海外での優勝を糧に成長 高3時のプロテスト一発合格を見据える
愛知県のアスリート、女子ゴルフの生駒留菜選手(麗澤瑞浪高校2年)は、2025年にはじめての日本女子アマチュアゴルフ選手権への出場や、ステップ・アップ・ツアーへの参戦など、格上の選手たちとの戦いを経験したことで、メンタルと技術の双方で大きな収穫を得ました。さらなる高みをめざし、日々努力を続けます。
親元を離れた寮生活で磨かれた自己管理能力
生駒選手は身長153センチと小柄ながら、ドライバーの平均飛距離が235~240ヤード。「ドライバーで真っ直ぐに打ってボールをフェアウェーに置き、セカンドショットはピンに寄せる。しっかり攻めるゴルフが私のゴルフ」とプレースタイルを自己分析します。
ゴルフをはじめたのは小学1年のころで、7歳上の姉・莉彩さんの練習について行ったことがきっかけでした。小学6年ではじめて全国大会の舞台を踏むと、周囲のライバルたちの活躍に刺激を受けて一気に才能が開花。24年3月のジャカルタ世界ジュニアチャンピオンシップ日本代表選抜大会では優勝、6月の本戦の世界大会では3位に入賞し、国内のプロトーナメントであるレギュラーツアーへの出場も果たすなど、輝かしい実績を上げてきました。
高校は、キャンパス内に本格的なゴルフコースを備えている麗澤瑞浪高校を選択し、親元を離れての寮生活をスタートさせました。「環境が一気に変わり、最初は慣れないことも多くて苦戦する時期もありました」と振り返る生駒選手。
しかし、自分でスケジュールを組み立てる日々のなかで、主体的に練習メニューを工夫するマネジメント力が自然と身に付きました。放課後の部活動では、実際に芝の上から毎日ショットやアプローチの練習ができる最高の環境を活かし、自らの技術を限界まで高める努力を続けています。
タイでの優勝とフィジカル面の新たな課題
25年は、自身初となる4日間の長丁場となった日本女子アマチュアゴルフ選手権で36位タイに入りました。初日はスコアを崩してしまいましたが、キャディーを務めてくれた姉の莉彩さんから「もっと自分に自信を持ってプレーして」と力強いアドバイスをもらったことで覚醒。残りの3日間は本来の落ち着きを取り戻し、大人の選手たちを相手にしても「自分のゴルフは十分に通用する」という確かな手応えを得ました。
しかし、25年の秋ごろには、それまで維持していたスイングの感覚が狂い、思うようなショットが打てずに伸び悩む時期を経験。生駒選手は最大の課題であるアプローチやパターといったショートゲームの練習メニューを自分で考え、徹底的に打ち込んだといいます。
その努力はすぐに形となり、26年2月にタイで開催されたアジアンマスターズ(ジュニアの部)で見事に優勝しました。
「はじめて訪れた場所で、日本とは異なるグリーンや芝の環境でしたが、安定したスコアを残すことができました。海外の選手たちと回るゴルフは新鮮で本当に楽しかったです」と声を弾ませます。同時に、海外の選手たちの強靱(きょうじん)な体格や筋肉の付き方を目の当たりにし、小柄な生駒選手にとって今後の長丁場や酷暑の戦いを見据えた体力づくり、具体的には体重の増量やフィジカル面の強化が欠かせない、という新たな課題も明確になりました。
大好きな名古屋の応援を背に、憧れられるプロへ
生駒選手の元気の源は、名古屋名物の鶏の手羽先です。特に母の礼奈さんが作る塩味の手羽先が大好きです。「私は塩味が好きで、これがあるとご飯が進みます」。ほっとできるのは友だちと行く大須観音の門前町です。「商店街を食べ歩くのが好きです」。貢献したい地元は名古屋市で「プロになって地元に恩返しができたらいいな」と思い、明治安田「地元アスリート応援プログラム」に応募しました
また、25年11月には明治安田主催のゴルフコンペに参加し、日ごろから自身を支えてくれている参加者たちと一緒にラウンドしました。
「普段は同世代の選手と回ることが多いので少し緊張しましたが、過去に応援していたジュニア選手の話など貴重な経験談を聞かせていただき、本当に勉強になりました」と振り返る生駒選手。地元の人たちからの温かい応援の言葉が、自らのアスリートとしての姿勢を見つめ直す大きなきっかけになったと話します。
26年最大の目標は、8月に開催される日本ジュニアゴルフ選手権での優勝。「ジュニアのカテゴリーで最も大きな大会なので、ここで勝ってナショナルチームへの加入に近づきたいです」と明確なビジョンを掲げています。
さらに、高校3年時に控えるプロテストの一発合格も大きな目標の一つで、「将来は世界最高峰の舞台で活躍し、これからのジュニア選手たちから目標にしてもらえるような、憧れのプロゴルファーになって地元に恩返しをしたい」と語る生駒選手。豊かな緑に囲まれた実戦的な環境のなかで、その視線はすでに世界の頂点を見据えています。
(編集:4years.)