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以食為天―食で読む中国

多彩なキノコ、屋台で調理

朝日新聞編集委員:加藤千洋

 中国は「地大物博」、土地が広くて物産が豊富と言われる。したがって食材も東と西、南と北ではずいぶんと違いがある。今回は少数民族の多く住む辺境地域を食べ歩いてみたい。

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水かけ祭ではしゃぐタイ族の娘たち

 まずは南の雲南省だが、この季節に思い出すのはタイ族の暦で新年に行われる溌水節(水かけ祭)だ。太陽暦では4月中旬に当たり、今年は13日から3日間、最南部の西双版納(シーサンパンナ)タイ族自治州などタイ族が多い地域で盛大に祝われた。

 日本にも元旦に若水をくむ風習があるが、こちらは正月2日目に寺院で清めた水を、誰彼お構いなしにバシャバシャとかけ合う、実に楽しい祭りである。

 神様が清めたといえば透明で清浄そうだが、実際はため置きの雨水や濁った川の水もバケツやたらいで動員されるから、後で着物はどろんこになることも。それでもかけられた人も、この日だけは笑って許す。ともかく厄をはらい福を呼ぶ聖水なのだから。

 タイ族の女性の服装はご覧の通り、襟無しのシャツに巻きスカートが多い。食事の関係からか、苗条(ミヤオティアオ)な人が多いと言われる。体の線がすんなりして美しい女性を言うほめ言葉だ。

 では、どんなものを食べているのか。4月、5月で気温が30度以上の亜熱帯地域なので住居は高床式が多く、中国で有名な雲南コーヒーの特産地となっている。バナナやパイナップル、マンゴーといった果物や野菜、とくにキノコ類が豊富だ。

 下の写真は州都・景洪(チンホン)の屋台店の店頭だ。エノキダケの野生種らしきものやヒラタケのようなもの、ぬるぬるした大型ナメコもどきと多彩で、それと、あれをと注文すると豚肉や牛肉、豆腐などといためてくれる。

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屋台に並ぶ食材には各種キノコがいっぱいだ=いずれも西双版納タイ族自治州景洪で、加藤写す

 平地では水稲栽培が盛んで主食は米だ。レストランではもち米のおこわが出てくる。露天市でバナナの葉に包んで蒸したちまきも見かける。

 西双版納を横切って流れる大河の魚類の恵みも忘れてはならないだろう。インドシナ半島を貫流するメコン川の上流部だ。中国領内では瀾滄江(ランツアンチアン)と名を変える。

 その昔、タイ族はこの川に沿って東南アジア各地に南下していった。だからタイ国のタイ人と中国のタイ族は同じ民族ということになり、ともに小乗仏教を信仰し、言葉もほぼ共通する。タイでも水かけ祭が盛んだ。

 メコンは物流の水脈でもあり、船で往来する物産も多彩だ。景洪の市場には日本企業が東南アジア各地の工場で現地生産する調味料などがたくさん並んでいる。

 ここで中国の民族事情を説明しておこう。圧倒的多数派は漢族で13億人口の94%を占め、残り6%が少数民族ということになる。

 固有の民族であるかどうかは中国政府が認定する。建国時は漢族を除き9民族だけだったが、50年代以降に増えて、現在は55民族になった。人口が最多は壮族で1000万人を超え、少ないのは数千人規模。ちなみにタイ族は西双版納だけで二十数万人、中国全体では100万人をやや超えている。

(04/27)





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