大学進学でさらに進化 未来の賞金女王をめざしプロテスト合格へ
東京都のアスリート、女子ゴルフの髙田嘩琳(かりん)選手(駒澤大学2年)は2022年10月、「日刊アマゴルフ全日本女子大会」で優勝を果たした実力派です。大学1年生だった25年は日本女子学生ゴルフ王座決定戦でストローク戦5位、マッチプレーベスト16と結果を残しました。JLPGAツアーで賞金女王を夢見る彼女は26年、プロテスト合格を目標に日々の練習に励んでいます。
母へのプレゼント宣言がプロをめざすきっかけに
ゴルフとの出合いは幼いころ。時折、父親の綾太さんの手ほどきで遊び感覚で親しんできたといいます。小学4年のとき、テレビのゴルフ中継を見ていて、副賞の車の鍵のオブジェを母が「欲しい」と言うと、「私がプレゼントする!」と髙田選手が言い出したのです。自分のなかで何かが変わったきっかけでした。以来、コーチでもある綾太さんとともに、奮闘が続いています。
「最速でうまくなるのではなく、遠回りしても『強いゴルファー』になるにはどうしたらいいのかをテーマに取り組んできました」。綾太さんは、そんな指導方針を語ります。そのうえで「ある程度基礎ができればうまくはなれるのですが、強さはそのレベルにくるまでにどれだけ経験を積めているかが大事」と精神面の鍛錬を重視してきました。
髙田選手も「いつも気持ちをしっかり持っていたい。スコアを落とすことがあっても、平常心で臨むことを心がけています」と話しています。団体競技を経験しようという思いもあり、中学時代はバレーボール部の活動にも打ち込みました。
地元応援プログラムに参加し、初の海外遠征へ
高校からゴルフ部に入ると、大きな転機が訪れました。1年のときに「日刊アマゴルフ全日本女子大会」で優勝を果たし、JLPGAツアーの一つである「大王製紙エリエールレディスオープン」にも出場できたのです。結果は予選落ちしてしまったものの、初日は思い描いたショットが決まる場面もありました。「頑張ればJLPGAツアーの舞台でも力を発揮できる」と手ごたえをつかんだそうです。
成績が伸びてくると、出場できる試合も多くなり、各地に遠征する機会も増えてきました。そんなとき、金銭的なサポートに加えて、地域への社会貢献活動をするアスリートを支援するという趣旨にも共感し、明治安田「地元アスリート応援プログラム」へ応募することに。
25年は明治安田が主催したゴルフコンペで地元の参加者とプレー。「ゴルフをしながら、参加者の方たちとお話できて、とても有意義な時間が過ごせました」と、髙田選手にとっては大切な時間になったようです。
さらに26年2月にはオーストラリアへ遠征し、自身初となる海外でのゴルフを経験。「ひとりで飛行機乗るのもはじめてで、入国審査などではすごく緊張した」という髙田選手でしたが、日本とは異なる環境でのプレーは彼女にとって学ぶことがたくさんある有意義なものになったようです。
「正直、オーストラリア遠征のときはあまり調子が良くない時期でしたが、それでもベストを尽くすことができたのは収穫。もう少し英語の勉強をしないとな、とも思ったので、自己評価では70点です」
愛猫とK-POPが日々の癒し&エネルギーに
「負けず嫌いな性格」と自己分析をする髙田選手。高校時代はゴルフ部の部活動で練習をした後も、打ちっ放しに行くなどして自らを鍛え続けました。「今でもテーマは多くて、100点満点ということはないのです」。見守る綾太さんも「とにかくやると決めたらとことんやり続けるので、オーバーワークにならないよう気をつけて見ています」と言います。
そんな厳しい日々のなかでのリフレッシュ方法は地元の東京都世田谷区のお気に入りスポットの馬事公苑へ行くこと。「ここでランニングすると、気分がいいんです」という髙田選手には大切な場所になっているようです。
自宅ではペットのアメリカンショートヘアの雄猫に癒される彼女ですが、最近は音楽鑑賞もお気に入り。中でもK-POPアーティストのBOYNEXTDOORの「Serenade」は、「アラームにして毎朝起きるし、試合への移動時には必ず聞くくらい大好き!」と話してくれました。
雌伏のときを経て、いざプロテスト合格へ
大学1年生だった25年は夢の実現に向け、あえてプロテスト受験をパスして大学のゴルフ部での活動に専念。自らの課題に挙げていたアプローチやパターの強化、そして大学でのタイトル獲得をめざしましたが、7月に移動中の事故で膵臓(すいぞう)を負傷し、ゴルフから1ヵ月ほど離れてしまうというアクシデントに見舞われました。「入院中に体力を落としてしまい、もとに戻すまでが大変でした」と、髙田選手も残念そうに振り返りました。
しかし、大学ゴルフ部のリーグ戦や団体戦で今までと雰囲気の違うゴルフを経験し、課題のパターやアプローチはいろいろな打ち方を試しながら強化。先述したオーストラリアへの遠征も含め、「インプットの年」としては大きな収穫を得たと言います。
「JLPGAツアーでの賞金女王。将来は海外に挑戦」という夢は今でも変わりなく、憧れの申ジエ選手(韓国)のような魅せるゴルフをしたいという髙田選手。そのために26年は自身2度目のプロテスト受験へ。「怪我しないように頑張りたい」と謙虚に語ってくれましたが、合格のために時間を費やし、スキルアップに磨きをかけてきました。
プロテスト合格の先には賞金女王、そして世界中のゴルフファンが注目する中でプレーする……髙田選手のひたむきな挑戦はまだ始まったばかりです。
(編集:4years.)