変わる教育、変わる入試 ともに考えたい
朝日新聞EduA 編集長よりごあいさつ

6月、中1の息子にとって初めての定期テストがありました。問題をみてびっくり。記述で答える問題がなんと多いことか。「二つの詩を読んで、好きな方を選び、その理由を答えなさい」(国語)など、「正解」がない問題も散見されました。親世代とは違う。改めて、ひしひしと感じた瞬間でした。
小学校では2020年度から、中学校では2021年度から、新しい学習指導要領が始まりました。高校では、2022年度入学生から適用されます。知識や技能だけでなく、それを土台にした確かな読解力と豊かな表現力をつけるとともに、自ら学ぶ姿勢が求められています。
入試の世界でも変化が起きています。最終的に見送られましたが、今春から始まった大学入学共通テストでは、国語と数学で記述式が、英語では英語民間試験の導入がうたわれました。大学入試はまだまだ変わります。2025年度大学入試からは、共通テストに情報も加わります。総合型選抜などもさらに広がっていくでしょう。
社会が変化するスピードがあがり、「最終学歴」ではなく、時代の変化に合わせて生涯学び続ける「最新学習歴」を更新していく時代になるといわれます。そんな時代、我が子に確かな「学ぶ力」を身につけてもらいたい。可能性を伸ばし、その能力をいかんなく発揮してほしい。多くの親がそう思うでしょう。
では、どうしたらいいのでしょう。
ふと、周囲を見渡すと、世は情報の洪水状態です。小さな頃からたくさんの本を読み聞かせ、英語に触れさせましょう、プログラミングを経験させましょう、自然に親しませ、社会の様々な事象に関心を持たせましょう……。楽器も習わせたいし、何かスポーツもさせたい。でも、友達と遊ぶのも、ぼーっとする時間も子どもにとっては大事。すべてやろうと思ったら、1日24時間では足りません。そもそも、いったい何を基準に、どれを選んだらいいのでしょうか。
進路も多様化しています。中学受験はするのか、しないのか。するとして、公立中高一貫校にするべきか、私立中高一貫校にするべきか。高校選びは、進学校がいいのか、大学付属がいいのか。塾に行くなら、どこが我が子に合っているのか。親がこんなに悩んでも、子は別の生き物。なかなか机に向かわない、塾を行き渋る、成績が伸びない……。悩みや不安は尽きることがありません。
我が子によかれと思った選択が、本当によかったのか。その答えが出るのは何年も後です。答えが分からないことだってあるのです。そして、その子その子で、適しているものが違います。そこに難しさ(と同時に楽しさ)があります。ただ一つ言えるのは、多様な選択肢の中から選ぶには、正しい情報が必要だということです。
「朝日新聞EduA(エデュア)」は、学齢期のお子さんを持つ保護者に向けたメディアです。記者の多くも、悩める親の一人です。教育や受験に関する最新の正しい情報を提供するとともに、一緒に考え、解決策を探っていきたいと考えています。受験や教育の専門家による連載も多数そろえています。ウェブサイトだけでなく、朝日新聞の別刷りや地方版の紙面でも展開しています。
どうぞご愛読ください。
(2021.7.1)
山下知子

山下知子

朝日新聞EduA編集長