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共有名義、借地権でお悩みの方に 不動産相続トラブルを解決するには

度経済成長期に購入された住宅の多くは、今、次の世代に相続される時期にさしかかっている。親から子へ、大事な資産の継承なのだが、相続トラブルに悩む人も多い。家や土地などの不動産は、金融資産とは異なり、分割しづらい。相続財産のほとんどが住宅、といった場合は、それを巡ってきょうだいの間で不公平感が生まれることがある。

たとえば両親が亡くなり、子どもが3人いる場合、通常は相続財産の権利は3分割される。しかし住宅に住めるのは1人であり、売ったり、貸したりするには3人の合意が必要となる。3人の意見が食い違えば、争いになったり、空き家として放置されたりすることにもなりかねない。このような共有名義の不動産を巡るトラブルが、最近は増えているという。

借地権が設定されている住宅を相続するときも注意が必要だ。親とは既に別居しながら、親の借地物件を相続した子どもは、たいてい相続した家の売却を考える。しかし、借地物件の売却には通常、地主の承諾が必要となる。その承諾が得られずに悩んでいる人が少なくないのだ。

いずれにしろ、親が残してくれた財産が原因で、きょうだいげんかになったり、ストレスを抱えたりするようになることは避けたいものだ。不動産相続のトラブルを解決するにはどうすればいいのか。共有名義や借地権付き不動産のトラブル解決で多くの実績をもつ、センチュリー21中央プロパティーの松原昌洙社長に聞いた。

株式会社中央プロパティー 代表取締役社長 松原 昌洙さん

まつばら・まさあき/1970年生まれ。金融機関で不動産ファイナンス業務を担当した後、不動産会社へ。収益不動産などのアセットマネジメント・プライベートファンド業務を担当。2011年に共有名義不動産と借地権の仲介を専門にした中央プロパティーを創業。共有名義不動産と借地権に関する案件を多く手がける。

共有名義でも売れる!
トラブル解決法

──共有名義のトラブルでとくに多いのはどのようなものですか?

典型的なのが、両親が亡くなり、残した家に長男家族などが住み続けるケースです。相続した家に誰も住まないなら売却して、代金を平等に分ければ済みます。しかし子どものうち誰かが住み続ける場合、売却するわけにはいきません。昔は長男が家を相続し、他のきょうだいは相続を放棄する、というケースもよくありました。でも現在では、3人きょうだいなら平等に法定通り3分の1ずつの相続権をもつ、といった認識が一般的になっています。

そこで親が残した家は、とりあえず3人の共有名義にする。または相続登記はせず、親の名義のまま長男家族が暮らし続ける、といったケースがよくあります。その場合、固定資産税の支払いは家に住む人が行うことが多いようです。しかし本来、税金は共有者全員に持ち分に応じた負担義務があります。きょうだい3人で相続したなら、固定資産税も3人で3分の1ずつ払うべきです。いっぽう、同じ3分の1ずつの権利をもっているのに、1人だけが家に住むのは不公平だ、という考えもあります。その住宅が家賃月15万円に相当するなら、月5万円の賃料相当額を自分に支払うべきだ、と家に住む長男などに要求する人もいます。

また自分が住まない家の権利を持っていても意味がないので、家に住んでいる長男などに自分の権利を買い取ってもらいたい、と考える人もいます。しかし家に住んでいる人は親の介護をし、長年その家に住んできたため、感覚的には家は自分のものだと思っているケースが少なくありません。そのため支払いには応じない、仮に応じる気はあっても支払うお金がない、といったことがよくあるのです。

このような状況のなか、きょうだい間で争いになり、せっかく親が残してくれた財産が負の遺産になってしまうことが増えています。

不動産の「共有持ち分」が
“争族”になる例

──そのような共有名義にかかわるトラブルは、どのように解決すればよいのでしょう?

私どもはこのようなトラブルで悩む方から、間に入ってもらえないか、といった相談をよく受けます。親族同士だと話し合いのなかで、過去のいきさつや不満が持ちあがり、どうしても感情的になりがちです。私どものような第三者が間に入ることで、当事者が冷静に話しあうことができ、円満な解決に向かうことがよくあります。相続や不動産の専門知識をもった人間が調整すれば、全員が納得し、権利者全員にとって最もメリットのあるかたちで資産を分割することも可能になります。

当事者間での話がまとまらない場合、自分の共有持ち分だけを売却する、といった方法もあります。実は自分の持ち分だけなら、他の権利者の許可なしに売ることができるのです。共有持ち分だけ買ってもその家に住めるわけではないので、売れるわけがない、売っても二束三文だと思っている人もいるでしょう。しかしこのような共有持ち分の権利を、それなりの価格で購入してくれる投資家は意外といます。

また共有持ち分を売却できることが分かれば、家に住んでいる人も譲歩して、円満な解決に向かうことが少なくありません。

センチュリー21 中央プロパティーによる不動産「共有持ち分」問題解決法

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借地権付き不動産にも打開策あり!

──借地権がかかわる相続トラブルで多いのはどのようなものですか?

借地権とは、土地を借りて建物を建てて住んでいる人の権利です。逆に、土地を貸している地主の権利を底地権といいます。底地権と借地権を合わせて、初めて完全な所有権となるわけです。

このような借地権が設定されている家を相続する場合は、注意が必要です。自分はその家に住まないので売却しようと思っても、地主が認めなければ通常は売却できないからです。親が建てた家自体は相続した自分のものとはいえ、実際には建物だけを土地から分離して譲渡することはできません。建物を売るということは、土地の利用権である借地権の譲渡も伴います。よって借地権が設定された住宅を売るには、原則は地主の許可が必要になるのです。

たとえば借地に家を建てて長年住んでいた親が1、2年後に施設に入るので空き家になる。自分はその家に住まないから売却を考えたが、地主が認めない。そこで借地権を買い取ってもらえないかと地主に頼んでみたものの、応じてくれない。逆に地主から、更地にして返還するよう求められた。どうしていいか分からず弊社に相談に来る、というケースがよくあります。

──借地権にかかわるトラブルを解決するにはどうすればよいのでしょうか?

まずは地主と真摯(しんし)に、粘り強く話し合いをすることが大切です。その際には、「物件が売却できたときは承諾料を支払う」なとど、地主にもメリットがある交渉をする必要があります。交渉のしかた次第では、借地権を地主に買い取ってもらったり、借地権と建物をともに地主に売却したりすることは可能です。

またあまり知られていないことですが、実は地主の承諾がなくても、借地上の建物だけを売る方法があります。借地非訟という、地主の代わりに裁判所の許諾を得る制度を活用するのです。実際、この制度によって、地主の承諾がない借地権付きの建物を、積極的に購入している投資家もいます。

いずれにしろ賃貸事業や不動産に精通している地主と交渉し、お互いが満足し、納得できる解決をするには、高度な知識やノウハウが不可欠です。実は借地権や底地権に関しては、不動産業者のなかにもきちんとした知識を持っていない会社があります。何よりも借地権や底地権に関する深い知識を備えた、信頼できる専門家に相談することをおすすめします。

共有名義不動産に関する専門家をそろえ、トラブル解決実績は2,000件以上。借地権・底地権の売買仲介を専業とする専門家も所属し、借地権・底地権がかかわる相続トラブルの解決、借地権物件の売却サポートも行う。さらに共有名義不動産や借地権物件に投資する投資家ネットワークをもち、さまざまな不動産相続トラブルの解決に貢献している。 2013年1月~2019年3月 ※自社調べ

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