親元離れて練習ざんまい スランプにも前向きな気持ちで
福井県のアスリート、女子アマゴルフの江坂実桜選手(福井工業大学附属福井高校2年)は学校のゴルフ部で練習づけの毎日を送っています。中学3年の秋に右手首を痛めてスランプに苦しみましたが、2024年秋の全国大会で入賞。復調の兆しが見えはじめ、「ゴルフで福井に恩返ししたい」と意気込んでいます。
福井の高校で「一生懸命がんばろう」
江坂選手の実家は三重県津市です。高校に入学する前は、中学2年の際、福井県であった大会に出たときぐらいしか福井を訪れたことはありませんでした。中学3年の7月に出場した大会で、現在の高校のゴルフ部監督から「高校はどうするの? 良かったら見学にいらっしゃい」と声をかけられたのが福井で選手生活を送ることになるきっかけでした。
一人っ子で、両親は大変心配しましたが、父の健二さんは「親離れして、身の回りのことを自分でやれば成長することも期待できるだろう」と考えました。江坂選手は引っ越しの日、津から琵琶湖のそばを通って約200キロ、両親と車で3時間かけて福井市の高校の寮へやってきました。引っ越し作業が一段落し、夕方、両親は「じゃ、行くよ。元気でがんばってね」と言葉をかけ、江坂選手も「ありがとう」と答えて、両親を見送りました。1人になった寂しさよりも「ゴルフ、一生懸命がんばろう」という気持ちが胸にあったそうです。
実はこのとき、江坂選手はスランプに苦しんでいる最中でした。23年11月ごろ、右手首の骨挫傷に見舞われました。直後の大会は痛くて棄権。痛みは高校生になってからも続きます。リハビリを受けつつ、テーピングを巻き、サポーターをつけて試合に臨んでいました。ラウンドでの練習もうまくいかないことが続き、不安にさいなまれたことも。ショットのバックスイングで手首に負担がかかったり、手打ちになってしまったりする癖を直したい。そんな思いで、帰省したときに中学3年まで指導を受けていた三重のコーチに教わりにいき、高校のゴルフ部の監督の助言にも耳を傾けました。「下半身でショットを打つ」と心がけるようにしたそうです。
シンプルで力強い理想のスイングをめざして
復調する兆しが見えたのは、高1だった24年9月、「ジャックバニー‼ジュニアゴルフツアー2024チャンピオンシップ決勝大会」に出場したときでした。最終日の2日目、強い雨による中断を挟んでの後半、ショット、パットとも集中力を発揮して、バーディーを重ねます。江坂選手は「自分の思いどおりの場所に打つことができました」。4位の入賞は全国大会で自己ベストの順位でした。同時に、好調だった2日目後半のプレーが試合全体を通じてできなければ、優勝には届かないと、課題も自覚した大会となりました。
その後は調子の浮き沈みが続き、25年の全国高校ゴルフ選手権春季大会は福井県予選を通過して中部地区予選に進みますが、全国大会へは届きませんでした。自分のゴルフに納得できず、参考になるプレーを探して、さまざまなプロ選手の動画を見ていたころのことです。24年のJLPGA(日本女子プロゴルフ協会)ツアーの大会で1勝した河本結プロのスイングが目にとまりました。「すごくきれいで、力強い」
江坂選手は河本プロの公式チャンネルの動画に見入るようになります。「河本選手は、私が理想とするシンプルで力強いスイングの大きなヒントになっています。自分は今までコースの攻略が行き当たりばったりだったけど、彼女の動画で攻略法をちゃんと考えようと意識するようになりました。河本選手も伸び悩んだ時期があって、それを乗り越えてきたことも自分にとってのお手本です」
26年はプロテストにはじめて挑むつもりです。江坂選手は「24年9月の大会でよみがえった良い感覚をもう一度取り戻して、定着させて、それをさらに超えていけるようにしたい」と前を向く気持ちを言葉にします。
高校の周りには、好きなラーメン店が数軒あり、友人と食べ歩くのが楽しみです。寮から歩いて行ける場所に、お刺し身や串カツ、おでんなどが名物の店があり、父とも時折訪れてきました。江坂選手は「福井はおいしい食べ物が多くて、自分のパワーになっています」。
明治安田「地元アスリート応援プログラム」を知ったのは、大会で明治安田のワッペンを身につけている選手があちこちにいるのを見たのがきっかけでした。地元貢献というプログラムの趣旨にひかれて応募しました。江坂選手は「福井は第2の故郷。ゴルフを一生懸命やっている自分を支えてくださっている方たちに、いつか恩返しできたら」といいます。
(編集:4years.)
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