現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 動画
  4. 環境動画
  5. 記事

「沖縄の海を守りたい」 Cocco「ジュゴンの見える丘」

2009年10月6日

印刷

ソーシャルブックマーク このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

環境動画

動画投稿

 沖縄県名護市の大浦湾は、生き物たちの楽園です。巨大なサンゴの群集が点在し、約170種の魚が群れ舞います。サンゴに囲まれた浅い海「イノー(礁池)」には海草が豊富に生えています。そして、それを食べに、国の天然記念物ジュゴンがやってきます。

 その湾を望むのが「ジュゴンの見える丘」です。沖縄出身のシンガー・ソングライターCoccoさん(32)もジュゴンが見たくて、数年前から何度か訪れているそうです。

 ジュゴンはかつて、沖縄本島や周辺に広く分布していました。しかし戦後の食糧難による乱獲などで65年以降激減、生息数はいまや数十頭とされています。目撃情報も大浦湾周辺と北東部の古宇利島で年に数回ある程度です。

 しかも、大浦湾の西岸・辺野古は、米軍の普天間飛行場の移設予定地になっています。民主党政権は基地移設について再検討の姿勢を見せていますが、ここ数年、基地建設のための調査船が頻繁に出入りしていました。そのこともあり、ジュゴンはほとんど姿を見せていませんでした。

 2007年6月。その大浦湾の入り口で泳ぐ2頭のジュゴンを、琉球朝日放送(QAB)のカメラが捕らえました。6月21日、夕方のニュース映像でその姿が流され、Coccoさんはくぎ付けになったそうです。親子か恋人か。1時間以上も、海面で戯れたといいます。

 Coccoさんはそのニュースを見て、涙と鼻水でグシュグシュになりました。数時間とたたずに、曲「ジュゴンの見える丘」ができたそうです。

 Coccoさんはそれまで、基地への言及を避けていました。

 単純に反対とは言えません。沖縄では基地で働く日本人も多く、在日米軍の米国人と地元の日本人女性との間に生まれた人もいます。彼らに配慮し、ライブ中に英語で話したり、英語の曲を書いたりしてきました。親しい知人もいました。「誤解を恐れずに言うなら基地の存在を否定することは彼の存在を否定することだった」と、後にエッセー集『想い事。』に書いています。

 ですが、ジュゴンの存在が、「基地のない沖縄を見てみたい」と願う大きな要因となっていったのです。

 その年の七夕、温暖化防止を訴えるイベントに出演したCoccoさんは、「戻ってきてくれたジュゴンに、一生かけて向き合わなければならないと思いました」と言い、「ジュゴンの見える丘」を歌いました。

 基地問題の複雑さをふまえた上で、なお沖縄の海を守りたいと歌うCoccoさんのメッセージ。沖縄でジュゴンにかかわる何人もの人々も、同様の思いを抱いています。

 (続きは10月3日付け朝刊の別刷り「be」をお読みください。)

   ◇

 動画は2009年9月17日、本社機「あすか」より撮影。

検索フォーム


朝日新聞購読のご案内