けがを克服して本格復帰 姉妹で優勝争いめざす
広島県のアスリート、女子アマゴルフの寺岡鈴音(りおん)選手(府中市立府中学園9年/中学3年)は度重なるけがを乗り越え、2024年春から本格的に大会に復帰しました。持ち味は「粘って耐えるゴルフ」。好成績を残す妹の寺岡虹選手を意識しながら、「姉妹で優勝争いできる選手」をめざしています。
ゴルフの魅力「頑張ったことが結果に出る」
寺岡選手がゴルフをはじのは、ゴルフが大好きな父の影響でした。小学校入学前から父に連れられて、2歳下の妹とともにゴルフ練習場に通っていました。ただ、小学5年のときに県内の大会に出てみたものの、良い成績を残すことができません。
母のすすめもあって、小学6年のときに福山市内の練習場のコーチの指導を週1回受けるようになります。すると、「練習した分だけスコアが良くなり、うまくなっていくのがわかりました」。努力が数字に出るゴルフに夢中になっていきました。
週末はコーチの指導を受け、平日の放課後は父にスイングを見てもらいながら、300~500球打ちます。練習は妹と一緒です。「妹はめっちゃ負けず嫌い。でも、私も負けず嫌いです(笑)」
県大会優勝後に腰と右ひじをけが 妹は全国優勝
努力が結果につながりました。中学1年の夏、県高校・中学ゴルフ選手権夏季大会(中学女子の部)で見事優勝し、県の強化指定選手にも選ばれました。ところが、大会後、学校の授業で倒立をした際に転倒して腰を痛めてしまいました。
痛みがなかなか引かず通院を続けました。腰に負担がかかる練習ができなくなり、「パターなど振らずにできる練習をしていました」。ようやく回復したのが1年後。今度はトレーニングでジャンプして着地したときに右ひじを強く打って、骨にひびが入ってしまいました。再び通院の日々が続きました。
ちょうどこの頃、妹が全国小学生ゴルフ大会(女子の部)で優勝を飾りました。「妹はすばらしい結果を出しているのに、自分は思うように大会に出られない。かなり不安でした」と振り返ります。周囲の人が「早くけがを治して頑張ってね」と温かく励ましてくれました。つらかった時期、ゴルフ練習場の先輩が言っていた「自分が一番強いと思うことが大切」という言葉をかみしめました。
寺岡選手は「粘って耐えるのが自分のゴルフ」と分析し、けがの期間も練習を重ねてきた「パターが武器」と話します。一方、妹については、「飛距離が武器。ねらって、攻めるゴルフ」と言います。ゴルフ選手として対照的な姉妹です。「お互いのプレーについてどこが良いのか、悪いのか教え合ったりします」
ゴルフを離れると、「何でお菓子を分けてくれないのとか、しょうもないことでよくけんかします(笑)」。気持ちの切り替えは「寝ること」。「起こされないと、ずーっと、ずーっと寝ていられます」
24年に入ってようやく本格的な練習ができるまで回復しました。4月に開かれたスプリングジュニアゴルフチャンピオンシップ西日本決勝大会(12~14歳女子の部)では4位に入りました。しかし、5月の中国女子アマチュアゴルフ選手権競技では強風に見舞われた2日目にスコアを崩して43位タイでした。「風の中のプレーのマネジメントが全然できていなかった」と、課題が見えました。
地元に後援会発足 大好きな「府中焼き」ダブルで
寺岡選手は府中名物のお好み焼き「府中焼き」が大好きです。広島スタイルと同じように生地、キャベツ、麺、卵などの重ね焼きですが、豚バラ肉ではなくひき肉を使うのが特徴です。「麺はそばではなくうどんが好きで、ソースはカープソース。『ダブル』もいけます」。そして、母の手づくりの豆腐入りハンバーグもお気に入りです。ただ、「トマトが嫌いで、野菜もあまり好きじゃありません。妹はキノコが嫌い。2人とも好き嫌いが多いんです」と苦笑します。
自宅から府中公園の桜並木が見えます。22年、小さいときからゴルフに打ち込む姉妹を応援しようと後援会ができました。地元の人たちを中心とした約70人がメンバーで、年1回ゴルフコンペも開催しています。後援会の人にすすめられ、自分の頑張る姿で地域に貢献できる明治安田「地元アスリート応援プログラム」に応募したのも、地元に少しでも恩返ししたいと思ったのがきっかけでした。
「思うようなゴルフができずに落ち込んでいるとき、地元の方々からたくさんの励ましの言葉をもらいました。自分のプレーで地元に恩返しをしたいです」と話します。
目標は双子姉妹でプロの岩井明愛(あきえ)選手と千怜(ちさと)選手。「ジュニアの選手にも優しく気づかってくれる。将来、私たちも姉妹で優勝争いができるような選手になりたいです」と声を弾ませます。
(取材・制作:4years.)
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