コースに出られない冬を乗り越え 雪国の盛岡から世界で活躍するプロに挑戦
岩手県のアスリート、女子アマゴルフの中野舞子(まこ)選手(盛岡中央高校3年)は2023年の全国高校ゴルフ選手権秋季東北大会で3位に入り、24年の全国選手権春季大会に出場した期待の星です。北上川や雫石川が流れ、岩手山を見上げることができる盛岡市が大好きという中野選手。将来は海外でも活躍するゴルファーになりたいと意気込んでいます。
はじまりは河川敷のショートコースから
中野選手がゴルフをはじめたきっかけは、小学1年のころ、父の康行さんが自宅でゴルフの素振りをしているのを見て面白そうだなと思ったからです。最初はプラスチック製のおもちゃのゴルフクラブを買ってもらい、その後、ジュニア用のクラブを買ってもらいました。はじめてゴルフ場に行ったのは小学2年のときで、近くの河川敷にあるショートコースでした。「クラブに球が当たると飛んで、自分の思いどおりの方向に打てたのがすごく楽しかったです」
県内の大会に出場するようになり、中学に入っても練習を続けました。ゴルフ練習場のほか、近所の人がゴルフ練習場に整備した場所を使わせてもらい、アプローチやパットの練習をしました。中学3年のとき、全国中学校ゴルフ選手権東北大会で3位に入り、はじめて全国大会に出場します。「行く前はどんな感じかとワクワクしていたのですが、いざ試合がはじまると、みんな強そうな子たちばかりで緊張したのを覚えています」。結果は66位。「全国での自分のレベルが分かり、まだまだ実力を上げられると実感しました」
高校はゴルフ部のある盛岡中央へ。卒業生には24年の男子プロツアー・中日クラウンズで優勝した米澤蓮選手もいます。中野選手は1年のときから高校の全国大会に出場しました。「全国大会に出る度に、やっぱりショット力を上げる練習を増やさなくてはと思いました」
中学時代は週2~3回だったショット練習を週5~6回と倍に増やしました。また、雪国の盛岡では冬はゴルフコースに出られないため、ジムでのウェートトレーニングで体幹や腹筋、背筋などを鍛えています。冬の間にスイング改造にも取り組みました。それらの効果か、飛距離が伸び、コースで前下がりなど傾斜がある場所からのショットも自信を持って打てるようになりました。
23年10月の全国高校ゴルフ選手権秋季東北大会では、ショットが良く、ピンから3~4メートルにつけたときに、集中してバーディーパットを決められました。「一打一打に集中して、パターも思いどおりに打てました」。3位の好成績を残せました。
苦しいとき、父のアドバイスが支えに
苦しいときに支えになったのは、康行さんのアドバイスでした。「悔しい結果に終わったときに父は、なぜこんなスコアになったのかと言うのではなく、これからどんな練習をしていけばいいかとアドバイスしてくれます。気持ちを切り替えてすぐに練習に取り組めます」。康行さんは中野選手が本格的に競技に取り組むようになってからは、趣味だったゴルフをやめてサポートに回りました。
中野選手は高校生になってから女子プロトーナメントの予選会や主催者推薦選考会に出る機会に恵まれました。「試合数が増え遠征費やプレー費などの負担が増えていると感じます」。地元の盛岡市に貢献しながら自分の夢であるプロになるためにサポートを受けられる明治安田「地元アスリート応援プログラム」に応募したといいます。
地元で好きな場所は通学路にあり雫石川にかかる太田橋です。「盛岡は自然がきれいで川がいっぱい流れています。太田橋から見える風景、岩手山もきれいに見えてすごく盛岡を感じます」。途中で自転車を止めて岩手山を眺めることもあります。好きな食べ物は「しょうゆ団子」。「小さめの団子が串に刺さって醬油がつけてある感じ。全国で売っていると思っていましたが、この味や食感は盛岡にしかありませんでした」。学校の帰りはコンビニではなく団子の店に寄ってしまいます。
そんな中野選手の目標は世界で活躍するプロゴルファーです。「高校を卒業してからは関東のゴルフ場で研修生として働きながら、コースで練習させて頂いて、実力をつけていきたい。盛岡では冬にコースに行けないので、芝の上で練習して実力を上げるのが一番プロになる近道。覚悟を持っていこうと思います」
岩手県内のアマチュア女子ではナンバー1との呼び声が高い中野選手。もう一段のステップアップをめざします。
(取材・制作:4years.)
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