勉強の本質である基礎を大切に
地道に努力したことが現役合格の鍵
左:鈴村 考史(すずむら たかし)
化学科、生物科主任講師(担当科目は化学、生物、数学)
所属校舎:東京大学農学部在学時から東大螢雪会で指導し、指導歴は今年で22年目になる
右:東京慈恵会医科大学 医学部 1年生
小幡 航平(おばた こうへい)都立日比谷高校卒
医学部に通う学生と予備校時代の担当者に、各予備校の特長や、医学部合格の秘訣(ひけつ)を語り合ってもらいました。
——授業を受ける人数やどのような教材を使用しているかなど、授業の形式について教えてください。
鈴村
東大螢雪会の授業は43年前の創設時から1対1のマンツーマン形式です。このため、教室での対面授業が基本なのですが、2012年からオンライン授業も開始しました。オンラインならではの授業の進め方として、グラフを描いて見せたり、図形のCGや実験動画を見せるなどの方法も取り入れてきました。最近は新型コロナウイルスの影響もあり、他塾でもオンライン授業が増えていますが、東大螢雪会のオンライン授業は10年前から始まっていましたから、塾の中では歴史がある方ではないでしょうか。
オンライン授業は、自宅に居ながらにして対面授業のような双方向のやりとりができます。また、オンライン授業だからこそ導入しやすい授業の進め方も取り入れて、よりわかりやすく教えることを心がけています。たとえば、数学や理科であれば実際にグラフを描いて見せたり、図形のCGを見たり、動かしたりしながら考えたり、実験の動画を見て考察しています。
教材については一人ひとりの学力や個性に合わせて選んでいますが、基本的には教科書をベースとしています。教材と同時に勉強の進め方も生徒に最適なものを提案します。
——対面形式とオンライン形式、いずれも歴史は古いんですね。では、オンライン形式で実際に学んでみて良かった点は、どんなところでしょうか。
小幡
高校1年生から東大螢雪会に通っていたのですが、通い始めてすぐにコロナの影響で授業も対面からオンラインに切り替えました。僕の場合はタブレットのホワイトボードアプリなどを使い、先生と画面を共有しながら授業を受講していました。アプリを使うことで自分が問題を解く手元を先生に見てもらうことができ、解説の際も、僕が解いたものの上から先生が書き込むなどして指導していただくことができたおかげで、その場で疑問を解消しながら学習を進められました。この他にも、通塾のために無駄な時間を取られず、コロナ感染のリスクを避けられたところもオンライン授業の良かった点です。オンラインによる不便さを感じることも一切なく、有意義に学ぶことができたと思っています。
——教室の学習環境や設備などにおける特長を教えてください。
鈴村
最大の特長は1人1部屋の完全個室が使えるという点です。個室は、授業にも自習にも使用しています。また共有の本棚には、生徒が自由に使えるように赤本や各科目の問題集をそろえています。たとえば、もっとこのテーマについて学びを深めたいという場合には、いつでも本棚から問題集を借りることができます。
——では、講師の皆さんが生徒さんとのコミュニケーションで気を付けていることはありますか。
鈴村
東大螢雪会は講師と生徒の距離が近いことも大きな特長だと思います。勉強以外の面も講師がきちんと気を配るという文化は、胸を張ってアピールできる点の1つです。
小幡
先生と生徒の距離は本当に近いと感じていました。例を挙げると、S N Sで連絡先を交換しており、勉強面であれば模試が返ってきた時などに、すぐにその結果を送り、どこができていてどこができていなかったのかなどを把握してもらうことができました。すぐに次につながるような客観的なアドバイスが返って来たり、励ましの言葉をいただいたことは、勉強を進める上で非常に助かりました。
鈴村
小幡くんは結構やる気の波があるタイプで、「最近はあまり勉強に手がつかない」などということをストレートに伝えてくれていました。そういう時には、好きな科目とか得意な単元など、気が向くことを中心に進めてみてはというようなアドバイスもしていました。
小幡
実は、コツコツとやり続けることが苦手なタイプなんです。週1回の授業では、今週どのように勉強を進めたかを必ず報告していたので、先生は報告内容を見て、その週の勉強の質や量から、僕のやる気の程度を判断していたと思います。そういう近い関係で一歩ずつ前進できたことで、受験をうまく走り抜けられたかなと思っています。
——小論文・面接対策についても教えてください。
鈴村
小論文も専門の講師がいて、マンツーマンで授業を行っています。毎回の授業で、書いてきてもらったものをその場で添削するというスタイルです。授業の形式としてはオーソドックスだと思いますが。一人ひとりの生徒を近くで見ているからこそ「ちょっと国語力が足りていないな」などと感じた際に、こんな本を読んでみたらとアドバイスしたり、教科書の何ページから何ページまでを読んで、それを次回の授業までに要約する課題を出したりします。国語力、読解力はどの教科においても、問題を読み解く力として必要な力だと考えています。
小幡
僕の場合、授業で少し長めの問題を読み解いたり、読み解く際のアドバイスをいただいたりすることで、自然にその力が身についたと感じています。
面接に関しては、志望校の面接で過去に出された質問の一覧などをいただいており、こんなことを聞かれるのだとイメージできたのは、心強かったですね。模擬面接も、知っている先生の前ではありますが、面接官役に徹していただき、大人の前で自分の考えをきちんと整理し、自分が学んできた知識と言葉で伝えるという練習をしていただきました。自分自身の人間性を伝えられるような訓練ができたのは、本番でも役に立ったと実感しています。
——これから受験を迎える皆さんに、アドバイスやメッセージをお願いします。
小幡
医学部受験に限ったことではないのかもしれませんが、「これだけやっておけば絶対に合格できる」というものはないと思います。教科書を基本とした勉強の本質から逃げたり、手っ取り早く解法やテクニックを覚えたりするのではなく、しっかりと理解しながら地道な努力を続けていくことこそが一番大事なのではないかと受験を終えて実感しています。入学してからも、さらに学ぶべきことがありますし、生涯を通して勉強が続くのだと思っていますが、受験勉強を通して基本の大切さを学べたことは、これからの自分の人生にも必ず役に立つはずだと信じています。
鈴村
一つお伝えしておきたいのは、理科系の科目においても「文章を読む力」は非常に大切です。設問が一つだけではなく、三つ四つと並ぶ中で、作題者がどのような力を確かめるためにその問題を作っているのかという意図を読み取ることが、実際の入試では大切なのです。ここでは何を答えるべきか、問題を通していかに作題者とコミュニケ―ションを取れるかを問われる傾向が、最近は特に強くなっています。問題文が長くなっているのもそのためだと思います。ですから、普段の勉強においても問題の反復練習をすることはもちろん大切なのですが、長い文章を読む経験を積んでほしいですね。一番身近な教材である教科書を読み込むこと。そうすることで、長い文章の中から、問題の意図やヒントを汲み取れるようになるはずです。基本となる教科書から、長い文章を読解する力、問題を解く力を身につけてほしいと思います。




