世界大会のメダルへあと少し! タンブリングの普及にも貢献する21歳
愛知県のアスリート、体操(タンブリング)の北折愛里選手(順天堂大学4年/株式会社Rainbow)は、体操教室を主宰する母のもとに生まれ、3歳から体操に親しんできました。そして小学4年でタンブリングに引かれ、その才能はより花を開き、いまでは世界選手権をはじめ日本代表として目覚ましい活躍をしています。
国際大会出場を逃した悔しさをバネに
北折選手がタンブリングに心を奪われたきっかけは、タンブリングの国際大会決勝動画でした。「見た瞬間に引き込まれました」と振り返るほどの衝撃を受けたと同時に、「この競技なら自分の強みをもっと活かせるに違いない」と直感したといいます。
北折選手が特に魅了されたのは、タンブリングのスピード感と、ダイナミックな跳躍技がノンストップで繰り広げられること。その迫力に圧倒されながら、自分が得意とするゆかの演技をタンブリングに落とし込みたいと考えたのです。そこからは、器械体操とタンブリングを並行して練習するようになったものの、ほどなくしてタンブリングで世界をめざすことに。その結果、小学5年で国際大会に出場する快挙を遂げました。
以降、国際大会代表の常連選手となった北折選手。ところが、さらなる高みをめざして練習を重ねてきたはずが、中学3年と高校1年の2年間は世界年齢別大会の選考会でわずか0.1点足りず日本代表にはなれませんでした。結果を残そうと高難度の技に挑戦した結果であったとはいえ、その悔しさは「いまでも忘れられません」というほど。「もっとタンブリングがうまくなりたい、絶対に代表の予選会を勝ち抜きたい」という気持ちがより強くなりました。
そして、実家のある愛知県の扶桑町から県外へ定期的に練習に通ったり、母親が探してくれた新しいコーチから指導を受けたりして、タンブリングに集中できるようにしたところ、高校2年のときに日本人女子としてはじめて、世界トランポリン競技選手権大会へ日本代表として出場することができました。そしてその後も必死に練習を重ね、全日本選手権連覇や、世界選手権に日本代表として出場、2022年のワールドゲームズでは日本人初の5位入賞など輝かしい実績を残しています。
地元に恩返しできる、またとないチャンス
現在、順天堂大学4年の北折選手。さまざまな種目で日本代表選手を輩出している同校なら、自分を高めていけると確信して入学しました。いまは地元を離れ練習に励んでいますが、生まれ育った扶桑町や、子どもの頃によく遊んだ小牧市を思い出すと、いまも心が温かくなります。
「扶桑町は豊かな自然に恵まれていてとても心落ち着ける町です。過去の町長が、『この町を人間にたとえると、素直で誠実な性格』とおっしゃったそうですが、地元を離れて外から扶桑町をみると、本当にそのとおりだなと納得します」
地元の名産品は、「守口大根」。普通の大根とは違い、細くてとても長い大根として知られており、北折選手も大好きです。小学校の頃にこの大根を使って漬物づくりを体験した後、家族みんなで食べた思い出を振り返りながら、「扶桑町と同じでとても素朴でやさしい味なんですよ」と教えてくれました。
また、小牧市のお気に入りスポットはかつて織田信長の居城であった小牧山城。ここで子どもの頃にピクニックや鬼ごっこを楽しんだのもいい思い出です。そのため、明治安田「地元アスリート応援プログラム」について知ったときは、「扶桑町と小牧市に恩返しできるまたとないチャンス!」と応募を即決したといいます。
国際大会でのメダル獲得と地元貢献を目標に
「扶桑町では高齢化が進んでいるため、健康増進の取り組みが大切だと思っています。地域が一丸となって健康意識を高めていく必要性もあると思うので、その取り組みのひとつに、私が取り組んできた体操やタンブリングもぜひ採り入れてもらいたいし、私自身も携わっていきたいと考えています。体操もタンブリングも実は小さな子どもから年配の方まで楽しめるスポーツなので、運動から遠ざかっている人にも気軽に参加してもらえるイベントなどが開催できたらと思います」
大学卒業後は、プロとして活動しながら地元・扶桑町での指導にも携わりたいと考えている北折選手。自らの活躍を通してタンブリングと体操のファンを増やすためにも、目下の目標は国際大会でのメダル獲得。「社会人1年目の国際大会となる25年のワールドゲームズでは、プロアスリートとして活躍していくための覚悟の演技で魅せます」と宣言。日本タンブリング界を牽引する存在から、今後も目が離せそうにありません。
(取材・制作:4years.)
アスリート情報
あなたのそばのアスリートを検索