跳馬を極めて世界をめざす 輝く瞳で魅了する体操界のホープ
東京都のアスリート、体操の大久保さや選手(池谷幸雄体操倶楽部)は、飽くなき探究心を持ちながら、日々練習に打ち込んでいます。原動力になってきたのは、新しい技ができるようになるたびに得られる大きな達成感です。試行錯誤を続けながら、好きな種目の跳馬を極め、世界大会での活躍をめざしています。
メダル獲得後、さらなる高みをめざす
大久保選手が体操選手の道を考えはじめたのは小学3年のときです。水泳教室に通っていたものの、どうしても水泳が好きになれず、代わりに体操教室に通うことに。新しい技を習得するたびに達成感が生まれ、「もっと難しい技を習得したい」と「池谷幸雄体操倶楽部」の門を叩きました。「平均台や段違い平行棒などの用具が充実していて、いろんなことにチャレンジできそうでワクワクしました」と明かします。「当時、活躍していた村上茉愛選手に憧れていたことも、本格的に競技をはじめるきっかけでした」
はじめて大会に出場したのも小学3年のとき。「演技することに精いっぱいで、自分の番はあっという間でした」。緊張しながらも、「もっと良い演技をしたい」という気持ちが高まり、入賞をめざして練習に励みました。その結果、5年のときに出場した東日本大会の跳馬でメダルを獲得。「結果を出せたことがすごくうれしかったです」と振り返ります。
さらに上をめざすべく、大久保選手は自主的にトレーニングの量を増やしました。「最初は疲れも相当ありましたが、続けているうちに無理なくこなせるようになりました」。練習は週6日で1日5時間。勉強と両立させるために、授業で十分に理解できないことはすべてメモを取り、練習後には、自宅での復習も怠らない努力家です。
家族は毎日の食事でサポート。「去年(2023年)、平均台で着地するときに靱帯を損傷してしまい、1ヵ月くらい動けなかった時期がありました。その間も、コラーゲンたっぷりのスープをつくってくれたし、普段はタンパク質を多く取り入れたメニューを用意してくれます」
療養期間中も、一日も早い復帰を目標に筋肉強化の自主練は欠かしませんでしたが、世界の舞台で活躍するためにも、憧れの楠元妃真選手が出場する大会やYouTube動画などをチェックして、イメージトレーニングも重ねているといいます。
活躍して自然豊かな地元の魅力を伝えたい
そんななか、コーチからの紹介で明治安田「地元アスリート応援プログラム」を知り、「私も体操で地元に貢献したい」と応募を即決。「プログラムを通して私のことを知ってくれた人に、演技で元気を与えられたらすごくうれしいです」と笑顔を見せます。
クラブがある小平市の魅力も、多くの人に知ってもらいたいという大久保選手。「私が特に気に入っているのは、『桜のトンネル』と呼ばれている『小平グリーンロード』です。季節の植物がいっぱいの散歩道で、特に桜が咲く季節はとてもきれいです。クラブに通いはじめたときからお気に入りの場所で、私も毎年、春が楽しみです」と話します。
コロナ禍の外出自粛中に自主練で利用した「小平市立中央公園」も大好きな場所。「敷地内を走ったり、トレーニングしたりした思い出もありますが、遊具も豊富なので、友だちと遊ぶのにもぴったりです」
明るい性格で誰とでも仲良くなれる大久保選手。学校の体育の授業では、お手本を披露することもあるそうで、「友だちに『すごいね』と言ってもらえると、もっと頑張ろうという気持ちも高まるし、自分が活躍することで感謝の気持ちを返したい思いも強くなります」と教えてくれました。
目下の目標は、「東日本ジュニア体操競技選手権大会」の予選を通過して、「全日本ジュニア体操競技選手権大会」に出場すること。同時に、中学校の都大会、関東大会を経て、全国中学校体操競技選手権大会に進出することもめざしています。
好きな種目は跳馬 一瞬の表現に注目してほしい
「世界の舞台をイメージするときに意識するのは、レベッカ・アンドラーデ選手。彼女のように、見る人を魅了できる演技がしたいです。また、自分が一番好きな種目の跳馬も極めたいです」。そう話す大久保選手に跳馬の魅力を尋ねたところ、「演技時間が短いから、一瞬のなかでいろいろ考えることが必要。想像どおりに動けないこともしょっちゅうだけど、できなかった経験を活かして理想に近づいていく時間は本当に楽しいです」と顔をほころばせます。
世界大会での活躍の先の未来は、指導者となって地元に貢献したいと明かしました。旺盛な好奇心をたたえて輝く瞳が印象的な大久保選手。その道中でも、多くの人に元気と勇気を与えてくれるはずです。
(取材・制作:4years.)
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