北海道が生んだ飛ばし屋 目標はプロテスト合格、そしてその先へ
北海道のアスリート、女子アマゴルフの西澤里世選手(GOLF5カントリー美唄コース所属)は2022年の北海道女子アマチュアゴルフ選手権優勝という実績を持ち、260ヤード超えの飛距離が武器の注目株です。冬場にラウンドができない環境でも歩みを止めない彼女の瞳には、プロテスト合格という明確な目標と、それを実現させる固い決意が宿っています。
競技をはじめたきっかけは「ホールインワン」
小学3年の頃にゴルフをはじめた西澤選手ですが、競技との出合いはその2年前までさかのぼります。ある日、近くのパークゴルフ場でプレーし、大きなボールを木のクラブで打ってみると……。「なんとホールインワンになったのです。それが本当に気持ち良くて大騒ぎしてしまいました」
このときの高ぶりが忘れられず、「ゴルフをやってみたい」と両親に訴え続けます。2年ほど後、晴れてゴルフ教室に通うようになり、どんどんその奥深さに魅せられていきました。「やればやるほどテーマが見えてくるのです。雨のとき、風が吹くとき、クラブや打ち方が一回一回違います」
その後、14年と17年には北海道ジュニアゴルフ選手権競技で優勝。ツアープロの内藤裕之コーチからも指導を仰ぐようになり、着実に地力をつけていきました。
雪がよく降る北海道では、冬場の練習に苦心しています。それでも雪に向かって打ったり、月に何回か本州に出かけて練習したりと、工夫を重ねてきました。本州のゴルフ場に住み込みで働き、練習をしたこともあるといいます。「ハンディと言ってしまえばハンディですが、自分なりの鍛え方次第で強くなれる、と私は信じています」
身長165センチと体格に恵まれ、260~270ヤードの飛距離が武器の西澤選手。現在は筋力トレーニングに力を入れ、みっちり強化をはかっています。日に1時間半以上に及ぶこともあり、そんなときは足がぶるぶる震えるほど。その効果としてパワーアップだけでなく、ショットにも安定感が出てきました。
広がった挑戦の幅 心の安らぎは地元北海道
北海道から全国各地の試合へ出場するには、遠征費が大きな負担となっていました。そんななかで彼女の目に留まったのが、明治安田「地元アスリート応援プログラム」でした。「結果を残すことで地元にも貢献ができる、このプログラムのご支援をいただくことで、いっそうゴルフに打ち込みたいと思います」
24年からはプログラムの支援を受け、タイと韓国への遠征が実現。「出られる試合も限られていたのが、練習ラウンドを複数回できるようになったり、その場を選ばずに挑戦したり、はじめて海外にも行けたりと、すごくいい経験をさせていただきました」
刺激的な競技生活と対照的に、心の安らぎをもたらすのは地元北海道です。「遠征で疲れても札幌に帰れば、ぼーっとしているだけで落ち着いてくるのです」と語るように、大通公園での散歩も癒やしのひととき。北海道の土地柄を活かしたバーベキューも大好きで、試合前には羊肉などの焼き肉でスタミナをつけます。
明治安田が開催する地元イベントにも積極的に参加しています。シミュレーションゴルフを通じ、参加者との交流を楽しんだ西澤選手は、「すごく応援していただき、頑張ろうと思いました」と新たな意欲をにじませました。
「データ分析」で不調脱却 今後の戦いに自信
一番の目標は「プロテスト合格」。しかし、その道のりは決して平坦ではありません。24年は1次予選敗退を喫し、深く落ち込んだ時期もあったと打ち明けます。「本当に調子が悪く、もう打つのが怖かったんです。全然ダメで」
しかし、プログラム参加後に不調脱却の転機が訪れます。その鍵は「データ分析」という新たな視点でした。感覚頼みの練習から一転、数値データを詳細に分析し、それに基づいたスイング改造を行なっています。より客観的に自身の課題を捉えられるようになり、「もう今年は大丈夫そうです」と自信をのぞかせました。
そんな西澤選手が目標とするのは、同じ北海道出身の小祝さくらプロです。子どもの頃から慕ってきた4歳年上の選手で、「プロになって注目されるようになっても変わらずに接してくれる、優しい先輩です。いつも謙虚な姿勢に加え、崩れない安定したプレーぶりにも憧れます」
早朝から夜9時頃まで、ゴルフとトレーニングに打ち込む西澤選手。ハードな日々を支えるのは、プロテスト合格、そして世界で活躍するプロゴルファーになるという夢への強い気持ちに他なりません。その実現を信じ、西澤選手は今日もひたむきに練習場へと向かいます。
(編集:4years.)