プロとして2年目の真価!チームの柱として勝利し世界へはばたく
岐阜県のアスリート、バドミントンの平本梨々菜選手(岐阜Bluvic)は2025年春、故郷を本拠地とする女子プロチーム「岐阜Bluvic」に加入しました。プロ選手としてトップレベルの厳しさを感じながらも、着実に成長した1年。地元からの変わらぬ声援を力に変え、さらなる高みをめざしてコートに立っています。
親元を離れ強豪校へ ジュニア大会で世界一に輝く
少年団でバドミントンをしていた姉を追うように、小学1年生から本格的に競技をはじめました。「試合で負けて悔しいという気持ちが芽生え、2年生ごろからは学校から帰ったらすぐに着替えて、車のなかでご飯を食べて練習に行っていました」と負けん気の強さを発揮。全国大会で上位に入るまで力をつけ、U13日本代表に選ばれました。
「もっと強くなりたい」。そんな思いから、小学校卒業後は親元を離れ中高一貫の強豪校である青森山田へ。中学では全国大会で団体戦初優勝、高校では全国選抜大会のダブルスとシングルスでそれぞれ頂点に立ちました。
「高校から本格的にはじめたダブルスは、攻撃や守備のパターンが多く、楽しさや難しさを見つけることができました」と語るように、ダブルスで世界にも羽ばたきました。世界ジュニア選手権では3年生のときに、金メダルに輝いています。
変わらぬ「地元・岐阜」への愛と恩返し
明治安田「地元アスリート応援プログラム」で貢献したい地元は、生まれ育った岐阜県池田町。平本選手は「中学から遠く離れた青森に行っても、たくさんメッセージをいただき、青森まで応援に来てくれた人もいます。地元に帰ったときにはいつも温かく迎えてくれました。そういう人たちに少しでも恩返しできたら」と応募を決めました。
池田町で過ごしたのは小学6年生までですが、たくさんの思い出が浮かびます。
「山や川など池田町は自然が豊か。幼いころは外で遊び、家族でよく大津谷公園にキャンプに行ってバーベキューをしました。池田温泉には週1回くらいの頻度で行き、肌がつるつるになるのでリフレッシュできました」
現在は岐阜市を拠点にしているため、池田温泉に通う頻度は減りましたが、その愛は変わりません。
「近くにある温泉施設のなかに、池田温泉の源泉を使っているコーナーがあるんです。今でもその温泉につかって地元を感じるのが最高のリラックスタイムになっています」
25年は明治安田の主催する「縁結びフェス」のトークショーにも参加。地元の方々と交流するなかで、「バドミントンの知名度をさらに上げたい、岐阜Bluvicをもっと知ってほしい」という思いもより強くなったといいます。
社会人1年目、トップレベルの洗礼と”確かな収穫“
25年春、岐阜Bluvicに加入したのは、本拠地が地元という点とともに、「自分が一番強くなれる場所はどこか」と考えた結果です。「社長や指導者もバドミントンに対して熱く、ほかのチームにはない武器だと思います」
チームには日本代表として長く世界の舞台で戦ってきた福島由紀選手がおり、あこがれの存在です。「努力を惜しまず、試合で勝つことを一番に考えている。技術も高く、人間性もすばらしくて毎日学ぶことばかりです」
プロ1年目となった25年シーズン。高校生までのカテゴリーとは比べ物にならないほどの緊張感と、勝利に対する意識の違いを感じたといいます。
「チーム内で一番年下からのスタートとなり、練習についていくことに必死でした。チームの先輩が国内外で成績を残しているなか、やはり自分はまだまだ。SJリーグに全試合出場させてもらったものの、大事な試合で落としてしまう部分もありました」
最も印象に残っているのが、SJリーグ岐阜大会です。24年も内定選手として出場した、地元での“晴れ舞台”。なんとしても勝ちたいという思いがプレッシャーになり、思うようなプレーができなかったと話します。
「自分が出場する第2ダブルスの結果が勝敗に直結する状況で負けてしまいました。24年に続いて、地元大会で2連敗となってしまいとても悔しかったです。普段の力を出せれば勝てない試合ではなかったと思いますが、やはり気持ち・メンタル面で安定せず課題の残る大会でした」
一方で、試合を重ねることで着実にレベルが上がってきたことを感じたという平本選手。26年2月の仙台大会では、これまでにない手応えを感じたのだそう。
「25年前半に基礎的な能力を上げるために練習を積み重ねてきましたが、12月ごろから試合でも生かせるようになってきました。仙台大会では、チームがトップ4に進めるかどうかの大事な試合でしたが、試合の流れを読むこともできたので、緊張しながらも勝利できたのだと思います」と平本選手。
ダブルスを組んだ廣田彩花選手は世界で戦っているプレーヤーということで、練習でも試合でも勉強することが多く、吸収することも多かったと話してくれました。
「自立」が生んだ新たな強さ 狙うはA代表
自らの武器である、高身長から繰り出されるパワーのあるプレーに磨きをかけることに加え、プロとして勝利するために新たな課題も生まれました。
「社会人になって、パワーと身長だけじゃ勝てないなと実感しました。世界で戦う機会も増えたなかで、海外の選手は身長も高くフィジカルもあるので、そこで勝つにはやっぱりスピードもつけないといけません」
最後まで戦い抜く体力をつけるための走り込みやウェート、瞬発力を上げるためのトレーニングなどを重点的に行なっているのだそう。
さらに、社会人としてひとり暮らしをはじめたことで生活面でも大きな変化がありました。
「体が資本なので、食事が大切なことを再確認しました。コーチに聞いたりしながら、ちょっとずつ栄養に関する勉強も重ねてメニューを考えながら自炊をしています。今までは全く料理をしてきませんでしたが、最近ではその日のメニューを考えるのが楽しくなってきました」と平本選手。トレーニング量に合わせてたんぱく質やビタミンの摂取を自ら考え、料理を楽しむ余裕も生まれています。
プロとしての自覚が強くなるなか、まずはチームの柱となるべく平本選手は日々努力を重ねます。
「世界で活躍する選手が続々加入しているので、まずはチームで団体戦に出場できる機会を自分で勝ち取りたいです。どの選手と組んでも『平本が出れば確実に1勝できる』と感じてもらえるような安心感を与えられる存在をめざします」とSJリーグ全勝の目標を掲げます。また、個人としては現在U24の日本代表に選出されている平本選手。自身のランキングを上げることでA代表入りも視野に入ってくるなか、個人的な目標として掲げるのが、12月に開催予定の全日本総合バドミントン選手権大会での優勝です。
「将来的な目標は4年に1度の大舞台で金メダルを獲得すること。せっかく地元の岐阜でプレーするチャンスをいただけているので、自身のプレーで地元のこどもたちに夢や活力を与えられるような選手になりたいと思います」
長身を活かしたダイナミックなプレーが魅力の平本選手は、支えてくれる人への感謝を胸に全力で走り続けます。
(編集:4years.)