より体操を楽しめるように 芸術性を磨きさらなる飛躍へ
神奈川県のアスリート、体操の馬場(ばんば)紗里選手(筑波大学1年)は、2025年11月に行なわれた日本を代表するトップ選手も出場する全日本体操種目別選手権の跳馬で3位入賞を果たすなど結果を残し、この春からは大学生として、さらなる飛躍を誓う期待のジムナストです。
保育園の園長先生が見抜いた才能
馬場選手が体操をはじめたのは3歳のころ。保育園のうんていを後ろ向きに進んでいる姿を見た園長先生から、「運動神経がほかの子とは違うから、何かスポーツをやればきっと伸びるよ」と声をかけられたことがきっかけでした。
最初はできないことばかりだったそうですが、「できなかったことができるようになるのが楽しかった」と振り返ります。その楽しさが体操への夢につながり、今も競技を続ける原動力となっています。
また、自身の才能をいち早く見出し、体操との出会いを後押ししてくれた園長先生への感謝の気持ちは今も変わりません。
小学校低学年で東日本ジュニア体操競技選手権に出場して以降、競技レベルが上がるにつれて全国各地への遠征も増えていきました。そんななか、支援してもらうだけではなく、自ら地域貢献をするという趣旨を持つ明治安田「地元アスリート応援プログラム」に共感し、応募につながりました。
25年9月には、明治安田千代田支社で開催された実績報告会に参加。千代田区長も同席するなか、自己紹介とともに「地元アスリート応援プログラム」の概要や活動内容について説明しました。
これまで人前で話すことに苦手意識を持っていましたが、この経験を通じてコミュニケーションに対する意識も変化しました。「大学生になるにあたり、もっとしっかりしなければならないという自覚が生まれました」と、その成長を振り返ります。多くの人とかかわることの大切さや、自分の考えを伝える力も身についたといいます。
高校最後の1年は奮起した1年
高校最後の年となった25年は、順調なことばかりではありませんでした。
3月の全国高等学校体操競技選抜大会を前に、それまでできていた段違い平行棒の技が突然できなくなってしまいます。原因は分からないまま、6月のインターハイ予選でも同じような状態となり、悔しい結果に終わりました。
練習に前向きになれない時期もありましたが、8月の全日本ジュニア体操競技選手権大会を前に、「チームのためにも頑張りたい」という思いが強くなり、再び体操と向き合うことを決意しました。
その結果、得意種目の跳馬で3位に入賞。さらに強い思いを胸に練習を重ねた結果、11月の全日本体操種目別選手権では、年齢を問わず全国のトップ選手が集うなか、跳馬で3位入賞という好成績を収めました。
スランプを乗り越えた経験は、競技者としてだけでなく、ひとりの人間としても大きな成長につながりました。
自ら挑戦できる環境へ
26年4月、筑波大学に進学し、新しい生活をスタートさせました。
筑波大学を選んだ理由について、「部員が少人数だからこそ、チームのために頑張ろうと思える環境に魅力を感じた」と話します。
大学では、これまで以上に主体的な練習が求められます。最初は戸惑うことも多かったそうですが、自分で考え、自分のやりたいことに挑戦できる環境にやりがいを感じています。
今後の目標は、「まずは体操をもっと楽しむこと」。そして、全日本体操団体選手権でチームに貢献できる選手へ成長することです。
また、楽しみにしている大会として国民スポーツ大会をあげています。都道府県代表として戦う独特の環境のなかで、普段は所属の異なる選手たちと力を合わせながら競い合えることに大きな魅力を感じているといいます。
現在は筑波で生活していますが、地元への思いは変わりません。
「体操競技はまだまだ競技人口が多いとは言えません。自分の活躍を通じて、地元の子どもたちが体操に興味を持つきっかけになればうれしいです」
得意種目である跳馬とゆかを武器に、さらなる成長をめざす馬場選手。技術力に加え、表現力や芸術性にも磨きをかけながら、世界で活躍するジムナストへの挑戦を続けています。
(編集:4years.)