2025年の経験を糧に、大きな目標へ向かう
宮城県のアスリート、女子ゴルフの櫻井梨央選手は、日本大学在学時には日本女子学生ゴルフ王座決定戦で優勝するなど目覚ましい活躍をしました。現在は、地元に戻ってゴルフ場での仕事をしながらプロゴルファーをめざして日夜練習に試合に取り組んでいます。
東北ジュニアを制しゴルフの名門日本大学へ
櫻井選手がゴルフをはじめたのは小学4年生のころ、ゴルフ好きの父や祖父母のラウンドに加わるような形でした。はじめて出場した宮城県の大会では120打前後の成績でした。「優勝した子は80打くらいで回っていて衝撃を受けました。こんなにうまい子がいるんだと」
それからは猛練習です。週1回のレッスンにとどまらず、毎日300球ほど打ちこみます。6年生のときに宮城県ジュニアゴルフ選手権で優勝。中学に入っても部活動の代わりに、学校から帰るとゴルフ練習場に行くような毎日でした。3年生では東北ジュニアゴルフ選手権で優勝しました。
高校はゴルフの強い茨城県の明秀学園日立高校に進みます。寮生活を送り「自分の人生のなかで一番大事な3年間だった」と言います。女子の同期6人のうち、2人がすでにJLPGA(日本女子プロゴルフ協会)のプロゴルファーになっています。1人は3年生でプロテストに合格し、2024年の「スタンレーレディスホンダゴルフトーナメント」でプロ初優勝をあげた佐藤心結選手。もう1人は日本大学進学後に日本女子学生ゴルフ選手権競技で優勝、最終プロテストで合格した小暮千広選手です。櫻井選手も高校3年生のときにプロテストを受け2次予選まで進みましたが、1打差で最終テストに進めませんでした。
櫻井選手はゴルフの名門の日本大学に入学します。「次の年のプロテストを受けることも考えましたが、自分のなかに不安があって、大学のコーチと話して進学することにしました」。同時期に進学した小暮選手と一緒に団体戦を経験したり、間近で小暮選手のプロテスト合格を見たりして刺激を受けました。
成長と失意を実感した25年
日本大学進学後、2年次、3年次には日本女子学生ゴルフ選手権や日本女子学生ゴルフ王座決定戦などで好功績を収めるなどの活躍を見せていた櫻井選手でしたが、ゴルフへの思いはさらに強くなり、「大学の授業は大事だけど、その時間も練習にあてたい! 退路を断ってゴルフに打ち込もう」と、大学をやめる決断をしました。現在は、すべてをゴルフに打ち込めるようにと地元に戻り、ゴルフ場での仕事をしながらショットやパター練習、そしてラウンド練習に日夜取り組んでいます。
25年は、成長を実感するとともに失意も感じた年となりました。5月に行なわれた東北女子アマチュアゴルフ選手権では、その直前までなかなか調子が上がらず、自分でも「予選の通過すら危ういかも」という感じだったとのことですが、結果は見事優勝。調子が悪いという自覚がより丁寧なゴルフを心がけさせ、いつにも増して集中してプレーができたことが結果につながったのではないかと自己分析しています。
そして、その翌月には日本女子アマチュアゴルフ選手権でも3位という好順位でフィニッシュしました。ただ、この結果に対して、本人的には満足している部分もあれば、優勝を逃してしまったという悔しさも残っているそうです。「最終日の前半を首位で終えたのですが、全国大会でその位置に立って戦ったことがなかったので、ちょっと浮ついたといいますか、集中しきれたなかったかな」と、今でも後悔が頭のなかを巡ることがあると言います。
さらに、その翌7月からは、高校3年次以来の2回目のプロテストに挑戦しました。1次予選、2次予選を上位で通過し、いよいよ最終テスト。上位20位以内に入れば晴れてプロの仲間入りとなる大事なテストです。最終日の前半9ホールを終えた時点では、トータル2アンダーだったので後半9ホールをパープレ−でしのげば通過が可能な順位でした。しかし、その後半最初の10番ホールで、イージーミスからボギーを打ってしまい、焦りが出てしまったそうで、「あっ、やばい。ここからまた攻めてバーディーを取っていかないと!」と思い、荒く攻めてしまったあげくミスの連鎖が続き、後半9ホールだけで5オーバー。終わってみると、トータル3オーバーで合格ラインに3打及ばなかったという、後悔がすごく残る結果となってしまいました。
地元と家族が支え 念願のプロをめざして
プロテストが終わりシーズンオフに入ってからは、シーズン中になかなかできなくてそれが飛距離にも影響してしまったという筋力強化に取り組んだり、高名トッププロである馬場ゆかりプロのゴルフ合宿に参加したりと、25年に痛感した、プロになるためにまだまだ必要なこと、フィジカルやメンタルを見つめ直しているそうです。
トレーニングが辛いときは、母親の友人が経営している牛たん屋の大好きな牛タンを食べるようにしているそうです。「また頑張ろう」という気持ちが湧くと言います。また、やっぱり地元は知り合いが多くて、「頑張ってね。応援しているよ」という温かい声もたくさんかけてもらえているそうで、落ち込んでいるときでもそういう声を聞くと、「応援している人のためにも頑張ろうって思います」と気持ちも新たになるそうです。
また、実家に帰ったことで、両親とも話す機会も増え、「不安なことやストレスのあるときに思っていることを話したりすると、特にアドバイスをくれるというわけではないのですが、優しく聞いてもらえるので、とても気分が和らぎます」
26年の目標は、まずは25年に3位で終わって日本女子アマチュアゴルフ選手権での優勝と、その流れからの日本女子オープン選手権本戦への出場、そして、もちろんプロテストの合格です。
25年の経験と思いを糧に、勝負の一年に挑む櫻井選手、26年の冬には大きな笑顔が見られることを、地元の誰もが期待しているはずです。
(編集:4years.)