「将来はメジャーでV」 オーストラリア留学で飛躍をめざす中学生
鹿児島県のアスリート、女子アマゴルフの藤野蒼來(そら)選手(鹿児島市立郡山中学校3年)は2023年の世界ジュニアゴルフ選手権の日本代表に選ばれた実力の持ち主です。同年の日本ジュニアゴルフ選手権でも8位と地力を見せました。「将来はメジャーで勝ちたい」。そんな夢に向かって、現在はオーストラリアで短期留学しており、日本と異なる環境のなかで努力を重ねる毎日です。
イ・ボミ選手に憧れ ゴルフに打ち込んだ
ゴルフとの出合いは4歳の頃でした。スポーツが好きで、当時からゴルフ観戦にも足を運んでいた父親、寛久さんの影響です。「練習場に連れていってもらい、ボールを打ってみたら、楽しいなあ、と思ったのが最初でした」。幼かった藤野選手でしたが、まもなく大きな存在が現れます。日本のゴルフ界で快進撃を続けていたイ・ボミ選手です。寛久さんに連れられ、イ選手が出る試合の観戦に行くようになりました。
2年連続、日本で賞金女王になったイ選手。ファンを大事にすることでも知られ、幾度も応援に行った藤野選手が「ナイスバーディー」といった声援をおくると、気にかけてくれるようになりました。「それが励みになって、イ・ボミ選手みたいになりたい、と憧れる気持ちを抱くとともに真剣にゴルフに取り組むようになりました」
桜島を見上げ 級友や先生からの声援を励みに
いつも一生懸命な藤野選手を、寛久さんも全力で支えてきました。2人とも、やるからにはとことん、という性分です。小学校にあがる頃から大会から大会へと出場を続け、鹿児島から関西や北陸、関東まで遠征してきました。車中泊のできる自家用車を飛ばし、走行距離は年に6万から7万キロにも及んだそうです。大変厳しい日々でしたが、藤野選手がへこたれることはありません。寛久さんは、こう振り返ります。
「どんなに辛くても、弱音を吐くことはありませんでした。(藤野選手の)とにかくゴルフが好きだから、という思いが支えでした」
家族の協力もあり、各地に遠征を続ける日々を過ごす藤野選手。地元・鹿児島の級友や先生はいつも温かい声援をおくってくれます。遠征の前後には「がんばっているね」と声をかけてくれる。それが大きな励みになっています。
「年中忙しく過ごしていますが、地元・桜島の雄大な景色が大好きです。桜島を見上げると、やっぱり鹿児島はいいなと感じます」
そんな大好きな地元のために、自分が活躍して良い成績を残すことで、鹿児島を元気づけたいと思い、明治安田「地元アスリート応援プログラム」への応募を決めました。「ゴルフは個人競技なので、遠征費など金銭的な面でサポートをいただけるのはもちろん有難いですが、地域に貢献できるというプログラムの理念に共感しました」と藤野選手は語ります。
世界ジュニア 不本意な結果をバネに
地元を愛する藤野選手ですが、23年の夏、IMGA世界ジュニアゴルフ選手権(13~14歳の部)の日本代表としてアメリカ・サンディエゴでの試合に出場したことが転機となり、新しい課題にも直面。国際舞台で好成績を、と張り切って臨みましたが、39位タイと不本意な結果に終わってしまいました。「海外の選手と一緒に回りましたが、英語が分からなかったです。芝も違って。コンディションにうまく順応できませんでした」
「海外で戦うには足りない部分が、早いうちに分かったのは収穫だと思います」と寛久さんは言います。
将来は世界で活躍したい、という大きな夢を藤野選手はずっと抱いています。環境の異なる海外で試合経験を重ね、英語も習得したいという思いから24年1月、オーストラリアでの短期留学をスタートさせました。ホームステイをしながら現地の学校に通い、英語は着実に上達しています。
「最初は年齢をきかれてもよく分からないほどでしたが、今では普段話しかけられるぶんには問題なくなりました。特に友だちとは、勉強を教えてもらったりするなかで、日常会話が平気になっています」
帰国後も続く 夢への挑戦の日々
オーストラリアでもゴルフの練習に励んでいますが、日本の整った環境とは違って草だらけのゴルフ場もあり、風も強いことが多いそうです。それもいい経験だと、藤野選手はとらえています。
こうした前向きさ、粘り強さは幼いころから一貫しています。「ずっとゴルフに打ち込んできましたけど、一度も本人がやめたいと言ったことはなかったですね」と寛久さん。「やめたいときはすぱっとやめたらいいと言っていますが、本人が続けるという限りは僕もサポートしたいです」
とにかく心が強いのでしょう、小学生の頃から長距離ドライブで遠征に行く車中でも、iPadで絵を描いたり、読書をしたり、と自分なりに過ごし、本番に向けて冷静に気持ちを保っているという藤野選手。オーストラリア短期留学から帰ってきたら、また父と2人、全国各地の大会に挑み続ける日々が待っています。「将来はメジャーで活躍する」という夢を追いかけて。
(取材・制作:4years.)
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