Life Style
2023.10.24

捨てないで、おいしく食べる
注目の「未利用魚」が
とびきりおいしい一皿になった!

左:和歌山県すさみ町産の新鮮でクセのないシイラをムニエルに。皮目はパリッと、なかはしっとり。ソースはミントの香りが爽やかなラビゴットソース。右:さまざまな未利用魚を合わせて、香ばしいフリットに。お好みの薬味を混ぜてオリジナルのタルタルソースで。(いずれも料理は髙橋徹也〈「100本のスプーン」総料理長〉)

知りたい!「クラダシ」×「100本のスプーン」×「和歌山県すさみ町」の挑戦

十分においしく食べられるのに、流通の規格に合わないという理由で廃棄されている「未利用魚」を活用したメニューが、レストラン「100本のスプーン」に登場して評判を呼んでいます。この「もったいない」を価値に変える取り組みは、日本の食料自給率を上げることにもつながります。10月は食品ロス削減月間。未利用魚の存在を知り、食べて貢献することにフォーカスしてみました。

(写真提供:株式会社クラダシ/文:角田奈穂子)

もったいない! 食べられるのに、食卓に届かない魚がある……

日本では効率のよい売上確保のため、サイズが規格に合わなかったり、市場価値が低かったりして、流通に乗る前に廃棄される食材があります。未利用魚はその代表的な存在です。水揚げされても活用されない未利用魚が増えると、食品ロスが増え、資源の無駄使いになるだけでなく、漁業者の収益を圧迫することにもなります。

そこで最近、注目が集まっているのが、自治体や漁業者が企業と連携し、アイデアを出し合い、未利用魚の商品価値を高める取り組みです。好例が、漁獲高と漁業者の減少に悩む和歌山県の最南端に位置する漁業の町、すさみ町の未利用魚を生かし、飲食企業「スープストックトーキョー」が運営するファミリーレストラン「100本のスプーン」が始めたオリジナルメニューの提供です。すさみ町から「100本のスプーン」への流通は、食品ロスの削減に取り組む企業「クラダシ」が担っています。

昨年10月、最初の試みとして「100本のスプーン」が、すさみ町の未利用魚オキザワラを使った厚切りステーキを考案。ジューシーなドライトマトのジャムと濃厚なブールブランソースをかけた一皿を期間限定メニューに加えたところ、好評のあまり、当初の予定より早く提供が終わってしまったそう。そこで今年は、取り組みを拡大。未利用魚のシイラとオキザワラを使ったムニエルやフライなど、品数を増やし、全5店舗で通年のオリジナルメニューとして提供しています。

漁業の町、すさみ町。昨年の「オキザワラ」に加えて、おいしい白身魚「シイラ」も「100本のスプーン」で活用中。

日本の食品関連事業者から発生する事業系食品ロス量は、令和3年度で279万トン※。コロナ禍の影響もあり、前年度より4万トンも増えました。10月は食品ロス削減月間。家庭でも、使い残しやすい野菜はカレー やシチューにしておいしく食べ切るなど、改めて、未来につながる暮らし 方を考える機会にしたいですね。

※農林水産省令和3年度

日本では年間523万トンの食品ロス。(農林水産省23年6月発表時)

「クラダシ」ってどんな会社?

「クラダシ」は食品ロス削減をビジョンに掲げる会社です。規格外や消費期限が迫る食品などを企業や産地から協賛価格で提供を受け、運営サイト「ソーシャルグッドマーケットkuradashi」を通して割引価格で通販。売り上げの一部を環境保護団体などの支援に活用。また、地方創生や食品ロスに関心を持つ学生を人手不足に悩む地方農家と結び、収穫体験から社会課題を学ぶ社会貢献型インターンシップ「クラダシチャレンジ」にも取り組んでいます。

ファミリーレストラン「100本のスプーン」はどこに?

東京都・二子玉川、立川、豊洲、東京都現代美術館内(江東区)の4店舗と、神奈川県・あざみ野1店舗の合計5店舗。