「努力は必ず報われる」冷静沈着の一打が未来切り開く
兵庫県のアスリート、女子ゴルフの福田美来選手(滝川第二高校2年)は、全国大会の優勝や国民スポーツ大会での活躍、日本女子オープン選手権出場など、着実に競技キャリアを積み重ね、実力派として注目されています。安定感のあるプレーと冷静なコースマネジメントを武器に、新たなステージへの飛躍をめざしています。
「遊び」から「勝負」へ
「ゴルフをはじめたのは5歳のときで、父と兄の影響でした」。最初は練習場について行き、遊び感覚でクラブを振っていたそうです。「家族で楽しくゴルフしていたという感じでした」
転機は早かったといいます。はじめて出場したジュニア大会で予選を突破。「はじめてだったのに結構いいスコアが出て、そこから試合に出たいという思いが強まりました」。自身の性格について「勝負心がある」「負けず嫌い」といいますが、幼いころから結果が数字として表れる競技の世界に触れたことが影響しているかもしれません。
小学3年のとき、はじめて挑んだ全国大会、日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)主催の全日本小学生ゴルフトーナメント(1~3年の部)でいきなり初優勝したのです。「まずは楽しもうという気持ちで行っていたのですが、一生懸命やっていたら優勝していました」。スコアは70。「何が起きたのか分からないくらい、本人が一番びっくりしていました」と振り返りますが、この経験が競技者としての自覚を大きく育てたのです。
プロの舞台で知った「本当の難しさ」
中学3年では日本女子オープンに出場。テレビで見ていたプロたちと同じ舞台に立ちました。「すごく緊張したけど、すごく楽しかった」。同時にコースの難しさも痛感しました。「思いどおりのゴルフが全くできなかった。改めてプロはすごいなと思いました」。この経験が、福田選手のゴルフ観を変えていくことになったのです。
自身の強みについて、「丁寧なゴルフをするタイプ」「冷静に一つ一つ考えてできるタイプ」と分析します。「負けん気は強いですが、慌てることはあまりないです」。目標に向かって前を向いていく姿勢は一貫しています。壁にぶつかったり、大きなスランプに陥ったりするようなことは、ほとんどないそうです。
背景にあるのは家族の支えです。現在、家族でゴルフを続けているのは福田選手と中学2年の弟だけですが、「両親には送迎などで支えてもらっています」と感謝を忘れません。
プレースタイルにも反映していて、「飛ばし屋ではないので、ボギーを少なくするゴルフだと思います」。パーを積み重ね、チャンスで確実にバーディーを奪います。出入りの少ないプレーが持ち味で、好きなクラブは9番アイアン。「一番練習しているクラブなので、安心感があって自信があります」
「努力」が「結果」に変わる時
「努力は必ず報われる」が信条。2025年11月から、これまで独力でおこなっていたオフシーズンのトレーニングに、パーソナルトレーニングを本格導入しました。体幹を中心に足腰も鍛えているそうです。「ひとりだとどうしても甘えがでてしまう。この冬は本当にきつかった」。プロテスト受験を見据えての中期戦略として取り入れたつもりでしたが、今季、その効果はすぐに表れています。
26年4月のJLPGAステップ・アップ・ツアーYANMAR HANASAKA Ladies Golf Tournamentでベストアマチュア賞(6位タイ)、5月には関西女子アマチュアゴルフ選手権で2位など。誰よりも福田選手自身が「球のブレや強さが確実に変わりました。オフに頑張ってよかった」と手応えを口にしています。
25年の国民スポーツ大会では、兵庫県代表としてゴルフに出場。女子団体では2位、女子個人では7位タイという成績を残し、ゴルフの総合優勝(天皇杯)に貢献しました。「県を背負っている責任感がすごくありました」。個人戦とは違う重圧のなかで、「一打一打の大切さを改めて感じました」という経験は、競技でもプレーの安定感につながっています。
目標とする選手は、同じ高校出身の古江彩佳プロです。「プレースタイルがすごく似ていて、昔からスイングもまねしていました」
心のよりどころとなっているのが母の実家がある兵庫県姫路市です。「第二のふるさと」だそうです。小さいころは、祖父母の家に泊まりに行くのが楽しみで、そのたびに姫路城や動物園、水族館など姫路のレジャースポットを訪れたといいます。
特に思い出深いのが、みんなで行って「おいしかった」というイチゴ狩りです。遊園地などのアトラクションがある姫路セントラルパークにもよく足を運び、中でも絶叫系の本格派コースターが好きという意外な一面も見せます。
将来なりたいプロゴルファー像は「いいときだけじゃなく、苦しい流れのときでも自分のプレーを続けられる選手」ときっぱり。そして、「応援したくなる選手でありたい」と続けます。「笑顔で楽しくプレーしている姿を見ていただいて、地元の方々に少しでも元気や笑顔を届けたい」
(編集:4years.)