
花王は、"豊かな共生世界を実現"するためには、科学技術から生まれる革新的なイノベーションが重要であると考え、科学技術コンテスト「JSEC」に2005年から協賛し、優れた研究に花王賞を進呈。JSEC上位入賞者は、アメリカで開催される世界大会「ISEF」にも参加する。4月には受賞した高校生たちが花王の研究現場を訪れ、自らの研究発表を行った。
JSEC2023で花王賞・花王奨励賞を受賞した高校生の研究とその熱意を称え、副賞として開催された花王スタディツアー。その研究発表会には、リアルとオンラインで多くの社員が参加。
姫路東高等学校は、刺座というサボテンの器官に注目し、配列を螺旋(らせん)方程式で示せることを明らかにし、他種のサボテンにも当てはまるかを調査した。9種のサボテンについて刺座の配列を螺旋方程式で表すことができ、種と生育環境により特徴的な変数を持つことを突き止めた。発表後は「質問を受け、研究課題がより明確になった」と充実の表情を見せた。
洛南高等学校は、全てのゴミを資源化する社会づくりと廃食油をSAFとすることを目標にし、実現のためにできることを模索。「自分で研究し、行動することの重要性を感じた」と述べ、全国1741の自治体へ行ったアンケートなど膨大で地道な調査には多くの社員が感心していた。
仙台第三高等学校は、白金箔における水素と酸素の反応についての通説に疑問を持ち、仮説を立てて検証を重ね、それを裏付けることに成功。「白金箔が爆発的に燃焼するには、表面(水素側)と裏面(酸素側)の両面が必要で、両面をつなぐ経路が穴を通じて解離吸着が起きて反応する」とわかった。研究者のアドバイスを受け「新たな視点の意見をもらえて有意義だった」「今後に生かしたい」と意気込む。この研究でISEFに挑むべく、英語プレゼンの特訓に取り組んだ。
花王ミュージアムでは、生活者に寄り添い革新を続ける花王の歴史とモノづくりが紹介され、時代の流れと「清浄文化」を学べる展示に参加者は興味津々の様子だった。研究活動紹介では、スキンケア研究所の藤本達也さんが日焼け止めについてプレゼン。身近な商品が生まれる過程に「人の感覚」と「コミュニケーションが欠かせない」という話に意外な気づきがあったようだ。ヘアケア研究所では、2種のシャンプーが髪にもたらす質感の違いをシャンプーをしている人の髪に触れることで体験。「ここまで手触りが変わるとは!」と驚きの声が上がった。
感覚科学研究所では、調香が行われる研究室に入室。初めて企業の研究室に足を踏み入れた生徒は目を輝かせ「調香の様子が見られて面白かった」「香料の種類の多さに驚いた」と感想を述べた。若手研究者の河野宏徳さんと大場美沙季さんが、進学や就職でどんな選択をしたかを語った交流会では、生徒らは年齢の近い研究者の話に熱心に耳を傾け、積極的に質問していた。
2日間の経験は、生徒らの科学への興味を深め、学びを広げる機会になったはずだ。花王は純粋な探究心で未来に挑む若い力を応援し、研究者の育成に様々な形で貢献していく。
花王ミュージアムと
ヘアケア研究所の見学


感覚科学研究所で試験紙の香りを嗅ぎ、
研究者の説明を受ける


他校の発表に真剣に耳を傾ける






国際大会ISEF2024が5月11日から17日、アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスで開催され、67の国と地域から1,699人のファイナリストが自分たちの研究を披露し合いました。JSECからは10研究15名が参加、部門優秀賞1等を獲得するなど成果を発揮しました。花王賞を受賞した仙台三高の2人も、約半年間にわたる英語プレゼンテーションなどの準備を経て大舞台に挑み、世界の舞台で得た多くの刺激と学びを今後の研究に生かしていきます。

2016年花王賞受賞 田渕宏太朗さん
世界の航空宇宙分野を
盛り上げるために
私は高校生のころ、プロペラの効率を向上させる研究に取り組み、JSECを経てISEFに出場しました。ISEFにて世界中の高校生から受けたたくさんの刺激によって、より挑戦的な研究を行う意欲が高まり、大学では、ロケットエンジンや、大気圏に突入する宇宙輸送機の空力加熱低減技術に関する研究を行っています。今後は、世界の航空宇宙分野を盛り上げていくことを目標に、日々研究に取り組んでいきたいと考えています。

【ISEFとは】 「International Science and Engineering Fair」の略で、「国際学生科学技術フェア」などと和訳されている。世界60以上の国と地域の約1,600人の生徒が自分たちの研究を披露する科学研究コンテスト。約70年続いている伝統あるフェアで、毎年5月にアメリカの都市で開催される。運営主体はワシントンにある非営利団体のサイエンスサービス「Society for Science」。
久保英明さん
(花王株式会社常務執行役員 研究開発部門統括)

JSEC 高校生・高専生
科学技術チャレンジとは

全国の高校生と高等専門学校生を対象に、2003年に始まった科学技術のコンテスト。理数教育の増進に資することで、日本の科学技術水準の向上を目指し、自発的に考え、課題を見つけ、解決しようとする若い人材を応援。国際競争力を身につけるため、国際大会「ISEF」と連携し、日本代表を派遣している。
三宅登志夫さん