AIの進化等により社会が大きく変わろうとしている今、子どもにどんな力を身につけさせるべきかが問われている。
日本の教育にも変革が求められ、多様化が進んでいる。そのような状況のなか、名門中高一貫校ではどのような教育が
行われているのか。教育理念や校風、カリキュラムを含めた魅力を、3校の校長に聞いた。
早稲田大学系属 早稲田実業学校
恩藏直人さん
[学校長]
早稲田大学の系属校である本校は初等部、中等部、高等部からなる男女共学校です。校是「去華就実(華やかなものを去り、実に就く)」、校訓「三敬主義(他者、自己、事物を敬う)」をもとに、グローバル時代のリーダーを育成しています。
本校の伝統はなんといっても文武両道です。生徒のほとんどが推薦で早稲田大学に進学するため、受験勉強をする必要がありません。そのかわり6年間、自分の取り組みたいことに専念し、学校生活を満喫できるのです。
高等部では3年生になっても部活に打ち込むことができ、文化祭も、3年生によるステージが最も盛り上がります。そんな本校からは学術面はもちろんスポーツや芸術面においても秀でた逸材が育っています。
また本校の大きな強みは高大連携です。早稲田大学の教職員と定期的に連絡をとり、本校卒業生の大学での成績や活躍ぶりのフィードバックを受けています。そのうえで生徒にどのような力を身につけさせるべきかを検討し、授業やカリキュラムに反映させています。
高等部2・3年生が、早稲田大学で開講している科目を大学生とともに受講でき、進学後に単位として認められる制度もあります。大学の先生や大学院生が本校で行う講義も好評です。
本校では受験のための前倒し授業は行わず、オーソドックスなカリキュラムで6年間しっかり学力をつけます。進学校では文系私大志望者の場合、高校3年生にもなれば数学はほとんど学ばないケースもあるようです。しかし本校では、文系志望の生徒も数学IIIまでしっかり学びます。早稲田大学の政治経済学部が入学試験で数学を必須にしているように、これからの時代は文系においても数学の知識は不可欠です。
英語は中学で習熟度別クラスに分かれて基礎を固め、高校ではエッセイライティングやオンライン英会話などアウトプットを重視しています。海外留学や研修・語学プログラムも大変充実しています。アメリカ、イギリス、スイス、オーストラリア、中国や台湾など対象国が多く、期間も数週間から1年間のものまで様々ですが、多い年は、年間に100名近くの生徒が参加しています。
もう一つ、力を入れているのが課題探究、問題解決型の学習です。本校は以前から校外教室や卒業研究などを通じて探究力を育んでおり、卒業生は大学の課題研究やプレゼンテーションでも非常に積極的だと評価されてきました。近年、さらにこの取り組みを深化させ、課題設定→情報収集→整理・分析→まとめ・表現のPDCAサイクルを使った探究型の授業を実施しています。その一環として、中学2年では企業の協力のもと、学校が位置する国分寺市の魅力を深掘りし、お店やスポットを取材し、『るるぶ国分寺』を編集・出版するという活動も行っています。この活動は生徒からも地元の方からも大好評です。
これからの時代、今まで知的な作業と考えられていた仕事の多くがAIによって代替されるようになると言われています。従来の大学受験で問われていた知識や技能だけでは、社会で活躍できなくなる可能性があります。答えのない世界のなかで、自ら課題を見つけ、粘り強く探究する力が求められているのです。
そのような時代だからこそ、文武両道の伝統のなか、自分ならではの得意分野を磨いた本校の生徒が活躍できるフィールドは、ますます広がると考えています。勉強はもちろん、自分の好きなこと、得意なことを6年間思い切り磨きたいと考えているお子さんは、ぜひ本校を目指していただきたいと思います。