新たな学習指導要領のもと、小学校中学年から外国語活動が導入されるなど、英語教育に注目が集まっている。
今後ますます進展するグローバル社会。関西の名門中高一貫校では世界で活躍するリーダーを輩出すべく、
英語教育でも特色ある授業・プログラムを導入している。
高槻が目指すもの、養っている力を探った。
高槻中学校・高槻高等学校
前田 愛 教諭
英語科
本校では昨年度から英語教育のグローバルスタンダードである「ケンブリッジ英語」を採用しました。最大の特長は日本語を介さずに、英語で学ぶことです。外部の英会話学校から派遣されたネイティブ講師と、日本人の教員が同じテキストを使い、内容をリンクさせながら授業を行います。同じことを上書きしていくことで、生徒たちが英語をより深く学ぶことができます。世界基準の英語教育のために本校の教員側もケンブリッジ側の厳しい研修を毎年受けながら、英語学習自体を常にアップデートし続けています。
グローバルリーダーを目指すうえで、英語学習はすべての根底になります。英語ができれば、外国の文献を読むことも、自由に世界の人とやり取りをすることもできます。臆することなく世界へ飛び立てるよう、フットワークを軽くしてあげることが、英語教員の役割であり、責任だと思います。
オンライン英会話や多読といった授業のほか、海外で直接学ぶこともできます。アメリカのボストンやその近郊に行きマサチューセッツ工科大学やハーバード大学でトップの学生たちと直接触れ合う海外研修、アメリカやカナダへの短期留学、イギリスのケンブリッジ大学の寮に寄宿して学ぶプログラムなどです。アメリカのスタンフォード大学とのオンライン講座もあり、世界トップクラスの講師陣から直接学べる授業に、生徒たちは積極的に参加しています。

大学進学のみを考えた学習ではなく、グローバルイシューを考えていく担い手になっていけるような学習をと考えています。そして一人ひとりが組織や社会に貢献できる存在になってほしいですね。そのために日ごろから問題意識を持って、社会へ視点を伸ばすことを大切にしています。
本校の英語教育を一言で表すなら「本物志向」です。本物に出会い、本物を知ることで生徒がどんどん変わってきます。世界の今に関心を持ち、生徒の主体性が乗ってくる。視座力が高くなっていくのです。
ですから、多少の回り道をしようとも生徒たちの足腰をしっかり鍛えることが必要です。校長はよく「出る杭を伸ばしなさい」と言います。本校での学びは日本トップレベルの大学への進学で終わらない、その上を行き、その先の未来に活躍する人物をつくるためのものと自負しています。

英会話学校から派遣されたプロのネイティブ講師による英会話の授業では、日本語は一切禁止。日本人教員と同じケンブリッジ英語のテキストを使い、スライドでは写真やアニメーションなどを用いて英語が苦手な生徒にもわかりやすいよう工夫されている。また1クラスを二つに分けて少人数とすることで、生徒一人ひとりが発言をしやすい空気に。全員の前でネイティブ講師から与えられたテーマを発表したり、2〜3人でチームを組んで互いに英語で質問し合ったりと、新しい学習指導要領の内容ともリンクする授業だ。
もう一つの英会話の授業であるオンライン英会話では、一人ひとりがタブレットを持ち、週2回フィリピン人の講師と35分間対話する。常に自分が会話の対象となることで、よりリアルな英語を体感できる。また英会話の学習だけではなく、現地の文化や情勢を学ぶ機会にもなっている。中高生の段階から英語を母語としない相手との交流を体験することは、世界で通用する英会話の能力を身につける狙いもあるのだという。
オンライン講師との対話前には、日本人教員による具体的な表現方法の指導があり、対話を挟んでその日の振り返りも行う。主体性を重んじる授業で、生徒はさらに深く英語を学んでいた。
