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医師になった今ふりかえる
若手医師5人の本音座談会 vol.1

ハードルの高い医学部受験。この難関を、今現場で活躍する医師はどう乗り越えたのか。また、この勉強は医師になっても役立つのか。研修中の若手医師5人に集まってもらい、医師になった今だからこそ言える本音を語ってもらった。
文/熊谷わこ イラスト/藤井昌子

Q 医学部受験を乗り越えるには何が大切?

A 医師になるという強い思いや、将来医師として働くイメージを持てるかどうかが大切。

C太 僕は祖父も父も医師で、家は眼科の診療所を経営していましたから、「医師」という職業は身近な存在でした。親の期待もそれなりに感じていたし、自分自身も何となく医学部に行くんだろうと思ってきました。ただ進学した県立高校は医学部合格者をバンバン出すような学校ではなかったので、現役受験は不合格。予備校に通って1浪で合格しました。

D介 僕も1浪です。高校1年くらいに医学部を目指そうと考え始めたんですが、高校時代はあまり勉強しなかったですね。現役受験では当然のように不合格で、予備校に行かず宅浪しました。

C太 宅浪なのに、1年で合格ってすごいですね。

D介 予備校に通うのが面倒くさかっただけ。通学だけで結構時間とられちゃうからね。生活のリズムには気を付けて勉強していましたよ。朝はちゃんと起きて、3食決まった時間に食べる。宅浪する人はこれがポイントだと思います。夜更かしすると一気にリズムが崩れちゃいますからね。

B郎 俺の場合、高校は私立の進学校に進学しましたが、面白くなくて1年で辞めちゃった。高2の時に大検を取得して、実質1浪で医学部に合格しています。

全員 大検なんだ、すごーい。

B郎 医師になりたいっていう思いが強かったから予備校に通って勉強しました。それとうちの両親は歯医者なので、俺には歯学部ではなく医学部に行ってほしかったみたい。

D介 親が歯医者だと、子どもに医学部へ行かせたがるケースはよく聞くね。

B郎 今は歯医者が多くて経営も厳しいから、「やっぱり医者のほうがよかった」と思うのかな。でも滑り止めに歯学部も受験したけどね(笑)。

A美 そのパターンも多いですよね。実際に歯学部に進学するかどうかは迷うと思います。私の場合は、どうしても医学部と思っていたので、医学部だけ受験し続けて3浪もしてしまいました。高校は地元ではそこそこ賢いと言われている県立の進学校でしたが、医学部に入る人はほとんどいない。家族にも親戚にも医師はいないし、今思うとよく3浪もがんばれたなと……(笑)。

B郎 でも他の学部と違って、3浪はけっこういる。30歳超えている人もいたよ。

C太 うちの大学は学士編入学の枠が多いから、一度別の大学に進学したり、社会に出て働いたりしてから入学してくる人も多いんです。だから平均年齢は結構高いんじゃないかな。

E子 私も学士編入学です。最初に医師という職業を意識したのは中学3年生のとき。母が乳がんになったことで「将来がんの治療に携わる医師になれたら」と漠然と考えていました。ただ、私立大学の付属高校に入学してからは生物でもいいのかなと考えが変わってきて、理工学部の生物関連の学科に内部進学したんです。でもやはり医学部に行きたいという思いがムクムクと湧き上がってきて諦められなかったんですね。それで学士編入を受けてみようかなと。大学の4年次に学士編入学専門予備校に通い、学士編入を実施している大学をいろいろ受けました。ただ私立は学費が高いから国立ばっかり。一般受験も翌年受けることも考えてなかったですね。一発勝負で「不合格なら医師になるのは運命ではなかったんだ、あきらめよう」と。

D介 一度違う道に進んでから医学部を目指した人って、いろいろな面で肝が据わってるよね。

E子 遠回りしたように見えるけど、たくさん悩んで違った方向から医師になるということに向き合えたし、一年間目いっぱい受験勉強にも取り組めました。今とっては回り道も欠かせない経験だったと思っています。

B郎 医学部は、将来の職業に直結する学部だから18歳、19歳で決断するのが難しかったって声もよく聞くね。

C太 僕は高校生のとき、哲学者になりたいと思っていた時期もありました。でも、哲学者は潰しがきかない。食っていけないのは厳しいだろうと思って方向転換したんです。でも、もし自分の親が医者でなかったら、将来自分が医師として働くイメージを高校生の時点で持つのは難しかったかもしれません。

A美 医学部受験は高いハードル。それを乗り越えるには、将来医師になるという動機や意志、自分が医師として働くイメージを持てるような機会を作ることも大切なのかもしれませんね

※掲載内容は取材・作成当時のものです。

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