みちのくの期待を背に 「人見知り」は情熱でカバー
青森県のアスリート、男子ゴルフの小山田遼雅選手(八戸市立下長中学校2年)は青森県八戸市で生まれ育ち、青森県や東北地方で常に上位を争う有望選手です。県の強化指定選手にも選ばれて、地元からの大きな期待を受けています。
スイングの楽しさに心奪われて
トップレベルで争う選手としては、ゴルフのスタートはやや遅い方でした。
最初に親しんだスポーツは水泳でした。小学校に入るとスイミングスクールに通うようになり、しばらくすると競技性が強くなるアスリートコースへの加入を打診されましたが、練習時間や日程が変わることから、あまり気が進まなかったといいます。
ゴルフに出合ったのは、そんなときでした。6歳年上の兄・泰雅(たいが)さんは、祖父の影響でゴルフをするようになっていました。その兄の練習についていき、試しにクラブを振ったところ、「球を打ったりスイングしたりすることが楽しくて、夢中になっていました」と心をつかまれました。はじめて出た大会でも、参加は5人ほどながら優勝し、さらにゴルフにのめり込むようになっていきました。
ただ、小学校4年ではじめて出場した大きな大会では、壁にぶつかりました。「緊張からか、シャンクと呼ばれるミスショットがたくさん出てしまいました」。地元に戻り、当時習っていたレッスンプロに指導を受けて、自分のスイングを取り戻すまでに1週間ほどかかったそうです。
「緊張」という壁にぶつかっても
苦手なことでも、ゴルフのためなら頑張れます。「仲が良い人としかしゃべれないので、もう少しコミュニケーション能力を上げたいです」と自己分析しますが、県ゴルフ連盟の強化指定選手として臨んだ沖縄合宿では、コーチに自ら指導を仰ぎました。ゴルフへの情熱が苦手意識を上回りました。
県や東北では優勝などの好成績をコンスタントに出せますが、全国大会ではまだ上位に食い込むのは難しい状況です。全国の舞台では「緊張して、大事な場面でいつもどおりに打てなかったこともあります」と、まだ難しさを感じているそうです。それでも「レッスンで一つ言われた点がよくなるまで練習します。その繰り返しですね」と、地道な努力で乗り越えようとしています。
愛情ラーメンは心強い「地元パワー」
地元に支えられて、成長を続けています。小学校のころは週に1回ほどだったレッスンの回数を減らし、ほぼ毎日練習場でクラブを振ります。練習場まで送ってくれるのは、おばあちゃん。学校が終わると自宅より近くにある祖母宅へと向かい、車で送ってもらうそうです。
北国だけに、冬場は室内練習場などでトレーニングに励んでいます。試合がない時期でもラウンドするため、県外まで遠征するそうです。今回、両親の紹介で知ったこの明治安田「地元アスリート応援プログラム」に応募したのは、「家は決して裕福ではないので、支援していただけたら練習環境をよくしたり、大会への参加数を増やしたりできるんじゃないか」と考えたからだそうです。
天性の飛ばす力を活かすには、器具を使って打球の回転軸や回転数などを計測し、修正していくことが効果的だそうです。そうした弾道計測器は高額なので、支援によって手が届けば、成績向上の大きな助けになるでしょう。
他にも心強い「地元の力」があります。月に2、3回は通うという地元のラーメン店「麺山」です。同店の「こってりした豚骨しょうゆラーメンが好きです」といい、遠征した際にはお土産を持っていくそうです。疲れた体には、店主の愛情のこもったラーメンと「頑張って」という応援の言葉が、なによりの癒やしになっているでしょう。地元アスリートとして「応援してくれている人に楽しんでもらえるように頑張りたいと思います」と気持ちが高まります。
26年地元開催の国スポで「活躍したい」
24年は、目標だった全国大会の予選通過をすべて達成しました。次は、中学生のうちに日本一になることをめざしています。
中学校最終学年となる26年には、大きなイベントもあります。地元である青森県が、国民スポーツ大会の開催地となるのです。「地元で国スポが開かれる年に、ちょうど出場可能な年齢になります。だから、その大会に出て活躍したいなと思っています」。その次は、高校生になっての日本一、さらにその先には「海外の試合で優勝したい」という夢があります。県内の他地域と比べても「テンションが高い印象」という八戸市を、地元の星としてさらに盛り上げていくつもりです。
(編集:4years.)