社会が大きく変化し、大学入試も多様化している中、
変わらず難関大学への進学実績が高く、各界に優秀な人材を送り出している名門中高一貫校。
そこではどのような教育が行われているのか。
生徒はどのような6年間を過ごしているのか。3校の校長に聞きました。
渋谷教育学園 幕張中学校・高等学校
田村聡明さん
[校長]
本校は1983年に、グローバル化する社会で活躍できる人材を育てるための新しい学校として開校しました。教育理念は「自調自考の力を伸ばす」「倫理感を正しく育てる」「国際人としての資質を養う」の三つです。「自調自考(自らの手で調べ、自らの頭で考える)という言葉には、中学高校時代に確固とした自己を確立し、何ごとも自分の頭で考え、先の見えない社会をたくましく生き抜ける力を身につけさせたいとの願いを込めています。
グローバル社会で活躍するには多様な価値観の人と協力できる力、何が正しく善であるかを判断できる倫理的な感性、私どもが言う「倫理感」が必要です。本校は男女共学のうえ帰国生や留学生が多く、東北や中部地方など地方出身者も在籍しています。そのような多様性に富んだ環境での学校生活を通じて、生徒は「国際人としての資質」を養っていきます。
生徒の自主性を重んじる本校には、授業開始を知らせるチャイムがありません。校外学習や修学旅行は基本的に、現地集合・現地解散です。生徒のチャレンジ精神を大切にする校風のためもあってか、失敗を恐れず新しいことに挑戦する生徒が多いです。東大や海外大学に進学する生徒が多いのも、何ごとも高い目標を掲げ、あえて難しいことに挑戦する気風が生徒の間にあるからだと考えています。
国際人として活躍するための語学力の養成と、海外経験を積むための留学や研修プログラムは特に重視しています。英語は授業時間が多く、デジタルツールも積極的に活用し、四技能を磨いています。帰国生や留学生が多く、英語を学ぶ意欲が高い生徒が集まっているため、授業のレベルはとても高いです。中3から高2までは希望者を対象にした中国語、フランス語、ドイツ語、韓国語などの第二外国語講座も開講しており、3分の1の生徒が受講しています。
海外留学や研修プログラムの行き先はアメリカ、イギリス、インド、シンガポール、中国など多岐にわたります。中3時に行うニュージーランドへの2週間のホームステイは大人気で、希望制にもかかわらずほぼ全生徒が参加しています。海外大学への進学も、学校として積極的にサポートしています。専門のカウンセラーが常駐し、進学説明会や相談会を開いており、長期の海外経験を持たない生徒が海外大学に進学しています。
本校では授業も学校行事もすべて「自調自考」の考えを根底に置いています。その集大成となるのが、高1から高2にかけて行う「自調自考論文」です。自分で決めたテーマを掘り下げ、約1年半かけて長文の論文を書きあげます。最近は大学の協力のもと、大学の研究機器を使ったハイレベルな論文を書く生徒もいます。「自調自考」の精神で自身のキャリアを切り開いてもらうため、企業や大学、省庁、士業の方に講演していただく「GLFCプログラム」というセミナーも大変好評です。
今はネットで様々な知識を得ることができますが、人間は社会を作って発展してきた生き物であり、そこで必要とされる力は、集団の中で磨くことも大切です。学校という空間には、同級生や先輩後輩と交流し、部活や文化祭、運動会などで時間を共にし、切磋琢磨する楽しい出会いがたくさんあります。
本校ではそんなかけがえのない6年間を過ごせる環境を用意しています。受験勉強は大変だと思いますが、何ごとも諦めずに努力した経験は、絶対に無駄になりません。皆さんには新しい世界が待っていますので、それを楽しみにぜひ最後まで頑張り抜いてほしいですね。