スーパーフード「アボカド」で体づくり 新日本プロレス オカダ・カズチカのこだわり

191cm、107kgという恵まれた体から繰り出されるダイナミックなドロップキック、そして強じんな腕をのど元に見舞う必殺技のレインメーカー。華のある戦いで観客をひきつける新日本プロレス所属人気プロレスラーのオカダ・カズチカさんは今年10月、毎年注目を集める「G1 CLIMAX 31」で優勝を飾りました。タフな大会を勝ち抜く体を支えていたもののひとつは、栄養豊富な緑の果実「アボカド」です。オカダさんのキャリアや、メキシコで出会ったというアボカドを取り入れた食生活のコツと、自身の定番レシピについて聞きました。

メキシコで出会ったアボカド。
「日本を思い出す味」

この日、撮影でスタジオのキッチンに立ったオカダさんが作ってくれたのは、メキシコ料理を代表するアボカドのディップソース、ワカモレでした。マッシュしたメキシコ産のアボカドに、刻んだタマネギやミニトマトを混ぜ、レモンをひと絞り。薄いパンのような生地でできたトルティーヤなどにつけて手軽に食べられます。「アボカドは普段からよく食べますね」とオカダさん。アボカドに出会ったのはメキシコで修行をしていた10代の頃でしたが、栄養豊富だと知ったのはここ数年のことだそうです。

世界有数のプロレス団体で活躍するオカダさんですが、プロレスラーとしての原点は、3年半を過ごしたメキシコにあるといいます。中学卒業後に単身でメキシコを拠点とするプロレス学校に入り、「ルチャ・リブレ」と呼ばれるメキシコのプロレスでみっちり鍛えられ、徐々に頭角を現しました。異国の道場で作るちゃんこ鍋とともに、心と体を支えたのがアボカドでした。「大体はガーリックを効かせたソースとして何かにつけて食べるんですが、アボカドって、しょうゆも合うじゃないですか。少し崩せばトロのような食感になりますし、ごはんにのせて食べることもありましたね。メキシコで初めて食べたのに、僕の中では日本を思い出す味でもあったんです」

メキシコ修行時代のオカダ・カズチカさん
=オカダさん提供

メキシコにおいて、アボカドは市場でいつでも手に入る国民的食材です。時には、ファイトマネーのように、アボカドを使ったタコスが振る舞われることもあるそうです。「メキシコには、アマチュアで活動するレスラーも大勢いました。タクシー運転手や警察官のレスラーなどもいて、すそ野が広いんだなと感じた覚えがあります。移動にタクシーを使った時、なぜか運転手まで会場に入ってきて『え、試合に出るの?』なんてこともありましたから。それぐらい競技人口が多く、文化としても根づいています。国民に愛されているスポーツなんです。試合がある週末は、街にカラフルなマスクの露店が並んでいました」とオカダさん。トラックの荷台で何時間も揺られて会場に行くなど苦労した経験も、今となっては良い思い出だそうです。

アボカドの発祥の地はメキシコです

火山性の土と気候のおかげで、メキシコのミチョアカン州はアボカドの一大産地に。1年に4回花を咲かせ、年間を通じて収穫できる世界唯一の国と言われます。豊かな土壌が育んだ高品質のアボカドは、一つひとつ手摘みされて世界中に流通。メキシコは日本への最大輸出国でもあります。

アボカドの栄養価に驚き。
「良いアブラ」は積極的に摂取

19歳で、現在所属する新日本プロレスに移籍。日本とアメリカの道場での修行を経験し、体を大きく、強くすることを目指すようになりました。当時は1日1万kcalほど摂って、食べていれば体がつくれるだろうと考えていたそうです。「やはり栄養バランスを考えないと、成果にはつながりにくいですね」

体を動かしながらとにかくカロリーを摂取したり、鶏ささみとブロッコリーばかりを食べたり……。食生活の確立には紆余曲折(うよきょくせつ)があったものの、今は「良いアブラの取り方」を意識しているそうです。

かつては「アブラは悪なのだ」という思い込みがあったというオカダさん。「取るべきアブラ」があると知って驚いたそうです。「アボカドは栄養を吸収しやすい不飽和脂肪酸を含んでいて、食物繊維やビタミンEなども入っていますよね。栄養面でアボカドに注目したのは最近のことで、それを機に食事を見直すことにしたんです。コロナの影響で試合がなかった時期に、毎日1個ずつ食べ始めた感じですね。ついでに、早起きして散歩をするとか、生活サイクルも変えてみましたが、良い変化を感じられたのはアボカドぐらいでした(笑)。体が軽くなった感覚があります」

プロレスラーはその肉体美が称賛されることもありますが、オカダさんはボディービルとは違った「戦うための筋肉」をつけることが大事だと語ります。自身のこだわりは、「動ける体」をつくること。まんべんなく栄養を取りつつ、大事な試合の前には主に炭水化物と脂質のバランスを調整して仕上げるのだそうです。「炭水化物を抜くとスタミナが落ちてしまうので、試合前には絶対必要です。炭水化物をしっかり取るぶん、脂質を抑えます。でも、脂質をゼロにしたいわけではなくて、アボカドや魚で良いアブラを取るよう心がけています。ほどよく、取るべきものを取りたいですよね」と力説します。

栄養バランスにこだわる一方、地方巡業ではストレスをためないことを重視して比較的好きなものを口にするのだとか。「特にG1は長丁場ですから、好きなものを食べてストレスを溜めず気持ち良く試合モードに入るようにしていました。試合当日だけは、スタンダードな牛丼を食べると決めています」

日頃の食事、そして試合期や試合直前の食事で体調をコントロールしているオカダさん。アボカドは自宅で味わうことが多いようです。「僕がよくやるのは、タコスのアボカドソース。肩ロースを焼いてトルティーヤで巻いて塩とライム、というのが定番です。チリソースやタバスコで辛くしてもいいし、パクチーで味を変えることもできます。ゆっくり映画でもみながら味わうのが夢ですね」

アボカドは栄養豊富!

体に欠かせない約20種のビタミンとミネラルやカリウム、食物繊維などを含むアボカド。β-カロテンやルテインをはじめとする脂溶性栄養素などを取る時に栄養が吸収しやすいこともうれしいポイントです。

何度でも立ち上がる、
プロレスラーの強さを届けたい

国内外の試合で名勝負を繰り広げ、プロレス界をリードする存在になったオカダさん。新日本プロレスは来年旗揚げ50周年を迎えることから、ファンと一体になって節目の年を盛り上げたいと意気込んでいます。「『やっぱりオカダだ』『オカダがトップにいてこその新日本プロレスだ』と言われたいですね」

さらに、コロナ禍で、不安も多い世の中だからこそ「プロレスにできることがある」と語ります。「プロレスラーは何度でも立ち上がります。スリーカウントを決められる前に、もう一度攻める。そんな姿と気迫を届けて、みんなを元気づけたいんです。体が資本ですから、コンディショニングには今後もこだわっていきます。試合を見て、『オカダを支えているのはアボカドなんだな』と思ってもらえたらいいかな(笑)。一緒に箱買いして、元気の源を味わいましょう!」

食べ頃のアボカドは表皮を押すとやわらかい!

成熟度を判断する時は、まずは皮が黒っぽくなっているか確認し、親指で軽く表皮をプッシュ。やわらかい場合は、成熟のサインです。熟すと次第に果肉から水分が失われてヘタが沈むため、ヘタと実の間に少しの隙間ができます。押して隙間が感じられるのは、食べ頃のサインです!

オカダ・カズチカ / プロレスラー

おかだ・かずちか/1987年、愛知県生まれ。15歳で単身メキシコへ渡り、プロレス学校「闘龍門」に入学。2004年メキシコでデビュー。07年に新日本プロレスに移籍すると、IWGPヘビー級王座をはじめ数々のタイトルを獲得。現在は積極的なメディア出演で、プロレスの普及に取り組む。

オカダ・カズチカ
プロレスラー