新型コロナウイルスの感染拡大が、学びの現場にも多大な影響をもたらした2020年。
関西屈指の名門中高一貫校、神戸女学院中学部・高等学部は、この危機にどのように向き合ったのか。
生徒はどう反応し、どう動いたか。先の見えない状況で発揮された名門校の真価に迫る。
神戸女学院中学部・高等学部
森谷典史 部長
4月下旬から、オンデマンド方式で授業を配信しました。テキストや授業の動画、課題を配信し、勉強した後で各自チェックテストを受けてもらう、という方法です。ただ、先生方が「この機会に普段できないことをしよう」と張り切って次々に課題を出すものだから(笑)、若干オーバーワーク気味だった生徒もいたようです。
6月の学校再開後は、オンライン授業の総復習をするための期間を設けましたが、「また同じことをやるの?」と逆に生徒から言われてしまうほど、休校中もみんな真面目に取り組んでくれました。
新入生を歓迎する4月のデイキャンプ、5月の愛校バザー、6月の体育祭など、多くの行事が開催できませんでした。
ただ、高3生が「これだけはどうしても」と後日実現させたのが、体育祭で披露するはずだった学年パフォーマンスです。1曲踊りきり、ビデオに収めていました。
例年、それぞれの行事が終わると、リーダーや委員長を務めた先輩が、礼拝の場で「私たちはこんな思いで行事を作り上げてきました、次は皆さんに任せます」と後輩に向けて話をする機会があります。
今年のリーダーたちは、「開催できなくて悔しい」「こんな体育祭にしたかった」など率直な思いを口にしていました。
一方で、この現実をしっかり受け入れ、希望を持って前に進んでくれていることも感じました。いかなる時も、自分を、友達を、学校を、社会を「信じる」ことができる。そして、どんな状況でも諦めず「よし来い!」と向かっていくことができる──。そういう生徒が多いのは、神戸女学院の特長であり、誇りに思っています。

小学生の時は〝いい中学・高校〟を目指し、高校生は〝いい大学〟を、大学生は〝いい会社〟を目指す。ではいざ〝いい会社〟に入った後、「あなたは何をするんですか?」ということなんです。
誰かのために貢献したいと思うか、お金や時間を自分のためだけに使うか。両者の人生には大きな違いがあります。
将来どんな生き方をしたいのか、自分の人生のミッションは何なのか。中学・高校の頃から常に考えてほしいですし、社会に奉仕できる人を育てることは本校のモットーです。毎朝の礼拝を守り続けていくことは、私たちの使命の一つだと思っています。
そうですね。東大や京大に何人合格しようが、それは大した問題ではないと思っています。どこの大学に行こうと、志ある人はやがて必ず頭角を現しますから。
そのためにも、周囲のプレッシャーなどに左右されず、自分の力を最大限に発揮できる分野に進んでほしいと願っています。
神戸女学院って、ムチャクチャ自由な学校だと思われていますよね?(笑)なので、あえて申し上げると、自由ですし、やりたいこともできますが、勉強は正直いってハードです。数学を例にとると、中2までに中学3年分はほぼ全部終えて、高2からは入試対策に入りますから、なかなかしんどいことをやっていると思います。ただ当の生徒たちにはそういった意識はあまりないようで、学校に行くのは行事や学校生活を楽しむため。勉強はそのうちの一つ、という感覚のようです。
休校期間を経て学校を再開した時も、生徒たちが口々に「学校はやっぱり楽しい」「面白い」と言っていました。その姿が私たちは本当にうれしかったです。これからも、神戸女学院が好き、と言ってもらえるような学校であり続けたいと考えています。
