学生王者の誇りを胸にプロへ 吹田から世界の賞金王をめざす
大阪府のアスリート、男子ゴルフの小林匠選手(大阪学院大学4年)は、2025年関西学生ゴルフ選手権で逆転優勝を果たし、日本アマチュアゴルフ選手権でも3位に食い込むなど、輝かしい実績を積み上げました。かつての腰の骨折という試練を乗り越え、完全に復帰した心身を武器に、26年は日本アマチュアゴルフ選手権の制覇、そしてプロテスト合格をめざします。
名門進学と大怪我からの華麗なる復帰
クラブをはじめて握ったのは小学4年のころ。野球やサッカーなどスポーツ万能だった少年を魅了したのは、止まっているはずの小さなボールに当たらないという悔しさでした。「やってやるぞ」と負けず嫌いの心に火が付き、一気にゴルフへ熱中。中学校では体力づくりのため陸上部とゴルフ練習場を掛け持ちする過酷な日々を送り、努力の末に名門・大阪学院大学高校への入学を果たしました。
しかし高校1年の冬、飛距離を伸ばそうとトレーニングを行なっていた際に腰椎の疲労骨折というアクシデントに見舞われます。半年間の戦線離脱を余儀なくされましたが、学校のある吹田市内のスポーツ医療専門病院で、同じ怪我と闘う仲間や先生からの温かい励ましに触れました。このリハビリ期間が、小林選手にとって地元の愛情を深く実感する貴重な時間となりました。
大好きな地元の支援を得られる明治安田「地元アスリート応援プログラム」は、大学の監督に教えてもらって参加したそうです。同じ近畿でも地域ごとに気質は違い、京都府出身の小林選手は、「京都の人とテンションも違うし、(吹田の人は)話しやすい気がします」と、吹田の特長と温かさを語ります。
圧巻のベストスコアで関西学生を制覇
大怪我を経て、高校2年で競技復帰すると、コルセットを巻きながら関西ジュニアゴルフ選手権競技で全国への切符を獲得。翌年には同大会で優勝し、大学進学後の23年には早くも学生日本一の座に就くなど、怪我からの復帰から怒涛の勢いで成績を残し続けてきました。
そして25年7月には、関西学生ゴルフ選手権に出場。3日目を終えてトップと3打差という逆転のシチュエーションから、最終日に自身のベストスコアを叩き出して見事に優勝を飾りました。
「グリーンの速さと自分の感覚が完璧にかみ合い、ここに打てば入るという自信があった」と振り返る小林選手。同月の日本アマチュアゴルフ選手権では初日の出遅れを驚異的な追い上げで挽回し、3位入賞を果たしました。
年間を通じて試合期でもハードなトレーニングを欠かさず行なったことで、体重も筋力も落とさず、1年間を最高のコンディションで戦い抜くタフさを証明しました。
学生最終年の目標は、もちろんプロテスト合格
一方で、25年11月にドバイで開催された「アジアパシフィックアマチュアゴルフ選手権」では、世界の厳しい洗礼を受けました。はじめて訪れる中東の異なる芝質やグリーン周囲の環境に適応できず、思うようなスコアを伸ばせないまま悔しい結果に。しかし、この苦い経験が「グリーン周りのバリエーションをさらに増やす必要がある」という新たな成長の種になったといいます。
現在はプロの体格に対抗するため、サプリメントの摂取やカロリー、たんぱく質の管理を徹底し、さらなる肉体改造に励んでいます。また、大学周辺の再開発が進み、活気づく吹田の街並みを眺めるのも楽しみの一つ。大学近くのなじみの食堂では、まるで母親のようなスタッフに大学生活や試合の報告をするなど、4年生となった最後の学生生活を温かい地元の人々に支えられながら過ごしています。
25年に参加した明治安田大阪北支社のゴルフコンペでは、悪天候のなかでも写真撮影を行なうなど交流を深めました。そこで一緒にラウンドした参加者のひとりが吹田市内で焼き鳥屋を営んでおり、今でも大学へ応援に駆けつけてくれるなど、かけがえのない縁が生まれています。「たくさんの応援が明確な力になっている」と感謝を口にします。
26年の目標は、7月に控える日本アマチュアゴルフ選手権での優勝です。そして9月からは、いよいよプロテストとQTへの挑戦が始まります。「来年からはプロとしてツアーに参戦し、将来的には賞金王に輝くことが目標です。そこからアジアや世界最高峰の舞台へ挑戦したい」と力強く語る小林選手。見ていて誰もが釘付になるような魅力的なプロゴルファーをめざし、吹田から世界へと続く線路を真っすぐに突き進んでいきます。
(編集:4years.)