明治安田レディスでの優勝を糧に、運命のプロテスト合格をめざす
兵庫県のアスリート、女子ゴルフの岩永杏奈選手(大阪桐蔭高校3年)は2024年の日本女子オープンゴルフ選手権でローアマチュアを獲得し、26年の最終プロテスト受験権利を持つ注目の選手です。25年はナショナルチームで活躍し、11月の「明治安田レディスオープンゴルフトーナメント」で劇的なプロツアー初優勝を果たしました。
フィジカルの強化が実を結び、地元の大会で快挙
25年シーズンを振り返り「プロのツアーやナショナルチームでの活動を通じて、周りの反応も練習環境も大きく変わった1年でした」と語る岩永選手。大躍進の背景には、ナショナルチーム加入を機に取り入れたパーソナルトレーニングによるフィジカルの強化がありました。
「特に下半身の強化に注力し、ジャンプ力やスイングの回転スピードを向上させました。技術面だけでなく、練習前のアップやクールダウンを丁寧に行なうことで、朝一番の準備不足によるミスが格段に減り、強い手応えを感じています」
その成果が最高の形で現れたのが、25年11月の「明治安田レディスオープンゴルフトーナメント」でした。はじめて出場するステップ・アップ・ツアーで、さらに明治安田生命が特別協賛する地元の大会。「地元だからこそ頑張りたい」と強い気持ちで臨んだ岩永選手は、2日目を終えて最終組に入ります。 「最終日の前半は思うようにスコアが伸ばせず、13番ホールあたりまでは耐えるゴルフが続きました。非常に緊張感のある展開でしたが、気持ちを切らさずに集中を続けた結果、終盤の3連続バーディーへと繋がり、優勝することができました。プロの試合で勝ち切れたことは、今後の大きな自信になりました」
大会中、ともに最終組を回ったプロの林菜乃子選手や加藤麗奈選手からは、プレー中も優しく声をかけてもらい、楽しくラウンドできたといいます。 「普段ツアーで戦っているプロの選手たちは、どんな状況でも常に冷静。気持ちを切らさない姿勢など、練習風景も含めて自分に足りない部分をたくさん学び、取り入れました」
ゴルフとの出合い 家族の絆で掴んだ姉妹W世界一
岩永選手がゴルフと出合ったのは5歳のとき。父の憲浩さんが通っていた練習場のジュニアレッスンに参加したことがきっかけでした。テニスや野球などさまざまなスポーツを経験するなかで、中学から「一番楽しい」と思えたゴルフに専念し、才能を開花させていきました。
25年の夏には世界ジュニアゴルフ選手権に出場し、妹の梨花選手とともに「姉妹ダブル優勝」という快挙を成し遂げました。世界一の栄冠は、家族全員のサポートがあったからこそだと岩永選手は微笑みます。 「父は多忙ななかでもツアー会場に駆けつけ、練習をサポートしてくれました。母は、下の妹を祖母に預けて私のために試合や練習にずっと付き添ってくれました。世界ジュニアの初日、私がスコアを叩いて落ち込んでいたときも、同じ部屋の妹に気持ちを吐き出せたことで翌日からリラックスしてプレーできました。家族の支えには本当に感謝しています」
プロテスト合格を誓う 将来は世界最高峰の舞台へ
世界での活躍や明治安田の大会での優勝などが重なり、地元での応援の声はさらに熱を帯びています。 「普段利用している練習場などで声をかけていただく機会がとても多くなりました。学校の部活の際にも周囲から温かい言葉をいただき、大きな励みになっています」
そんな岩永選手が明治安田「地元アスリート応援プログラム」に継続して参加するのは、全国や海外を転戦するためのサポートへの感謝に加え、地域との繋がりを大切にしたいという強い思いがあるからです。明治安田のイベントに参加した際にも、地域の人々との温かい交流がありました。
「ニアピンやドラコン対決を行なったのですが、参加者の皆さんから『優勝おめでとう!』とたくさん褒めていただきました。『どうやったらそんなに飛ぶの?』と質問され、お話ししながらたくさんの応援のパワーをいただきました」
岩永選手にとって、幼いころから過ごす兵庫県は大切な場所。束の間のオフには、自宅近くのショッピングモールに出かけたり、妹と電車に乗って映画館へ出かけたりすることがリフレッシュのひとときです。
26年、岩永選手は大阪桐蔭高校の3年生となり、最高学年として最後のシーズンを迎えています。 「ゴルフ部の同期はみんな本当に仲が良く、学校生活も部活も楽しいのは同期のおかげです。24年の夏の団体戦は全国2位という悔しい結果だったので、26年の夏は絶対に優勝を掴み取り、みんなで有終の美を飾るのが今の目標です」
高校卒業後のプロ転向を見据え、26年からは新しくスポンサー契約が締結されるなど、身を置く環境も変化しています。 「さまざまな難度の高いコースで練習させていただける機会が増えました。難しい環境で技術を磨くことは、確実に自分のレベルアップに繋がっています」
視線の先にあるのは、7月以降に本格化する国内外のビッグトーナメント、そして秋に行なわれる最終プロテストの合格。人生をかけたこの大一番を前に、岩永選手は静かに闘志を燃やしています。 「レギュラーツアーとはまた違う、独特の緊迫した空気になると思います。どんな状況でもメンタルを安定させ、いつも通りの冷静な自分でプレーできるように心の準備も行なっていきます」
プロテストと予選会を通過した先には、さらに大きな夢が広がっています。 「プロとしてレギュラーツアーの前半戦からしっかりと出場し、まずはツアー優勝を果たすこと。将来は世界最高峰のツアーである米ツアーに挑戦し、世界で活躍できるアスリートになりたいです」
地元からの熱い声援を背負い、岩永選手は一歩一歩、世界の頂点へと続く階段を駆け上がっていきます。
(編集:4years.)