アメリカでの大きな経験を得て、ついにプロテスト初挑戦!
愛知県のアスリート、女子ゴルフの中山凜花選手(ルネサンス豊田高校3年)は、2025年の世界ジュニアゴルフ選手権15~18歳で日本代表に選ばれ、全米ガールズジュニア選手権にも出場しました。26年にははじめてのプロテスト挑戦を決意。大きな勝負を迎える高校ラストシーズン、本番に向けて着々と調整を続けています。
はじめての大会はブービー賞 中学で世界へ
中山選手がゴルフをはじめたのは、父・敏行さんの影響で、3歳上の姉・心音さんの練習についていった7歳のころです。「楽しそうだったので、一緒にするようになりました」。小学4年生の4月、はじめて出場した県小学生ゴルフ大会では、最下位から2番目になってしまい、「優勝するためにはどうしたらいいの?」と敏行さんに聞くと、返ってきた答えは「毎日練習しなきゃいけないよ」。
それからは練習の毎日です。平日は小学校が終わってから地元のゴルフ練習場へ通い、学校のない日はコースに連れていってもらいました。すぐに結果は出はじめ、4年生の3月にあった世界ジュニアゴルフ選手権日本代表選抜大会の西日本ブロック決勝9~10歳で3位入賞。小学6年生のときの県小学生ゴルフ大会では見事優勝を果たしました。
中学生になっても勢いは続きます。1年生の3月にあった世界ジュニアゴルフ選手権日本代表選抜大会の西日本ブロック決勝13~14歳で2位に食い込み、代表入り。2年生の7月に米カリフォルニア州であった本大会では4位と結果を残しました。その年は県中学生ゴルフ選手権競技や全国中学校ゴルフ選手権中部地区予選なども制します。
失意のけがを経て、「量」から「質」の練習に
しかし、2年生の終わりからはつらい時期が続きました。3月にあった全国大会で左足首をねんざしてしまい、1ヵ月間の休養。練習再開後、遅れを取り戻そうと1日200~300球打つ練習に加え、「みんなに追いつかなきゃ」とバットも振っていると、今度は腰を負傷しました。成長期にある初期の腰椎(ようつい)分離症と診断され、高校に入ってからも腰の調子は一進一退。4月に中部日本女子アマチュアゴルファーズ選手権で優勝したものの、腰痛が再発し、全日本女子アマチュアゴルファーズ選手権の欠場を余儀なくされました。
腰の痛みが長引くなか、中山選手は考えを変え、練習を「量」から「質」に転換します。以前は1日に何百球も打っていましたが、50球に制限。その代わり、自分が弱点だと思ったクラブに絞って、一球一球、試合中の場面を想定して打つようになりました。
テークバックも腰を反るように体をひねるのではなく、体の柔らかさを使ってひねるスイングに改造。ストレッチに時間をかけ、柔軟性向上にも取組みました。今ではドライバーの平均飛距離が250ヤードとプロ選手にひけをとらないほどです。
少しずつ成績を取り戻し、高校1年生の12月、全米ガールズジュニア選手権のハワイ予選会出場がかかる大会で優勝を飾ると、25年2月の県高校ゴルフ選手権春季大会でも優勝。3月の世界ジュニアゴルフ選手権日本代表選抜大会西日本決勝15~18歳では準優勝し、世界大会への出場権を得ました。
アメリカでの試合で得た自信と課題
全米ガールズジュニア選手権のハワイ予選も突破し、世界大会への出場を果たした中山選手は、決勝大会で世界中から集まった並み居る強敵相手に善戦。ストロークプレー部門で2位タイとなりました。参加選手も多く、レベルの高い試合で好成績を収められたことは、自信になったと言います。
また、その大会では、日本の選手と全く違うゴルフを目のあたりにしたそうです。身長172センチの中山選手ですが、アメリカでは同じような身長の子、ドライバーの飛距離が飛ぶ子は多く、日本でアドバンテージになっていたことが向こうで平均レベルとなってしまいました。
「日本の選手のゴルフはけっこうカチッとしているというか、曲げないで安心安全のマネージメントのゴルフをする人が多いのですが、アメリカではとにかくガツガツ行くんです。パターとかもショートすることは絶対ないし」
2位タイとなったストロークプレーの後は、別部門としてマッチプレーがあり、ストロークプレー60位台の選手に負けてしまいました。「『絶対に負けない!』という強い気持ちに押されてしまいました。メンタル面で負けたのだと思います」
うれしい結果と悔しい結果が両方あった25年の全米ガールズジュニア選手権。振り返ると悔しい部分が大きな糧になっているようです。
「ショートパットを外さないようになりました。それまでは『外したらどうしよう』というネガティブな気持ちが強くなって、本番では緊張した場面になればなるほど入らないことが多かったのですが、海外選手の『絶対に入れるぞ!』と気持ちで入れるようなプレースタイルを見習って気持ちを強く持つようにしています」
帰国してすぐ出場した中部ジュニアゴルフ選手権競技では、さっそくその成果が出て優勝できました。やはりアメリカで2位になったという自信と、自分に足りない部分を見つけられたことが大きかったそうです。
地元の声を胸に 目標はプロテスト“トップ合格”
25年に続き明治安田「地元アスリート応援プログラム」に応募した理由を伺うと、「名古屋南支社主催のゴルフ会に参加させていただいたとき、みなさん優しくて『応援しているよ』という声をたくさんいただきました。すごく素敵な雰囲気で、こちらのほうも心温まるコンペで、地元の大切さを感じ学ばせていただきました。それからさらに地元に貢献したいという気持ちが強くなり、再度応募させてもらいました」とのこと。
地元のお気に入りのお店は、名古屋市西区にある寿司の名店「鮨井(すしせい)」。試合で成績を出したときにご褒美に連れていってもらえるため、試合に臨むモチベーションのひとつになっているそうです。「特にマグロとウニが大好きです!」
そして26年は、はじめてのプロテストに挑戦するとのこと。目標は、単なる“合格”ではなく“トップ合格”です。25年はトライアンドエラーの年だったという中山選手。その積み重ねが徐々にスコアに現れているそうで、今はプロテストに向けて調整に入っている段階だと言います。
「アメリカの女子プロツアーでキャリアグランドスラム!」という大きな夢を抱き、日々の練習に取り組む中山選手のこれからに要注目です。
(編集:4years.)