBook本体の材質は従来機のポリカーボネートからアルミニウムに変わった。アルミニウムの塊を削りだすことで継ぎ目を減らして軽量化した上で剛性が増した。継ぎ目をなくしたことで手のひらになじみ、従来機のパームレスト部分のひっかかりが無くなった。剛性の向上で、キーもしっかりたたけてノートPCのキーボードとは思えない。
全体の印象としては、従来のMacBookと最軽量モデルMacBook Air、デスクトップ型PCのiMacのディスプレーを融合させたようなモデル。MacBookは、厚さは0.34センチ薄くなり、重さは230グラム減った。
大きな変更点の一つは、トラックパッド部分にボタンが無くなったことだ。それにより、パッド部分の面積も約40%大きくなり、操作しやすくなった。パッドの素材はガラス。指の滑りが良く快適にポインターを動かせる。
クリックする場合は、指でパッドを押すと反応する。iPod touchやiPhoneと同様に指で広げたり、つまんだりするジェスチャーをパッド上ですると写真などが拡大縮小する。また、4本指で前方に押し出すとウインドーが画面から消え、手前に引くとまた、戻ってくるという操作も加わった。マイクロソフト社製OS「Windows」でなじみのある右クリックは、パッド右下をクリックすると動作する。
ディスプレーの素材はガラスになり、バックライトの改良で表示が鮮やかになった。厚さも薄くなったことで従来機に比べ、消費電力が30%減ったという。ディスプレーの大きさは、通常モデルが13.3インチ、Proが15.4インチ。
グラフィック能力も従来機に比べ、最大6倍ほど高まった。チップはインテル製からNVIDIA製の「GeForce 9400M」を採用。ビデオ、写真閲覧や三次元型ゲームもストレスなく楽しめるようになった。また、インターネットの閲覧においても表示が速くなっている。
MacBookはFireWireが無くなった。
オプションで記憶装置をハードディスクから128GBのメモリー型記憶装置であるソリッドステートドライブ(SSD)にアップグレードするオプションもある。
質の向上からみて割安になったと言える。MacBookの価格は14万8800円と18万4800円。MacBook Proは、22万8800円と28万8800円。11月上旬発売予定のMacBook Airは21万4800円と29万8800円。いずれも税込み価格。
アップルは、作り手のこだわりを披露するため製造工程をビデオで配信した。通常、同社は製造工程を表に出さない方針で、異例のプロモーションだと言える。同社のビデオ配信サイトのURLは、http://www.apple.com/jp/macbook/the-new-macbook/