「最近、動くと息切れがする」「足がむくみやすい」「疲れが抜けない」。
そんな不調を、「年齢のせい」と見過ごしていませんか。
実はその陰に、心臓の異変が隠れていることがあります。
翻訳家・エッセイストの村井理子さんも、
そんな「まさか自分が」という経験をされた一人です。
心臓弁膜症の手術を受けたことをきっかけに、
健康に対する意識が大きく変わったといいます。
心も体も健やかに、「毎日をいきいきと過ごせる未来」の実現のために、
私たちが心がけるべきことは何でしょう。
心臓弁膜症などの治療技術開発に取り組む
エドワーズライフサイエンス合同会社代表執行役員社長・大櫛美由紀さんと語り合いました。
「最近、動くと息切れがする」
「足がむくみやすい」
「疲れが抜けない」。
そんな不調を、「年齢のせい」と
見過ごしていませんか。
実はその陰に、心臓の異変が
隠れていることがあります。
翻訳家・エッセイストの村井理子さんも、
そんな「まさか自分が」という
経験をされた一人です。
心臓弁膜症の手術を受けたことをきっかけに、
健康に対する意識が
大きく変わったといいます。
心も体も健やかに、
「毎日をいきいきと過ごせる未来」の
実現のために、
私たちが心がけるべきことは何でしょう。
心臓弁膜症などの治療技術開発に取り組む
エドワーズライフサイエンス合同会社
代表執行役員社長・大櫛美由紀さんと
語り合いました。
更年期と思い込んでいた症状の正体に「まさか!」
村井理子(むらい・りこ)さん 翻訳家/エッセイスト。1970年生まれ、滋賀県在住。訳書に「ブッシュ妄言録」ほか。自身の心臓弁膜症の闘病体験や介護体験を綴ったエッセイ「更年期障害だと思ってたら重病だった話」「義父母の介護」が話題に。「兄の終い」は映画化され2025年秋公開。
- 大櫛
-
手術から7年とのことですが、お元気そうで何よりです。当時の経緯を教えてください。
- 村井
-
47歳のある日、犬の散歩中に急に体調が悪くなり、やっとの思いで帰宅すると自分の足が信じられないほどむくんでいました。救急の病院を受診すると「これは間違いなく心臓ですね」と言われ医師の指示で、翌日大きな病院へ。そこで即入院となり精密検査の結果、心臓弁膜症のひとつである「僧帽弁閉鎖不全症」と診断されました。自分では心臓が悪いとは思ってもみませんでした。というのも私は先天性の心疾患があり、7歳で開胸手術をしてすっかり元気でしたから。
- 大櫛
-
治したはずの心臓がなぜ?と思われたのですね。振り返って、思い当たる症状はありましたか。
- 村井
-
その半年前から、ものすごく疲れやすく、息切れ、むくみや頻脈といった自覚症状はありました。特にむくみは思い返せばひどくて、指の動きが悪くなっていたり、朝履けたブーツが夕方にはチャックが上がらなくなっていたりしました。でも「更年期だろう」と思い込んでいましたし、婦人科でも「疲れが出たんでしょう。40代後半になると、みんなそういうことになります」と言われて納得していました。
大櫛美由紀(おおぐし・みゆき)さん エドワーズライフサイエンス合同会社代表執行役員社長。製薬・ヘルスケア企業へのコンサルティング業務に従事したのち、製薬会社にて事業部長および台湾ではカントリーマネジャーを歴任。2024年5月から現職。
- 大櫛
-
心臓弁膜症の特徴として、息切れなど加齢による変化と勘違いしやすい症状がありますね。特に高齢になるほど出やすい疾患なので、70代80代になると、「年もとったし、こんなものかな?」と病気に気がつかないケースが多いです。健康診断で心雑音を指摘されたことがきっかけで分かる場合もあります。
- 村井
-
「心雑音がある」と言われたこともあったのですが、そのままにしていて……。体のつらさを「いつものこと」と片付けてしまっていたと思います。私は、弁がうまく機能していない状態が続いたことで心不全になってしまったのですが、もっと早く気づいていれば防げたんじゃないかなって、今振り返ってすごく悔しいことですね。
医療技術の進歩、希望を取り戻す治療
超高齢社会のウェルビーイングについて語り合った大櫛さん(左)と村井さん
- 大櫛
-
どのような手術を受けられたのですか。
- 村井
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大学病院に転院し、自分の心臓弁を生かしながら輪のようなパーツを取りつけてもらう開胸手術を受けました。2~3日は痛みもありましたが、かなり上手に痛みをコントロールしてもらったと感じています。術後の管理も、子どもの頃に受けたときはものすごくしんどかったですが、全く違いました。手術後、医師から「前の手術で残っていた部分も修復しましたよ」と言われて、心まで軽くなりました。技術の進歩に本当に感謝しています。
- 大櫛
-
医療技術の進歩は本当に目覚ましいです。心臓弁膜症の治療は1960年代に人工心臓弁が製品化されて以来、長い間行われてきた治療です。その後、人工弁本体や心臓外科手術の在り方も進化し、カテーテル挿入による治療方法など、より体への負担の少ない医療技術が確立されてきました。カテーテル治療の場合は、早ければ4日で退院できる場合もあり、入院が長引くと体力が落ちやすい高齢の方でも短期間で回復できるのは大きな利点です。患者さん自身が治療法を理解し、疾患の状態や生活の希望などを考慮して、専門医と相談しながら最適な方法を選ぶことが大切です。
手術を終えて、体に「空気の入り方が全然違うのを感じた」と話す村井さん
- 大櫛
-
術後に体の変化を感じられましたか。
- 村井
-
「こんなに空気ってあったんだ」と、空気の入り方が全然違うのを感じました。深呼吸したときに、体の隅々まで酸素が届く感覚を覚えました。それから、術後って体は結構早く元気になるんですけど、心がなかなかついていかないんです。同じ先生に執刀していただいた人たちとの横のつながりがあり、その体験談を聞くうちに、少しずつ前向きになれました。
- 大櫛
-
実際に体験された方の言葉って、すごく心に届きますよね。私たちエドワーズの社員にとっても、村井さんのように回復された方々の声は大きな励みとなっています。毎年、社員が直接患者さんと対話する機会があり、私たちの仕事や製品が治療を通じて患者さんの人生の再出発に役立っていることを実感できる貴重な時間です。元気な姿に勇気をもらっています。
ウェルビーイングをかなえるために必要なこと
医療の目的は、治すことだけでなく、「戻れる場所を守ること」と話す大櫛さん
- 大櫛
-
村井さんは義理のご両親の介護も経験されています。超高齢社会を前向きに生きるために、大切だと感じたことはありますか。
- 村井
-
義母は認知症で、義父は義母の状態が影響した老年期うつと診断されています。二人とも体は元気なのですが、診断がつくまでは大変でした。あらためて「心と体の健康はどちらも大切なのだ」と気づかせてくれましたし、そうした姿を間近で見せてもらったことに感謝しています。多くを望むわけではありませんが、最後まで人生を楽しみたい。それを50代で気づけて良かった。
- 大櫛
-
その言葉、すごく共感します。心身を健やかに豊かに、まさにウェルビーイングですね。
- 村井
-
私は「老いへのソフトランディング」が目標です。長く健康でいるには「病に対して先手を打つこと」が大切だと感じますね。そのためにも年に一度はフルスペックの検診、3カ月ごとに簡易な診察も受けています。特に季節ごとの診察は小テスト感覚で、医師に合格をもらえるように日々少しずつ、節制しています。
- 大櫛
-
誰もが老いとともに変化します。でも、自分の体に関心を持ち、少しでも早く気づくことで、より長く、自分らしく生きることができる。医療の進歩も、その生き方を支えるためにあります。
- 村井
-
入院中、80歳ぐらいの方が手術を受けていて、退院の日には「今から帰って、畑やる」と言っておられました。皆さんそれぐらい回復されて、元気に生活に戻っていかれていたのが印象的でしたね。
- 大櫛
-
病気になっても、年齢を重ねても、「また暮らしに戻りたい」と思える社会であることが大事ですよね。私は以前、仕事で台湾に住んでいたのですが、すごく元気な社会で、ご高齢の方々が仲間と朝から晩までにぎやかにカラオケを楽しんでいました。そういう「治って、戻りたい」と思えるコミュニティがあることが大切だと感じました。医療の目的は治すだけではなく、「戻れる場所」を守ることにもあると思います。
- 村井
-
「よりよく生きる」には同時に心も豊かでないと、ちゃんと楽しめない。人生の目標ですよね、何歳になっても、自分が楽しいこと、好きなことがあって、それを一緒に共有してくれる人がいる。仲間に囲まれて生きていける環境というのは本当に必要だなと思いますね。
対談を終えてすっかり意気投合したおふたり
- 村井
-
病気を経験して一番強く思ったのは、「自分を大切にする」ということ。仕事や子育てに追われて、自分の健康を後回しにしていたけれど、それは家族のためにも自分のためにもなりません。少しでも不調を感じたら、我慢しないで病院へ行って欲しい。病院は怖い場所ではなく、自分の将来と新しい日常を始める場所だと思います。
- 大櫛
-
本当にそうですね。年齢を重ねても自分を大事にしながら家族や友人、社会とつながっていくことがとても大事だと思います。私たちも医療技術に携わる者として、その「つながり」を支えていきたい。皆さんが健康で豊かな人生を送ることができる社会の実現に向けて、貢献していきたいと考えています。
心臓弁膜症とは
(https://www.benmakusho.jp/)
心臓にある弁に障害が起き、本来の役割を果たせなくなった状態を「心臓弁膜症」といいます。弁の開きが悪くなって血液の流れが妨げられる「狭窄(きょうさく)」と、弁の閉じ方が不完全なために、血流が逆流してしまう「閉鎖不全」があり、いずれの場合も心臓がうまく血液を送り出せないことから、息切れや動悸(どうき)、胸の痛みなどが出ます。加齢による心臓弁の変性や石灰化などが主な原因で発症し、65歳以上の約10人に1人が罹患(りかん)するといわれています(注)。
注釈: Nkomo VT, et al :Lancet. 2006;368:1005-11
循環器疾患治療の未来をひらく。
米国カリフォルニア州に本社を置くエドワーズライフサイエンスは、主に心臓弁膜症の治療領域において、患者さん中心の医療イノベーションを創出・提供しています。「患者さんを助けたい」という情熱を原動力に、世界のヘルスケアの現場で医療従事者や関係者とのパートナーシップを通じて、患者さんのより健やかな生活の実現に取り組んでいます。