プロテストは一発合格目標 キックボクシングで取り戻した飛距離
京都府のアスリート、女子アマゴルフの佐々木史奈選手(同志社大学4年)は2023年の日本女子アマチュアゴルフ選手権競技で4位タイに入った有力選手です。実家から通う大学ではゴルフ部の女子主将として仲間を引っ張ってきました。25年、初のプロテストに挑みます。目標は一発合格です。
高校は岡山へ 「死ぬ気でゴルフやります」
佐々木選手は小学4年でゴルフをはじめたとき、あまり乗り気ではありませんでした。習い事をたくさんやっていたからです。ピアノ、水泳、卓球、ダンス、手芸、バレーボール。学習塾にも通っていました。「習い事は放課後、友達とドッジボールなどをしてからで、しっかり遊んでもいました。ゴルフはスクールにも通ったけど、親にやらされていた感じでした。ただ、練習はメチャクチャやりました」
中学では「部活に入らないと友達ができない」と、父の反対を押し切って、いったんゴルフを離れ、バレーボール部に入ります。でも、常にレギュラーで試合に出ていたわけではありませんでした。3年生最後の試合の後、「もう1回だけゴルフの試合に出てみようかな」と思い立ちます。1ヵ月弱練習して、夏にJJGA(日本ジュニアゴルフ協会)の大会の地区予選に出場しました。スコアは4オーバーの76。久しぶりの個人競技は楽しく、「私、意外とできるやん」と思ったそうです。
このとき、一緒に出場した選手が、小学校時代の大会で佐々木選手と仲良くなった岡山県の友人に「史奈ちゃん、またゴルフはじめたみたいよ」と伝えます。この友人は久しぶりに佐々木選手に連絡してきて、「岡山の高校で一緒にゴルフやらん? ゴルフ部の監督さんは良い人やし」と誘ってきました。その気になった佐々木選手は父に「プロをめざして、死ぬ気でゴルフやります」と岡山行きを懇願しました。父と岡山の高校へ見学に行き、監督とも会い、誘ってきた友人と一緒に岡山での寮生活がスタートします。
大観衆の大会を経験 メンタルの弱さ克服
高校時代の印象深い試合は、3年生だった21年5月、広島県であった中国女子アマチュアゴルフ選手権競技で優勝したことです。大会2日間の両日とも15メートルのロングパットが決まり、トータル3アンダーの141。大学生になってからは23年6月の女子アマ日本一を争う日本女子アマチュアゴルフ選手権競技が記憶に残ります。初日は何度もバーディーを決めて1位タイ。4日間を終えて首位と2打差の287で4位タイでした。
好成績にもかかわらず、佐々木選手は両大会ともに後半、守りのゴルフをしていたと振り返ります。「日本女子アマは2日目から攻めきれなかった。心が強い人なら、もっとバーディーを取りにいくと思う。私は試合になるとパターがうまくいかなくなるメンタルの弱さが出てしまう」といいます。
そんな弱点を克服するきっかけとなったのが、同年秋の日本女子オープンゴルフ選手権です。2次予選をへて、本選に出場。本選は最終日までは進めませんでしたが、良い経験になりました。「観客数がものすごくて、それまでで一番緊張しました。こんなところで戦うプロってすごいなと思いました」。直後の京都レディースオープンでは、大観衆の経験がいき、リラックスできたそうです。「22年の前回出場では緊張して、自分のゴルフができなかったけれど、このときは良い内容でした」といいます。
しかし、別のピンチが訪れます。この京都レディースの練習ラウンドで痛めた背中の状態が悪化し、約3ヵ月間ゴルフができなくなりました。復帰後の試合でも成績を残せません。負傷前、260ヤード飛ばしていたドライバーは220ヤードまで落ちてしまいます。「今まで練習でたくさんショットを打つタイプだったけれど、一本一本の質を考えて打つように改めました」
岡山の寮で一緒に暮らした選手が以前、キックボクシングで下半身を鍛えていたことも思い出しました。25年2月からはジムでサンドバッグを蹴り、ミット打ちもしています。ティーショットは250ヤードまで復活。佐々木選手は「体幹が強くなって、また思いどおりにクラブを振り、ボールもねらったところへ運べるようになりました」。
心が落ち着く嵐山 感謝の気持ちとともに
プロテストは高3ではじめて挑む選手もいますが、大学でのプレーを優先してきました。25年の初受験を控え、「やってきたことをきちんとできれば、結果はついてくると思います」と胸をふくらませます。
そんな挑戦を後押しする明治安田「地元アスリート応援プログラム」には、明治安田と接点がある人の知人である大学ゴルフ部のOB・OG会長が佐々木選手を推薦してくれました。佐々木選手は「地元での活動を支援してくれるのは温かいなと感じます」と感謝の気持ちを示します。
好きな場所は、京都市内の自宅から自転車で行ける嵐山です。カフェに入ると、心が落ち着きます。良かった試合の後は車折神社にお参りして、応援してくれた神さまにお礼をいいます。「みんなから応援されて、ゴルフ以外でも憧れられるような選手になりたいです」
(編集:4years.)