AIの進化や社会の急速な変化のなかで、中学高校時代にどのような力をつけておくべきか。
難関大学への進学者が多い名門中学、名門中高一貫校では、教育において何を大切にしているのか。
その学校ならではの教育理念や特色あるカリキュラムについて、3校の校長に聞きました。
豊島岡女子学園中学校・高等学校
竹鼻志乃さん
[校長]
本校は1892年、女子裁縫専門学校として開校し、今年で134年目になります。教育方針として掲げているのが「道義実践・勤勉努力・一能専念」の三つです。人として正しい道を実践し、何ごとも真面目にコツコツと努力を積み重ねていく。そのうえで自分の才能を見つけ、磨き、社会で自分らしく活躍できる「志力を持って未来を創(つく)る女性」を育成しています。
本校の教育理念を象徴するのが、75年以上続く伝統の「毎朝5分間の運針」です。1メートルの布を端からひたすら無心になって縫っていくことで、集中力が養われます。何ごとも基礎をないがしろにせず、地道な努力を積み重ねることの大切さも学びます。入学後の1週間は、先輩が教室に来て運針を教えてくれます。本校の先輩は面倒見が良く、新入生に校内を案内したり、親身に相談に乗っていたりする姿をよく見かけます。
本校には個性豊かな生徒が多く、活気にあふれています。多種多様な仲間の存在を受け入れ、応援する校風です。生徒が好きなことを見つけて打ち込み、自分らしさを発揮できる環境づくりを、教職員は何より大切にしています。
本校では、勉強も基礎から着実に積み上げていくことを重視しています。まず中1では全員に同じ手帳をもたせ、社会人として活躍するうえで基本となるスケジュール管理を身につけさせます。月例の漢字や英単語テストに加え、授業では確認の小テストを頻繁に行います。小テストに備えて勉強することで日々、小さな努力を積み上げる学習習慣が身についていきます。
授業はタブレットに頼らず、内容を整理してノートに書いてまとめます。大学入試も筆記テストであり、どんなに時代が変わっても社会において筆記力は基礎的な力として重要だと考えています。各教科は数学であれば代数と幾何というように二つの科目に分け、2人の教員が同時並行で教えます。なるべく多くの教員に触れる機会をつくりたいからです。
高3では受験に特化した演習中心の授業を行います。学校の授業にしっかり取り組めば、塾に頼らずとも難関大学を目指せる学力が養われます。学年ごとに進学に向けたロードマップをつくり、先輩の体験談を載せた進学通信を発行するなど、きめ細かな指導を行っています。
探究の時間の充実ぶりも特色です。モノづくりのSTEAM教育、壱岐島での探究宿泊研修、北海道大樹町でのロケット打ち上げ、ハワイでは現地の課題発見・解決など、多彩な探究プログラムを展開しています。
本校には48のクラブがあり、生徒全員が参加し、活動しています。英語弁論大会、東京芸術劇場で行う合唱コンクールなどの行事も活発です。部活や行事を通して、仲間と力を合わせて何かをつくる苦労と喜び、リーダーシップを育んでいます。
本校では卒業生が協力してくれるプログラムも数多くあります。卒業生が土曜に探究指導と学習支援をしてくれたり、中学生向けに自身の仕事のやりがいなどを講演してくれたり。中3では卒業生に仕事についてインタビューし、レポートにまとめて発表する取り組みもあります。
本校の入試では、日頃の努力を評価したいと考えています。そのため難問奇問は出さず、幅広い分野からバランスよく出題します。入試を3回実施しており、受験機会が多いのも特色です。地道な努力を惜しまず、自分の可能性を広げたいお子さんには、ぜひ本校に来ていただきたいですね。文化祭を始め受験生向けイベントも数多く開催しています。ぜひ本校に足を運び、生徒の様子をご自身の目でご覧いただきたいと思います。