“耐えるゴルフ”ではじめてのプロテスト 一発合格をめざす
愛知県のアスリート、女子アマゴルフの松田雫選手(津田学園高校3年)は、4年連続中部ゴルフ連盟強化指定選手に選ばれている実力派です。活力源は、イタリア料理店を営む両親の手づくりの一皿。「最終的には芯の強いプロゴルファーになりたい」。そんな目標を掲げ、はじめて挑戦するプロテストでの一発合格をめざします。
新コーチとの出会いで体力・スイングが安定
松田選手は2022年8月、愛知県中学校ゴルフ選手権で優勝。23年10月には三重県高校ゴルフ選手権新人大会でも勝利を飾り、着実に実績を残しています。24年に入ってからも、1月のヨネックスジュニアカップ東海・北陸地区高校ゴルフ対抗戦の個人の部、5月には三重県女子オープンの一般の部でいずれも優勝と、要所要所で力を発揮しています。
好調を保っている要因として、24年4月から三重県に拠点を構える石井正家コーチに指導を受けていることがあります。これによって、体力面やスイングが向上し、結果につながりはじめたといいます。
3歳でゴルフに出合い 中2でホールインワン!
ゴルフとの出合いは3歳のころでした。父親の光司さんのすすめで、家の庭に張ったネットに向かってボールを打ちはじめます。小学校にあがると大会に出るようになりました。「地元の上級生の上手なプレーや真剣な姿を目の当たりにして、自分も見習って、ゴルフに打ち込むようになりました」と話します。
成長の過程で、父の存在がひときわ大きく思える時期がありました。中学のころ、トレーニングの一環として格闘技のジムに行き、ミット打ちで右手首から肩にかけての筋を痛めてしまったことがあります。3ヵ月ほどクラブを握ることもできず、ランニングなど、できることに励みましたが、父はいつも一緒に走ってくれました。
「できるかできないかではなく、やるかやらないかだ」。そう語る父の、有言実行な姿勢に教えられたといいます。
地元への思いは強く、中学2年のとき、全国大会でホールインワンを達成し、ホールインワンコンペを開催したことがあります。コロナ禍の平日なのに、自宅のある愛知県蟹江町だけでなく、周辺の津島市や愛西市などから、80人ほどが集まって祝福してくれました。
「小さい貢献かもしれませんが、ゴルフというスポーツを通じて、地元のみなさんにパワーを感じていただけるような選手になりたいです」
活力源は両親のお店の人気メニュー
両親はイタリア料理店を経営しています。土日などは特に忙しいのですが、時間をやりくりして試合の送迎などをしてくれる姿に、松田選手は感謝の念を忘れません。「両親や支えてくれる方々の気持ちに応えたくて、明治安田『地元アスリート応援プログラム』に応募しました。ゴルフの力で大好きな地元を元気づけ、自分の可能性も一層高める機会だと思ったんです」
両親のお店の人気メニューでもある「飛騨牛のカルパッチョ」が何よりの活力源です。そして試合前には、地元の名店で「ひつまぶし」を食べて、スタミナをつけます。
「本当にカッコイイ」宮里藍への憧れがモチベーションに
憧れは宮里藍さん。23年9月、「宮里藍インビテーショナル」に出場したのが忘れられない経験になったそうです。宮里さんは出場したジュニアの選手たちを気にかけ、名前を覚えてくれました。
「雫ちゃん、ナイスプレー」と声をかけられたときは、胸が高鳴りました。プロとして世界ランキング1位にもなった、輝かしい経歴の持ち主。人柄も温かいことが「本当にかっこいい」と感じました。
ただ、宮里さんを仰ぎみつつも、自分は自分、と地に足の着いた姿勢も忘れません。「最初から、あまり高い目標は立てないことにしています」と謙虚に語るのです。そのこころを聞くと、「目標を意識しすぎると、空回りしてしまいますし、オーバーワークになることもありましたから」と真面目な選手ならではの言葉で語ります。
時間があれば、テレビやYouTubeでプロの試合をみる。そんなゴルフ漬けの毎日です。「生活のなかでやらなければいけないことを欠かさずこなしていくこと」。そんな積み重ねが、目標達成につながる、と信じています。「あまりビッグスコアを出すタイプじゃないので、難しいコンディションでも耐えて耐えていく。そして得意なアプローチを寄せて、しっかりと確実にパーは取りたいです」
今年は、はじめてとなるプロテストを受験予定。「すべてにおいて合格ラインにはまだ達していないと思うので、心技体を今まで同様に磨いていきたいと思います」と語り、4日間という長丁場を「平常心でいられるように心がけていきたい」と意気込みます。得意のアプローチ、パターを駆使した“耐えるゴルフ”で難関を突破し、地元の声援を背にひたむきに今日もまた練習に励んでいきます。
(編集:4years.)
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