中国アマ最年少優勝!世界を見据える期待の中学生ゴルファー
岡山県のアスリート、男子ゴルフの三瀬瑛大選手(吉備中央町加賀中学校3年)は、持ち前のパワフルなスイングで注目を集める選手です。2025年は急激な体の成長痛に苦しみながらも、大人の強豪が集う中国アマチュアゴルフ選手権で史上最年少優勝を果たすなど、世界の舞台を見据えて大躍進を遂げています。
ゴルフの出合いと、同郷の大嶋選手への思い
三瀬選手がゴルフと出合ったのは小学3年のとき。家族がプレーしていたのをきっかけに競技をはじめました。クラブを握りはじめたころは、ボールが真っすぐ飛ばずに四苦八苦しましたが、同じ練習場で育った6歳年上のプロゴルファー・大嶋港選手の背中を追いかけ、攻めのゴルフを磨いてきました。
「『気持ちが足りないぞ』とよく言われます。びびるなって」
弱気の虫を追い払えるかどうかは、スコアにも影響します。がくっと調子を落とした時期もそうでした。中学1年のころ、得意のアイアンショットが思ったところに飛ばず、毎日、練習してもなかなか調子が戻りませんでした。
不調の原因が分からないまま、もどかしさを募らせていると、大嶋選手がいつものように声をかけてくれました。「『もっと自信を持て』って。あの言葉のおかげで、徐々に修正されていきました」
ボギーをたたくことを恐れず、果敢にバーディーをねらうのが三瀬選手のスタイル。本来の「攻めのゴルフ」を取り戻し、気持ちにも余裕が出て、視野が広がったそうです。常に自らに言い聞かせているのは、とにかく落ち着くこと。「状況判断が大事」と言葉に力を込めます。
そんな三瀬選手は、中学生大会でも国内トップクラスの成績を残し、地元の吉備中央町では知られた顔になっています。学校の行き帰りや練習場で、新聞などで活躍を見た年配の人たちから声をかけられるほどです。
「大会から帰ると、『いつも元気をもらっているよ』と言ってもらえてうれしいです。スクールバスの運転手さんも『頑張ってね』と励ましてくれます」
また、今では遠征が多く地元を離れる時間も増えましたが、家族の温かいサポートへの感謝は尽きません。
「僕がどんなに調子を落としているときでも、いつも近くで支えてくれる家族の存在が一番の原動力です」
祖父が作ったおいしいお米をたくさん食べて大きく成長した三瀬選手は、気の合う中学校の友だちとゲームの話をして盛り上がるなど、等身大の中学生らしい素顔ものぞかせます。
成長痛による苦悩のなか、最年少優勝の快挙
25年シーズンを振り返り「自分の思うような成果が出ない時期もありましたが、常にさまざまなことを試して失敗を恐れず継続したことが、結果に繋がった1年でした」と語る三瀬選手。
実は25年は、1年間で身長が165cmから174cmへと9cmも伸び、急激な体の変化に伴う成長痛やスイングの感覚のズレに苦しんだ時期でもありました。
大切な25年8月の日本ジュニアゴルフ選手権では思うようなプレーができず予選落ちを喫し、悔しさを引きずる日々が続きました。
しかし、その逆境のなかで地道な球数の打ち込みを行ない、継続してきた神社での「石段ダッシュ」などのフィジカルトレーニングが実を結びます。体力強化によって連戦でもパフォーマンスが安定するようになると、26年5月に開催された、大人や大学生、高校生が一堂に会する最高峰の大会、中国アマチュアゴルフ選手権で見事、大会史上最年少での優勝という快挙を成し遂げました。
「周りは年上ばかりで気持ちが負けそうになる部分を、強い気持ちで克服できました。3日間を通して大崩れすることなく、周囲の状況を見て冷静な判断ができたことは、大きな自信になりました」
一方で、上のカテゴリーの選手と回ることで「飛距離の差」という新たな課題も見つかりました。今後はスイングのデータ解析を行ない、自分の打った球と相談しながらさらなるレベルアップをめざします。
町長の言葉を胸に、岡山から世界へ羽ばたく
カテゴリーの枠を超えた活躍を経て、地元・吉備中央町での応援の声はいっそう熱を帯びています。 「成績が出なくて苦しいときにも、帰ってくると近所の方々が温かい言葉をかけてくださり、とても励みになっています。地元の自然豊かで美しい緑に囲まれる時間は、僕にとって一番のリフレッシュです」と語る三瀬選手。
25年には、明治安田「地元アスリート応援プログラム」の一環として、地元の町長を表敬訪問しました。大会結果の報告を行なうとともに、これからの競技生活に向けた大切なアドバイスをいただいたといいます。
「町長から『周りへの感謝の気持ちを絶対に忘れないこと』という言葉をいただき、改めて深く胸に刻みました。僕が地元に恩返しできるのはゴルフしかありません。これからも良い成績を残して、支えてくれる人たちに恩返しがしたいです」
26年7月には、25年に予選落ちを喫して悔しい思いをした日本アマチュアゴルフ選手権への出場が控えています。
「25年は行くだけで終わってしまったので、26年は絶対に予選を通過し、自分がどこまで通用するのかを確かめたいです」
高校生、そして大人へと階段を上っていくなかで、将来どんなアスリートになりたいかという問いに、三瀬選手は力強く答えてくれました。
「みんなが応援したくなるような、見ている人たちをワクワクさせて楽しませられるゴルファーになりたいです」
その先に見据えるのは、各年代で日本一の座に輝き、将来は世界最高峰のPGAツアーで活躍するプロゴルファーになるという壮大な夢です。
岡山から世界へ。夢を語る三瀬選手の表情は、希望に満ちています。
(編集:4years.)