ハワイのゴルフ場に感動 自分を見つめ直してステップアップ
神奈川県のアスリート、女子アマゴルフの伊藤美輝選手(目黒日本大学高校2年)がゴルフをはじめたのは、大学野球と社会人野球で日本一を経験している父の影響でした。ゴルフの成績が伸び悩んだときもありましたが、周囲の励ましで自分を見つめ直し、つらい時期を乗り越えてきました。目標は、多くの人に愛され、応援されるプロ選手になることです。
大学・社会人日本一の父から教わる心構えやルーティン
ゴルフに魅力を感じたのは、小学校低学年のときに家族で訪れたハワイで、父親と2人でゴルフ場を回ったときでした。海が間近な絶景に感動して、「こんな場所でプレーしてみたい」とゴルフ選手に憧れました。小学1年のときから父に連れられてゴルフ練習場に行っていましたが、ハワイ旅行を機に練習場のコーチから指導を受けるようになりました。小学3年で大会に出場し、5年のときに神奈川県のジュニア大会で優勝して自信をつけて、いっそうゴルフに打ち込むようになりました。
平日はパターやアプローチなどを多いときで3時間ほど練習して、週末は母の運転する車で千葉県のゴルフ場に通って練習を積みます。父は元社会人野球の捕手で日本一を経験、高校時代に甲子園に出場(選抜高校野球大会ベスト4)、慶應義塾大学では日本一にもなっています。父が大会に臨む心構えやルーティン、ストレッチなどを丁寧に教えてくれます。大会に出場するようになると、「うまい人がたくさんいるなぁ」と最初は感心していましたが、1回優勝してからは、「もっと勝ちたい。大きな大会で優勝したい」という気持ちが強くなりました。
勝てない時期 周囲の人たちに励まされ奮起
ゴルフ選手として順調に成長していた伊藤選手ですが、中学3年のとき、思うような成績が残せずにつらい時期を経験しました。「ゴルフをやめようとは思いませんでしたが、しばらく休みたいなぁとは思いました」。そのとき、温かく励ましてくれたのが伊藤選手の練習を見続けてきた練習場のスタッフやゴルフ場のメンバー、神奈川県ゴルフ協会の方々でした。
「続けるかどうか決めるのは自分自身だ」という親のアドバイスも心に響きました。伊藤選手は自分を見つめ直しました。これまで習い事として水泳やピアノ、そろばんなどをやっていましたが、「自分が本当にやりたいことはなんだろう?」「将来の夢はなんだろう?」。考えた末、出した結論が「ゴルフ選手として世界の舞台で活躍したい」というものでした。技術・体力を一から見直し、手を差し伸べてくれた地元のコーチやトレーナーとの新たな出会いもあり、「それからさらに練習に熱が入りましたね」と笑顔で振り返ります。
週2~3回、体幹トレーニングを続けています。飛距離に自信があり、ドライバーで250ヤードほど飛ばして、アイアンでピンにからむゴルフが得意です。一方、「パットが課題」と言います。2025年のプロテストを見据えて、毎晩自宅のリビングにマットを置いて、課題のパットの練習を繰りかえしています。以前は1日100球でしたが、今は500球打っています。目標の選手は同じ横浜出身で、明治安田所属の鶴岡果恋プロ。「スイングがとてもきれいで憧れます」。多くの人から愛され、つねに世界の上位で戦える選手をめざしています。
リフレッシュはピアノ演奏 生まれ育った横浜が大好き
伊藤選手の息抜きは、小学生のときに習っていたピアノです。気分転換したいときは無心で自宅のピアノを弾きます。お気に入りの曲は、韓国の作曲家イルマの「River Flows in You」。学校の合唱コンクールでもピアノの伴奏をしました。学校では、友達から「ずっとしゃべっているねぇ」と言われるほど、明るく朗らかな人柄です。
生まれ育った地元が大好きだと語る伊藤選手。自宅近くには畑があり、里山もあります。公園で地域の人たちと流しそうめんをしたり、タケノコ掘りをしたり。中学校の卒業式はコロナ禍でしたが、少しでもにぎやかにお祝いしたいと地域の人たちが花火を打ち上げてくれました。地域に支えられている実感があると言います。
家族で遊びに行くみなとみらいや、中華街もお気に入りです。中華街は小学校の遠足のときに食べた熱々の肉まんや、小籠包が忘れられない思い出です。「みなとみらいは映画館もあるし、1日遊んでも飽きません」。そんな大好きな地元横浜に、ゴルフを通じて恩返しができればと、明治安田「地元アスリート応援プログラム」に応募しました。「地域の人たちのたくさんの愛情を感じています。人との関わりを大切にして感謝の気持ちを忘れず、世界で活躍して恩返しをしていきたいです」と決意を話します。
(取材・制作:4years.)
アスリート情報
あなたのそばのアスリートを検索