旭化成発祥の地、宮崎県延岡市からリモートで授業を始めた先生。地球温暖化の仕組みと、その原因の一つとされる二酸化炭素は電気をつくる工程などで排出されていることを説明した。「発電所はもちろん、テレビやエアコン、冷蔵庫といった電化製品が使われる私たちの家でも発生しているんです」と、身の回りのものなどが描かれたスライドを使って解説した。
先生が「普段からどれくらいの電気を使っているのか、電力や二酸化炭素の排出量などを測定できる機器で調べてみましょう」と呼びかけると、子どもたちはわくわくとした様子で測定実験を開始。数値をワークシートに記録し、結果を発表した。先生は「冷やしたり温めたりするものが動いている間は、電力の数値が大きくなりましたね。“消費電力”が高いと言えます。また、コンセントに差しただけで電力の数値が上がったものもあったと思います。それは“待機電力”と呼ばれ、ものが動いていない間も電力が消費されていることを示します。電力の消費量を意識し、使う時間を短くしたり、しばらく使わないもののプラグをコンセントから抜いたりして、節電の工夫をしていきましょう」と、心がけを促した。



電化製品を使う時の消費電力を少なくする磁気センサーもつくる旭化成は、エネルギーや、製品をつくる時などに排出される二酸化炭素の削減にも積極的だ。先生が、「延岡市内には、使った後も環境に影響を残さないエコロジカルな製品をつくっている工場があります。また、二酸化炭素を排出しない水力発電を約100年前から行っている発電所もありますよ」と紹介すると、子どもたちは「そんなに前から!
すごい!」と驚きの声を上げた。続けて先生は、製品をつくる過程で規格外になったものを原料として再利用したり、ごみとなったものを製造時の燃料として活用したりする工夫などを説明。「製品を使う時はもちろん、製造時や廃棄時の二酸化炭素の排出量を想像しながら、環境にやさしい製品を選ぶことが重要です」
「昨日よりも環境にやさしい生活を実現するために、環境への関心を高め、自分にできることを調べて、行動してみましょう」と笑顔でしめくくった先生。子どもたちは、今日から始められる省エネは何だろうと考えをめぐらせ、感謝の気持ちとともに盛大な拍手を送った。
身近な電化製品の消費電力や二酸化炭素の排出量を知ることで、省エネへの意識が高まったと思います。環境問題に関わるお仕事に取り組む先生のキャリアについても質問でき、子どもたちにとって、夢や将来を考える機会になりました。
子どもたちの真剣な表情が印象的でした。測定実験を通して、環境問題をより“自分ごと”化できたように感じます。今後の総合的な学習の時間では、地球温暖化など関心を持つテーマを設定し、自ら問題を掘り下げる力を育みたいと思います。
リモートで登場したのは、旭化成の歴史や製品を紹介する「旭化成延岡展示センター」(延岡市)で小・中学生の教育支援も担う永野美紀先生。二酸化炭素の増加が地球温暖化の原因の一つとされていることを説明し、日本の家庭における年間1人あたりの二酸化炭素の平均排出量をグラフで提示しました。そのなかで、私たちが電気を使う時にも多くの二酸化炭素が発生していると指摘。電化製品の消費電力と二酸化炭素の測定実験を行った子どもたちは、節電が二酸化炭素の削減につながるという理解を深めました。
先生は、旭化成による環境にやさしい製品や取り組みなどを解説。延岡市内には製造物の再利用を行う工場や、二酸化炭素を排出しない水力発電所があると紹介し、持続可能な社会の実現に向けた姿勢とたゆまぬ努力を伝えました。子どもたちは身近なまちで環境に配慮した様々な工夫が行われていることを知り、大きな感銘を受けたようでした。
授業後は子どもたちから「家でたくさん電気を使う製品は何ですか」「テレビを見る時も二酸化炭素は排出されますか」といった、日常に即する質問が。環境問題を“自分ごと化”し、次のステップへ踏み出すきっかけを与えた貴重な時間となりました。

環境問題を知識として身に付けるだけではなく、測定実験を通して自分たちと二酸化炭素の関わりを具体的に考えられたと感じます。今後の総合的な学習の時間では、今日のような体験型の学習を積極的に取り入れていきたいと思います。
この出張授業は感染予防対策を講じた上で開催しました。集合写真の撮影時のみマスクをはずしています。
製品を作る工程の中で、工場内(一部)では、規格外製品になったものが原料として再利用されたり、ごみになったものが燃やす燃料となってエネルギーに充てがわれたりなど、環境を十分に配慮した取り組みが行われています。
CO₂センサは新型コロナウイルスの感染対策にも役立っていますか?
CO₂センサは、空気中の二酸化炭素を数値化するので、部屋を換気するタイミングの目安になります。空気の入れ替えを促すことで、感染対策の役に立っています。
荒井盛全さん