Life Style
2023.07.20

~塩麹(こうじ)は、米麹、塩、水で作る発酵調味料です~
猛暑をのりきる食の知恵

塩麹をパワーフードに!

顔を合わせれば「蒸し暑いねー。疲れるねー」の話になる。つい冷たいものに頼りがちで胃腸の働きが弱まると、食べるのも作るのも億劫(おっくう)で……。こんな猛暑の負のスパイラルから抜け出す食の知恵こそ日本の発酵食にあり!というわけで、手軽においしく作れる発酵食レシピの提案が人気の料理家で、発酵マイスターの榎本美沙さんに、夏におすすめの発酵調味料「塩麹」を使った簡単でおいしいレシピを教えていただきました。1週間あれば完成する榎本さん流「塩麹」の作り方もご紹介!

(撮影:新居明子/料理・スタイリング:榎本美沙/取材・構成:ボンマルシェ編集部)

教えてくださったのは……

榎本 美沙 さん
料理家・発酵マイスター

えのもと・みさ 1988年東京都生まれ。⼤学卒業後、会社員を経て服部調理師専⾨学校を卒業。調理師などの免許を取得。発酵⾷品などの⾷材や季節を⼤切に味わうレシピに注⽬が集まる。著書に『ゆる発酵』(オレンジページ刊)など。YouTube「榎本美沙の季節料理」やInstagram(@misa_enomoto)も⼈気。間もなく1歳になる男児の⺟でもある。

発酵食は続けると楽しくなります

「もともと日本の発酵食が大好きで、お味噌(みそ)汁は学生の頃から自分で作っていました。仕事が忙しくて料理に割ける時間が限られていた会社員時代も、毎日、朝作ったお味噌汁を持って行って、お昼にのんでいました」(榎本さん・以下同)。だからこそ、榎本さんが提案する発酵食レシピは、時間が無くても、料理の技術が無くてもすぐに始められる、手間いらずなものばかりで、楽しみながら続けられます。「ゆるーく楽しめる"ゆる発酵"です」。どんなに体にいいとわかっていても手間と時間がかかると思うとプレッシャーを感じるし、発酵食は一回きりではなく続けて食べてこそ体にいいもの。「発酵食があれば、忙しい毎日でも"豊かな食生活"は楽しめます」

塩麹は万能の調味料です

麹は、蒸した穀類や豆類に、日本の国菌でもある麹菌を繁殖させるもので、米に繁殖させれば米麹、麦なら麦麹。

麹菌が米や麦に繁殖する過程で、でんぷんを糖(甘味)に分解するアミラーゼ、タンパク質をアミノ酸(うま味)に分解するプロテアーゼ、脂肪を分解するリパーゼの三つの酵素ができます。塩麹を使うと肉や魚の身が軟らかくなったり、味にふくらみが出たりするのはこれが理由です。昔から親しまれ、江戸時代の書物『本朝食鑑』にも、調味料として記されています。

榎本さんが作る塩麹は米麹、塩、水を混ぜ合わせ、常温に4日~1週間程度置いて発酵させる手間いらずのレシピです。

そして、塩麹の使い方も自由で、料理をするのが楽しくなりそう。「塩麹は味にまろやかな塩味、うま味、風味を加えてくれます。炒める、蒸す、まぶす、和える、ゆでる、漬け込む、炊き込む。パスタ、スープ、味噌汁、唐揚げ……。自分の感性で、これ合うかもとか、ちょっと味が決まらないな、というときに使ってみてほしい。素材の持ち味を生かしながら、味にふくらみが出ますよ」。胃腸の消化吸収を助け、疲労回復にもいい、猛暑のパワーフード。ぜひ、使ってみて!

(あ)える
長いもの塩麹わさび和え

あっという間に作れて、おいしい!
火を使わない、ヘルシーメニュー

材料(2人分)

  • 長いも…120g
  • 塩麹…小さじ1
  • わさび…少々

作り方

  1. 長いもは皮をむき、短冊切りにしてボウルに入れる。
  2. 塩麹を1に加えて和える。器に盛り、わさびを添える。

炊く
塩麹トマトごはん

ミニトマトは火が入ると甘味とうま味を増す。
塩麹を入れると、ごはんは冷めてもモチモチで食欲回復の、夏の炊き込みごはん

材料(1回に作りやすい分量)

  • 米…2合
  • ミニトマト(へたを取る)…12個
  • 玉ねぎ(みじん切り)…1/2個分
  • こしょう…適量

〈A〉

  • オリーブオイル…大さじ1
  • 塩麹…大さじ2

作り方

  1. 米は洗って、30分浸水させ、ざるにあげる。
  2. 鍋に1、水300mℓ(分量外)を入れ、〈A〉を加えて軽く混ぜ、玉ねぎ、ミニトマトをのせる。蓋をして中火にかけ、沸騰したら、弱火にして10分加熱する。
  3. 火を止めて、そのまま10分置いて蒸らす。
    ※炊飯器で炊く場合は、炊飯器の内釜に米を入れ、2合の目盛りの3mmほど下まで水を入れ、〈A〉を加えて軽く混ぜ、玉ねぎ、ミニトマトをのせて炊く。
  4. 3を軽く混ぜて、器に盛り、こしょうをふる。

漬ける
塩麹きゅうり

体内に溜(た)まった日中の熱をきゅうりと塩麹で、クールダウン

材料(1回に作りやすい分量)

  • きゅうり…5本(約500g)

〈A〉

  • 塩麹…大さじ2と1/2
  • 酢…大さじ1
  • 砂糖…小さじ1
  • 赤唐辛子(小口切り)…1本分

作り方

  1. きゅうりは割り箸ではさんで、上から斜めに細かく切り込みを入れる。きゅうりの上下を返して、同様に切り込みを入れる。(蛇腹切り)
  2. ジッパー付きの保存袋に1と〈A〉を入れて、よくもむ。
  3. 2の保存袋ごと平らなバットに置き、1kgの重石(500mℓのペットボトル2本など)をのせて、冷蔵庫で1時間ほど置く。食べやすい大きさに切って器に盛る。

混ぜる
塩麹とすだちのスカッシュ

紫外線をあびた日はビタミン補給を。
塩麹のまろやかな塩味とすだちの酸味は好相性

材料(2人分)

  • すだち…4個
  • 塩麹…小さじ2
  • はちみつ…大さじ2
  • 炭酸水(冷やしておく)…300mℓ

作り方

  1. すだち2個は輪切りにしておく。残りの2個は2等分に切って、おのおののグラスに絞り入れる。
  2. 1のグラスに塩麹、はちみつ、輪切りにしたすだちを加え、炭酸水を注ぎ入れて、静かに混ぜる。

市販品もいいけれど……
塩麹は案外簡単に作れます!

材料(1回に作りやすい分量)

  • 米麹(生麹/乾燥麹でも可能)…200g
  • 塩…60g
  • 水…200~250mℓ(乾燥麹なら水は250~300mℓ)

1.米麹を清潔な密閉できる保存容器に入れ、塊があれば手でほぐし、塩を加えてよく混ぜる。

2.1の全体にいきわたるように、水を数回に分けて混ぜながら加えていく。

3.2に蓋(ふた)をして常温に置き、1日1回、清潔なスプーンで混ぜる。

※混ぜた際に表面が乾いていたら少量の水を足し混ぜる。

4.3を4日~1週間程度置いて、米麹が軟らかくなったらできあがり。

※気温によってできあがる日数は変わる。
※冷蔵庫で3カ月ほど保存可能。
※使う際は、乾いた清潔なスプーンですくうようにする。