張 柚曦さん[4年]
渡邉歩莉さん[5年]
澤木ひなたさん[4年]
有田結衣香さん[6年]
日本は世界有数の長寿国だ。厚生労働省によると、2024年の平均寿命は、男性81.09歳、女性87.13歳だという。さらに医療技術の進展などにより、平均寿命は今後も延び続けると予測される。今や「人生100歳時代」は特別で遠い未来ではなく、現実味を帯びた社会の姿なのだ。
長く生きることは喜ばしい一方で、病気やケガや将来への備えなど、不安が生じるのも事実である。先生は、不安に寄り添うしくみとして「保険」があると解説した。
「保険は、事故や病気などが起きた時に備えて、みんなで少しずつお金を出し合って、万が一の時にまとまったお金が支払われるものです。少し難しい言葉で『相互扶助』といいます。みんなで助け合うという考え方ですね」
人生100歳時代を考えると、さまざまなシーンで病気やケガ、災害に遭うことがあるかもしれない。先生は保険を「みんなの人生を守る『おまもり』のような存在」と表現した。
出所:1950年は厚生労働省「簡易生命表」、1960年から2020年までは厚生労働省「完全生命表」、2030年以降は、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」の出生中位仮定による推計結果 ※1970年以前は沖縄を除く値
授業では、太陽生命が保険の事業に加えて、全国各地で森林保全活動にも取り組んでいると紹介された。一見、生命保険会社と森林保全活動は無関係のようだが、先生の説明はこうだ。
「私たち生命保険会社は、パンフレットや申込書などで長年大量の紙を使用してきました。そんな会社だからこそ、『紙のもとになる森林の木や植物を守りたい』という気持ちから、森林保全活動をスタートさせたのです」
2006年に始まったこの活動では、栃木県那須塩原市などに「太陽生命の森林(もり)」がつくられた。授業では、太陽生命の社員たちが力を合わせて木を伐採する様子が動画で紹介された。
「森林を守るためには、適切に木を伐(き)ることがとても大切です。『間伐』といって、木を伐って森林にすきまを作り、日光が当たるようにすることで、木が成長しやすくなるのです」
活動に取り組むのは社員だけではない。滋賀県高島市の「太陽生命くつきの森林(もり)」で行われる「どんぐりプロジェクト」では、毎年秋に地元の小学3年生が森で拾ったどんぐりを鉢に植えて校庭で育て、卒業前に育てた苗木を森林に植えているという。これにより、子どもたちは人と森林とのかかわりを自分ごととしてとらえられるようになり、実際に森林の再生にもつながるというわけだ。
森林が豊かであることは、土砂災害の防止や生物多様性の維持など、人のくらしを長く支える土台にもなりうる。未来の安心をつくるという意味において、保険も森林保全も、「人のくらしを守る」という一本の線でつながっているのだ。
授業の終盤では子どもたちがワークシートを用いて、「人生100歳時代を元気に自分らしく過ごすためにできること」を書き出した。
子どもたちからは、「健康のために、バランスの良い食事をとる」「ごみを分別して、リサイクルしやすいようにする」など、自分や環境のためになる多様なアイデアが発表された。
先生は「日々の身近な行動が次の時代をつくる。今日みんなが考えたことをひとつでも実践することで、『未来への種』としてほしい。一緒によりよい未来をつくりましょう」と子どもたちに呼びかけ、授業を締めくくった。
授業では、「人生100歳時代」や平均寿命の状況、企業の取り組みが具体的に示されたことで、項目が多くて漠然としがちなSDGsや環境問題を焦点化していただきました。子どもたちが理解しやすく、自分ごととしてとらえられる学びにつながったと感じます。
本校では家庭科や社会などの教科でSDGsを扱っていますが、今回の授業は教科書だけでは気づけなかった発見が多くありました。太陽生命が保険の他にも、森林保全という社会課題に取り組んでいる点は、子どもたちにとっても新鮮だったのではないでしょうか。
活動拠点三つ目となる山形県の「太陽生命の森林」。



姫野 健さん