タンブリングの国内絶対王者 地元の応援を背に世界へ
愛知県のアスリート、体操(タンブリング)の北折愛里選手(Rainbow Nova)は、体操教室を主宰する母のもとに生まれ、3歳から体操に親しんできました。そして小学4年でタンブリングに引かれ、その才能はより花を開き、いまでは全日本選手権6連覇と国内では絶対王者に。次は世界でメダルを獲得と、さらなる飛躍をめざしています。
悔しさから意識した「勝利より大切なこと」
北折選手がタンブリングに心を奪われたきっかけは、タンブリングの国際大会決勝の動画でした。「見た瞬間に引き込まれました」と振り返るほどの衝撃を受けたと同時に、「この競技なら自分の強みをもっと活かせるに違いない」と直感したといいます。器械体操とタンブリングを並行して練習していましたが、ほどなくしてタンブリングで世界をめざし、小学5年で国際大会に出場しました。
以降、国際大会代表の常連選手となりましたが、中学3年と高校1年の2年間は世界年齢別大会の選考会でわずか0.1点足りず日本代表になれませんでした。ただ、悔しさをバネに、高校2年のときに日本人女子としてはじめて、「世界トランポリン競技選手権大会」へ日本代表として出場。その後も全日本選手権連覇、2022年のワールドゲームズでは日本人初の5位入賞など輝かしい実績を残しています。
24年6月の全日本選手権も制し、25年3月の全日本選手権女子オープンも優勝を果たし、ともに6連覇を達成。国内では安定して勝ち続けるようになれたのは、やはり過去の悔しい経験が大きかったといいます。
「勝利を意識するよりも自分の演技を極めることを大切にして、結果が出るようになりましたが、きっかけは過去に『0.1』点足りずに日本代表になれなかった悔しい経験からです。あのときから、苦手を克服するための練習に注力するようになりなりました。それが結果的に勝因につながっていると思います」
世界のメダリストに刺激を受けて新技に挑戦
今となっては国内では絶対王者になりましたが、24年7月のワールドカップでは5位。北折選手は悔しさをにじませます。
「予選リーグは8名で行なわれ、上位4人が決勝に進めるなかで、あと一歩届かず5位という結果は悔しいです。敗退した私は決勝で演技ができないなか、メダルを獲得した選手たちの演技を見ましたが、私よりも難しい技をやっていました」
世界のメダリストに刺激を受け、自らも新しい技にチャレンジ。「演技は完成し、あとはトレーニングの質を高め、技に磨きをかける状態です」と言います。悔しい経験を原動力に、リバウンドメンタリティで成長してきた北折選手は、次なる目標に向けて意気込みます。
「直近の目標は8月に行なわれるワールドゲームズでのメダル獲得です。次こそは、世界の大会でメダルを獲りたい。強い気持ちを持って世界に挑みたいです」
地元・扶桑町の企業がスポンサーに
現在は順天堂大学を卒業して、地元・扶桑町に戻って活動している北折選手。地元の名産品で大好きな「守口大根」や、子どもの頃によく遊んだ小牧市のお気に入りスポットであり、かつて織田信長の居城だった小牧山城などが「懐かしい」と言います。
明治安田「地元アスリート応援プログラム」に参加してからは、地元からの応援を強く実感しているといいます。明治安田の名古屋本部からは応援メッセージの書かれた色紙、小牧支社からは旗をそれぞれもらい「もっと頑張ろうと励まされます」。また、プログラムを通じて北折選手の活動が地元に広まり、愛知県扶桑町の光洋企業とはスポンサー契約を締結。月に1回、会社に活動報告する際には「頑張ってね」と声をかけられ、「気持ちが奮い立ちます」と話します。
地元からの応援を背に、現役最大の目標は「毎年行なわれる世界選手権で2年以内にメダル獲得」。タンブリングの選手寿命は平均26~27歳であることから、競技から退いた後もすでに見据え、「指導者になってタンブリングを多くの方に知ってもらいたい」と語ります。
明治安田の名古屋東支社が開催した「大人トランポリン教室」では講師役を務め、参加してくれた人から「こんなに楽しいんですね」という声をもらえたのがうれしかった、と振り返ります。練習中もすでに将来を想定し、「指導者として教えるときに使えたらと思い、自分の感覚を練習ノートに記録しています」とも明かします。
まず目下の目標は、タンブリングと体操のファンを増やすためにも、国際大会でのメダル獲得です。「ワールドゲームズではプロアスリートとして活躍していく覚悟の演技で魅せます」と宣言。日本タンブリング界の未来を明るく照らす存在として、北折選手から目が離せません。
(編集:4years.)