「今、私の頭の中にある色は何色?とよく考えます」
IKKOさん(美容家)
写真協力:光文社『美ST』/撮影:富田眞光
美容家のIKKOさんは「色には人を元気にしてくれる力がある」と語ります。それはご自身が実際に感じてきたこと。それぞれの色のもつ意味や取り入れ方、メイクの色使いのポイントに加えて、今の時期に生じやすいストレスとの向き合い方もお聞きしたくて、10の質問。
(イラスト:ソリマチアキラ/取材・文:浅野祐子/構成:ボンマルシェ編集部)
Q1 色のもつ力って?
色の力は大きく、色の使い方によって感じ方が変わってきます。例えば、暖色系のものは暖かそうに感じ、寒色系なら涼しそうな感じがするでしょう。さらに、色は心理的な部分にも作用します。気持ちが沈んでいるとき、明るい色の洋服を着ると気分が変わって元気が出てきます。目から伝わるきれいな色には、人を元気にする力があるんです。
私は、元気になったり幸せな気分になったりする色を「元気カラー」もしくは「ビタミンカラー」と呼んでいます。元気カラーが視覚を通して脳に伝達されると、元気信号が出て活力が湧いてくるようです。私自身、色の力によってエネルギーがアップし、心の立て直し効果があると実感しています。
Q2 色をどう使い分けている?
私はそれぞれの色から感じるイメージや意味合いを考えながら、自分の心境やその場の雰囲気、状況などに合わせて洋服や小物の色を選んでいます。気分を盛り上げてパワーを高めたいときは赤。優しさや華やかさを出したいときはピンク。夢や希望につなげたいときはオレンジ。明るく温かな気持ちを表現したいときはイエロー。清浄な心で落ち着いて臨みたいときはブルーといったように使い分けています。
要は、今の気持ちと向き合って、明るく前向きに生きるために、色の力を借りて自分を鼓舞しているんです。
Q3 モノクロの洋服を着るときは?
黒は高貴な色といわれています。着物は、極めていくと黒地や白地のものに行き着くそうです。ただし、洋服の場合は黒一色だと重い感じになってしまうので、私は色物のスカーフや差し色となる小物をあしらってアクセントにしています。モノクロの洋服には、光り物のアクセサリーをつけてもいいですね。
白は「白無垢(むく)」という言葉があるように、清らかで純粋な心を連想させます。さわやかなイメージを与えたいときは、白や淡い色をまとうことがおすすめです。
Q4 日常の空間に取り入れている色は?
身の回りにお気に入りの色のものを置くと、元気になる効果があります。気は心。私は自宅に色鮮やかな花を飾り、パワーをもらえるオブジェをしつらえています。なぜなら、家は私にとって自分の英気を養う場所でもあるので、気を澱(よど)ませないように美しく保つのはもちろん、成功運を招くといわれるゴールドのものや縁起物をしつらえて、やる気につなげているのです。
Q5 大人の女性の肌を明るく見せるメイクの色は?
口紅の色はベージュ系のリップの上に、ピンク系の色を重ねると明るい印象を与えます。中高年の方は、赤系の口紅で口角の部分をきっちりと描くと引き締まって見えます。ただし、赤い口紅をつけたときは、目元のメイクを控えめにしたほうがいいでしょう。
チークは、オレンジ系とピンク系を混ぜたようなサーモンピンク系がおすすめ。若い方は頬骨のいちばん高い位置に内側から外側にぼかしていくと、自然な仕上がりになります。50代を過ぎたら、実際の頬骨より少し上の位置に入れたほうが頬のたるみが目立ちません。
Q6 "色映え"する肌ケアは?
1年中でもっとも紫外線が強くなる5月から6月にかけては、紫外線対策はもちろんですが、まずは、洗顔をしっかり行うことが大切。刺激の少ない洗顔料で、朝は泡を立てて皮脂を取り過ぎない程度に軽めの洗顔を。夜は毛穴に詰まった酸化した油脂分の汚れを取り除く必要もあるので、クリーム洗顔料を手に取って白くなるまでこすって乳化させた状態で顔全体に伸ばしてから、目のまわりはさけて、優しくマッサージするように洗います。
紫外線で失われるのがコラーゲン。汗をかくと、塩分に弱いヒアルロン酸が失われます。紫外線を浴びた肌のケアは、常在菌のバランスを整えてくれる成分の入った化粧品でお手入れするといいんですよ。うるおいを保つために、夏でも保湿は忘れずに。
Q7 食べ物も色がある。こだわりは?
私は目に入る景色をつねに美しくしておきたいので、1日に何度も開ける冷蔵庫の中をアレンジ。色とりどりの食材をガラス容器に入れて、扉を開けたらお花畑を見るようなときめきを感じるようにしました。赤や黄色、緑の野菜、茶色の椎茸(しいたけ) や黒色の昆布、白いヨーグルトなど、それらがきれいに並んださまを目にすると心がほっこりすると同時に、これを食べて元気になろうと思えてきます。
医食同源の考え方によると、5色の食材をバランスよく食べれば健康にいいとのこと。さまざまな色の食材を"見える化"することで、健康志向も高まってきました。体の中からきれいになると、美容にもいい。納豆、キムチ、ヨーグルト、乳酸菌飲料など、発酵食品も多く取るようにしています。
Q8 ストレスが溜(た)まったら?
新年度が始まって、今頃の時期になると心と体に疲れが出て、ストレスが溜まりやすいとき。暗い部屋にいると気持ちがウツウツとしてくるので、朝起きたらカーテンを開けて、日の光を浴びることが大事です。明るい太陽の光や美しい景色を目にすると、心が晴れてきて元気になります。
嫌なことは脳の記憶に刻まれやすいので、忘れることが一番! 無理にでも楽しいことに目を向け、美しいものや色を見たり、好きなことに集中するなど、気分転換の時間をもつことが大切。私はウォーキングしながら、気持ちを切り替えるようにしています。
Q9 自分だけのお楽しみタイムは?
自宅で愛犬と過ごすひとときと、動画で配信される昔のドラマを観(み)る時間です。出演している俳優さんたちの所作に注目したり、当時を振り返ったりして、感慨にふけることもしばしば。今の自分に生かせることもあるような気がして勉強になります。
Q10 普段から意識していることは?
「今、自分の頭の中の色は何色?」とよく考えますね。ウキウキしているときは、頭の中の色も幸せ色のピンクになっていますが、心が沈んでいるときはくすんだ色になっている感じがするので、心の状態を確認するバロメーターになっています。
私のモットーは、苦しいときも笑顔を絶やさず、頭の中を幸せ色にすること。「笑う門には福来たる」というように、笑顔が幸せにつながると確信しています。
IKKO さん
美容家

イッコー 美容家・タレント・書家として活躍中。「おネエ☆MANS」出演をきっかけに、美容家としての地位を不動のものに。以降美容界だけにとどまらず、唯一無二の存在として各方面に与える影響は計り知れない。独自の美学・センスは世代を超え多くの方から指示されている。『IKKO 人生十転び八起き。ケ・セラ・セラ』(清流出版刊)他著書多数。