Life Style
2024.03.05

ファイナンシャルプランナーの山崎俊輔さんに聞きました
将来の家計に不安を感じる今こそ

ファイナンシャル・ウェルビーイングを考えよう!

物価高が続き、収入も思うように増えない今、お金の不安を抱えている人は多いでしょう。これからのお金のつきあい方を考えるヒントになるのが「ファイナンシャル・ウェルビーイング」の考え方です。最近、注目されている、この言葉についてファイナンシャルプランナーの山崎俊輔さんに教えていただきました。

(イラスト:ソリマチアキラ/取材・文/角田奈穂子)

お金のことを考えると、なぜ不安になるのでしょう。山崎さんはズバリ、「お金の不安は未来への不安」と指摘します。そして、「未来に不安を抱えることは、現在の幸福度も下げてしまう」と言います。そこで、発想を切り替えるために役立つのが、「ファイナンシャル・ウェルビーイング」です。「ファイナンシャル・ウェルビーイング」とは、経済的な安心感を持ち、人生を楽しむための選択ができる状態を言います。

生活のなかでお金は、「稼ぐ」「使う」「貯(た)める」ときに動いています。これらの場面で、自分や家族の幸せを考えたお金の動かし方をしているかどうかが「ファイナンシャル・ウェルビーイング」につながるのです。

たとえば、金額は同じでも、衝動買いをするのと、家族との外食に使うのでは、感じ方が違います。衝動買いは瞬間的な爽快感はあっても、その後、後悔することもあります。でも、家族との外食は楽しい思い出が記憶に残ります。山崎さんは、「モノの価格に自分の幸せを求めると、幸せが長続きしません。経験や感動のある使い方をしたほうが、幸福感が長続きします」と話します。

「幸せ」を基準にお金を動かすようにすると、何のために「稼ぐ」「使う」「貯める」のかがはっきり見えてきます。そして、お金とのつきあい方が丁寧になり、「お金を自分がコントロールしている」という感覚が生まれます。このコントロール感が、お金と未来に対する不安感を和らげてくれるのです。

「ファイナンシャル・ウェルビーイングのために大切なことは、漠然と不安なままにせず、まずは家族のお金の状況をしっかり把握しましょう。保険の加入状況、株式や投資信託の残高など、今あるお金をすべて把握することです。今あるお金を見直し、整理するだけで、不安の原因がかなりわかってくると思います。将来の生活に備える投資を考えるのは、それからの話になります」

山崎さんは、お金の「見える化」に、スマートフォンでも使える家計簿アプリを活用することもすすめています。

「不安の解消には、行動することが一番です。お金を見直しすると共に、今あるお金の全体像を把握してみてください。情報を得ることは、ファイナンシャル・ウェルビーイングのとても大切なポイントなのです」

山崎 俊輔 さん
フィナンシャル・ウィズダム代表

やまさき・しゅんすけ お金と幸せについて真面目に考えるファイナンシャルプランナーとして、執筆・講演で活躍。著書に『ファイナンシャル・ウェルビーイング』『共働き夫婦お金の教科書』など多数。