日本人の平均寿命が過去最高齢を更新し続け、元気な状態を保つ「健康寿命」への意識はますます高まっています。そのような社会背景を受け、保険も従来の機能に加えて「健康を応援する」かたちが登場するなど、新しい動きが出ています。特集「これからの健康課題と向き合う 人生100年時代」では全3回のシリーズで、“予防”と“備え”の観点から、自分と家族の健康を考えるために必要な情報に迫ります。第3回は『生活習慣病』をテーマに、慶應義塾大学医学部循環器内科教授の福田恵一先生にお話を伺います。


病気と予防の
最前線
無自覚のうちに進む生活習慣病
健診結果を予防のスタートに
慶應義塾大学医学部循環器内科 教授

福田恵一さん

毎日送っている生活が
深刻な病気につながる

戦後まもなく、日本人の死因は結核が1位でした。衛生状態の改善や薬の登場で感染症が減ると、代わって増えたのが生活習慣を原因とする疾患です。病気の原因には、ウイルスなどへの感染、遺伝的要素がありますが、それらよりも不健康な生活習慣が大きく関わる病気を「生活習慣病」と呼びます。高血圧、糖尿病、脂質異常症など、いずれも動脈硬化を進め、血管系の深刻な病気につながってしまいます。

どんな習慣が影響するかというと、偏った食生活、運動不足、喫煙、睡眠不足、ストレスの多さ、過度の飲酒などがあげられます。「少しくらいなら」と思う程度であっても、毎日の積み重ねが体に影響を及ぼしていきます。特に内臓脂肪型肥満を伴う高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わせられた状態は「メタボリックシンドローム」と呼ばれ、危険因子が重複しているため、健康診断などでチェックされるようになりました。若い人でも生活習慣によっては発症する可能性があります。逆に、遺伝的に高血圧などの資質を受け継いでいても、生活習慣に気をつければ発症を抑えられます。

食事と運動で予防
自分でコントロール

生活習慣は、どのように体をむしばむのでしょうか。欧米人に比べ日本人に多く見られる高血圧は、塩分の多い食事が原因になります。日本は海に囲まれていて比較的塩が手に入りやすく、食材の下味に塩をふったり、塩漬けにしたり、塩でおいしくする料理が多いので、いつの間にか塩分を摂取しています。塩分を吸収した血管は、濃度を一定にするため大量の水も取り込み、血管内部の圧力が急激に上がります。これが慢性的に起こると高血圧の状態になり、血管に負担がかかります。

日本人は人種的に「飢餓には強いが飽食には弱い」といわれています。昔から一汁三菜の食生活が続けられてきて、野菜と魚など低カロリーの食事に体が慣れているため、あまり食べなくても持ちこたえられます。ところが飽食の時代になって高カロリー食が続くと、糖分の過剰摂取になり、血糖値が上がりっぱなしの状態になってしまうのです。欧米に比べて極度の肥満の人は少ないのに、糖尿病が多いのはそのせいです。

同様に脂質異常症も、もともと飢餓状態でも体に必要なコレステロールを高く保てる体質だったため、肉食や脂肪の多い食事で動物性脂肪の過剰摂取になると、コレステロールはなかなか下がりません。脂質は血管の内側に沈着し、「プラーク」という脂肪のかたまりをつくります。これが動脈硬化の原因です。

飽食に弱い日本人
食べ物の選択が病因に

生活習慣病が怖いのは、初期は自覚症状がないのに、確実に血管に負担をかけ続けて、ある時突然命に関わる症状があらわれることです。高血圧・脂質異常症は、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞など。糖尿病の場合は微細な血管が損なわれて、脳出血や腎不全、糖尿病性網膜症、脳血栓、足の壊死などにも影響します。

そうならないためには、定期的な健康診断を受け、食生活と運動習慣を見直しましょう。血圧が高めの人は塩分を控えた食事、血液中のコレステロール値が高い人は脂質の多い肉や内臓、卵の黄身、魚卵などを控えます。血糖値が高い場合はカロリーコントロールが必要です。

また、運動をすると筋肉に豊富な血流がもたらされ、血管が太くなっていきます。筋肉が増えると糖を取り込むので、血糖も下がります。忙しくても、たとえば出勤の時に1駅分歩く、家の中でできる運動をするなど、工夫できるはずです。

残念なことに、健康診断で危険が指摘されても、対処をせずに放置してしまう人が多いのですが、30〜40代で数値に異常のある人は、ほとんど50〜60代で発症します。人生100年時代の後半を無事に過ごすには、生活習慣病発症の危機を乗り越えなければなりません。ぜひ、自分でできる予防から始めてください。

ふくだ・けいいち/1987年慶應義塾大学大学院医学研究科(循環器内科学)修了、91年国立がんセンター研究所に国内留学、92年米国ハーバード大学ベスイスラエル病院分子医学教室、94年米国ミシガン大学心血管研究センターへの留学を経て、99年慶應義塾大学医学部講師、2005年慶應義塾大学医学部再生医学教授。10年慶應義塾大学医学部循環器内科教授。15年Heartseed株式会社設立。
「病への備え」から
「健康づくり」へ
新しい保険のかたちが
照らすわたしたちの未来
生活習慣病から
回復する努力を支える 

生活習慣病は、重症化すると脳血管疾患、心疾患などにより入院、手術、通院、介護の費用が重くのしかかる。さらには就労不能のリスクも甚大だ。SOMPOひまわり生命は保険本来の機能(Insurance)に健康を応援する機能(Healthcare)を組み合わせた、従来にない新しい価値「Insurhealth®(インシュアヘルス)」の提供を通して、社会全体の課題でもある生活習慣病にアプローチする。備えとしての保険だけでなく、「病気にならないための取り組み」と「病気から回復するための支援」までも考えているのだ。

たとえば、「健康をサポートする医療保険 健康のお守り」は、入院と手術への保障に加え、特約により生活習慣病の予防・改善をサポートする保障とサービスを提供する医療保険だ。さらに所定の特約を付加した場合は、「生活習慣病重症化予防プログラムShip」(サービス提供会社:株式会社PREVENT)が利用できる(※)。これは、医療の専門家が電話とアプリによるチャットで、一人ひとりに合った健康づくりを提案し、継続的にアドバイスして目標まで支えてくれるサービスだ。運動習慣をつけたり、食事管理に力を入れたり、健康に向けた努力を応援してくれる保険は心強い。

アプリの機能を使って
健康づくりに達成感を

SOMPOひまわり生命は、同社の保険に加入する人すべてに生活習慣病の予防をサポートするアプリ「リンククロス健康トライ」も提供する。スマホのカメラで顔面を撮影するとストレスチェックができたり、健康診断結果をスマホに読み込ませることで生活習慣病リスクを6年後まで予測したり。そのユニークかつ画期的な機能は、世界最大規模の技術見本市「CES 2020」でも注目された。

「健康をサポートする医療保険 健康のお守り」に夫が加入した40代女性からは「運動不足が気になっていた夫がストレッチや散歩を始めた。アプリのおかげで達成感があり、それがモチベーションになっている」という声も。健康診断で予防を呼びかけられてもなかなか腰が上がらない人は多いが、保険加入をきっかけに、積極的な姿勢で健康づくりに向かっているようだ。

ファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんは、「加入者は健康になり、国にとっては医療費が削減でき、保険会社の支払いリスクも下がる。インシュアヘルスはまさに〝三方よし〟の考え方なんです。これは今後のトレンドになっていくでしょう」と語る。保険の役割は人生100年時代となる社会の健康課題に応えるかたちで刻々と進化している。これからは、人を健康にする「新しい保険のかたち」がわたしたちの未来を優しく照らしてくれる。

※健康回復支援給付特約(特定投薬治療給付型)にご加入いただいた方向けのサービスとなります。