広野雅明本部長 [SAPIX小学部 教育事業本部]
今後の入試で大きな変化のひとつが、本郷中高が来年から、豊島岡女子学園がその翌年から高校募集を停止し、完全中高一貫化することです。それに伴いカリキュラムも改訂されますので、今後の期待も大きいです。本郷中高は中学の募集定員も増加しますので、チャンスが広がります。
入試要項の変更では、今春までは2月2日の1回入試だった湘南白百合学園が、2月1日の午後に算数1教科入試を新設、また2月3日の1回入試だった暁星が2月2日午前と3日午後の2回入試に移行します。田園調布学園は2月1日の午後に算数の1教科入試を新設します。今春の入試では香蘭女学校・巣鴨・世田谷学園などが午後入試を新設し、大勢の受験生を集めましたが、これらの学校がどこまで受験生を集めるかが注目されます。
来春の入試では、小野学園が品川翔英に校名変更し、さらに共学化します。またカトリック校の聖ヨゼフ学園も共学化します。両校とも小学校の人気が高いので、今後は難化する可能性があります。
大切なのは、目先の結果に一喜一憂してバランスを崩さないこと。受験科目が4教科なら、短時間でもいいので毎日なるべく全教科を学習することが大切です。また子どもは授業やテストの解説を聞くと「わかった気」になりがちですが、本当に理解していないと少しパターンが変わっただけで対応できなくなります。教わって理解するというインプットと、自分の力で問題を解いてみるというアウトプットの両面が重要です。特にアウトプットに関していえば、受験する予定の学校の過去問を実際に解いてみること。できれば時間を計り、なるべく本番に近い条件で取り組んでみるのがいいでしょう。
なかなか成績が伸びずに苦しんでいても、地道な学習で基礎的知識や考え方を定着させてきた「努力型」の子どもは、いずれ必ず頭角を現してきます。焦ってあれこれ手を出すのでなく、ひとつの教材をじっくり仕上げるよう心がけてください。
入試では受験者全体の平均点が6割、合格者平均が7割程度になるよう問題が設計されていることがほとんどですので、逆にいえば1割、2割は落としても心配はないということです。模試の結果、正答率が1割というような難問にはあまり拘泥する必要はありませんが、7割、8割が得点している問題を落としているようなら、原因を見つけてしっかり対策するようにしましょう。
また、自己採点の作業を通じて身につくものも多いので、正解が発表されたら一度は子ども自身に解説を読みながら採点させてください。そのうえで、都合よく思い込みや勘違いをしていないか、通っている塾の先生などに「自己採点の答案を採点してもらう」といいでしょう。