能登半島地震を乗り越え 石川県に元気を与えるプレーヤーに
石川県のアスリート、女子アマゴルフの勝見莉衣選手(金沢学院大学付属高校3年)は、2021年の中部中学校ゴルフ選手権で優勝し、全国大会でも活躍を続けています。トッププロをめざし、能登半島地震で被災した石川県に少しでも元気を与えることができればとの思いも胸に抱いて、日々練習に取り組んでいます。
4歳から打ちっ放しでクラブを握る
勝見選手は、家族がゴルフをしていた影響もあって、2歳のころからプラスチックのおもちゃのゴルフクラブで遊びはじめました。ゴルフ練習場の打ちっ放しで本格的にデビューしたのが4歳のときで、小学1年からジュニアの大会に出場するようになります。負けるのが悔しく、「もっと練習しよう」と自宅にパターマットを敷いて毎日のようにクラブに触れているうちに、ゴルフにひかれるようになっていきました。
地元のジュニアゴルファーが集まる試合に出ることも、ゴルフの楽しさの一つでした。ただ、中学2年のころからコロナ禍で試合が開催されなくなってしまいます。モチベーションが下がり、「もうゴルフはやめよう」と思ったこともありました。それでも「サポートしてくれる人たちの応援もあったので続けられました」と振り返ります。
21年の中部中学校ゴルフ選手権では、ベストスコアの66を出して優勝を果たしました。「うれしかったのと同時に、それまでなかなか成績があがらない状態が続いていたので自分でもびっくりしました。あきらめず、高校でもさらにがんばろうという気持ちになれました」と話します。
練習場での動画撮影でスランプから脱出
高校は、ゴルフ部がある金沢学院大学付属高校に進学します。ゴルフ部の練習時間は午後3時半から暗くなる6時半ごろまでと中学時代と比べるとトレーニングの量が多くなり、ゴルフ場で実戦的に練習できる機会や試合への参加も増えました。さらに週2回、自主的にコーチから指導を受けるパーソナルトレーニングに通い、それ以外の日も夜は自宅でのパター練習を欠かさないようにしています。
練習に手を抜かない勝見選手ですが、大きく悩んだ時期もありました。一番つらかったのは23年5月ごろ、飛距離をのばそうとスイング改造に挑んだときのことです。逆にスイングがくずれ、打球が右に左に大きく曲がってしまいました。修正もうまくできず、成績もどんどん低下していきます。
スランプから脱出できたのは、練習場での動画撮影でした。「打つときに頭が動いていて、それが原因でショットが安定してないのでは」。それまで気付いてなかった視点のアドバイスを受けたことがきっかけで、まっすぐ打てるようになり、「それからだんだんと自分の打ち方が戻っていきました」といいます。
世界に通じるトッププロになって地元応援を
24年にはじめてプロテストに挑戦し、将来は世界で通用するトッププロになることが目標です。ショットやアプローチの精度をあげ、パターでラインを見極めるなど「まだまだ課題が多い」と自覚しています。あこがれているのは吉田優利プロ。いつもニコニコしていて、パーオンしないホールでパー以上を獲得する「リカバリー率」でトップを誇る選手です。「自分もリカバリー率をあげるために練習し、あきらめずに今まで以上にがんばりたいと思います」。
その思いを強めているのは、24年の元日に発生した能登半島地震です。金沢市内の自宅の中で物が落ちたり壊れたりして怖い思いをしただけでなく、被災した知人も少なくありません。石川県内では津波などによる被害が広がり、落ちついた暮らしを取り戻すまでに時間がかかりそうです。「自分が良い成績を残すことで、被災した方々に少しでも元気を与えることができたら」と思い、明治安田「地元アスリート応援プログラム」に応募しました。
地元に恩返しをしたいという気持ちも抱いています。金沢市は「香箱ガニ」だけでなく金沢カレーや金沢おでんなどB級グルメも多く、地元の豊かな食に元気付けられてきました。昔から通う地元のゴルフ練習場のみなさんから「がんばれ」と声をかけられることも、大きな励みとなっています。
「トッププロになって次は自分が地元を元気にしたい」という夢を抱いて邁進をつづけます。
(取材・制作:4years.)
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